第14話【青春時代】
「まず始めに俺の青春から話を始めようか」
「・・・は?」
唐突な話の流れに思わず声が漏れる夢宮。
「青春時代?何で?」
「当時の俺は平々凡々な学生だった、今も平々凡々なサラリーマンだが・・・」
「聞けよ、人の話」
「俺は平凡な学生時代を送った、特にいじめられた訳でも無く
かと言って華々しい生活を送った訳でも無い無味乾燥な毎日・・・
サラリーマンになってからもそうだった、毎日ただ生きていく・・・つまんない日々さ」
「・・・・・続けて」
「そんな退屈な毎日に天使が現れた、それが桜子ちゃんさ
彼女に癒されて俺は生まれて初めて人を好きになった
遅まきの青春って奴さ、その時初めて生きてる、って感じがしたんだ・・・」
「・・・・・それで?」
「彼女がビーズでアクセサリーを作って
フリーマーケットで売っているを買ったりしたよ
怪しまれないに変装を何回もして買って行ったよ・・・」
「・・・何時までこの話続きます?」
「その頃だったね、蝙蝠の怪人になったのは・・・」
「え?何で?」
話の流れが見えずに驚く夢宮。
「ビーズ人形を俺の他にも買っていたのが許せなかったんだ
それでぶっ殺してでも奪おうかと思ったんだ」
「話がいきなり不穏当過ぎる」
「まぁ俺も襲って倒して気絶させてからビーズ人形を奪えば良いと気が付いて
引っ手繰りを行う様になったんだ、人形をアクセ代わりに鞄につけていた子が多かったから
鞄事引っ手繰る事になってな、ついでに良い副収入にもなった」
「そこで終われば良かったんですがね」
「あぁそうだ、だがな俺はビーズ人形を集めている中で唐突にこう思って来たんだ
『俺と桜子ちゃんは違う』と」
「違う?」
「俺は三十手前、だが桜子ちゃんはティーンエイジャー
同世代じゃない、そう考えると桜子ちゃんと
同じ年頃の連中が憎くなって来てな・・・
勘違いするなよ?最初の方は自分で手は加えず頭上から物を落とす程度だったんだ」
「人殺しには変わりない」
「俺にとっては一線だったんだよ
だがこの間、桜子ちゃんに彼氏が居るって知ってな・・・
ぶっ殺してやったよ、この手で・・・
そしてこれからは己の手で人を殺そうと思って
昨日、襲ったらお前に邪魔された、って訳だ」
「色々言い訳したけど、結局横恋慕って奴じゃないか」
「そこまでに至るまで色々有ったんだよ・・・鈍色の青春を過ごしたって訳だ
もっと良い青春を送っていたら、こんな事にはならなかった」
「・・・ならもう少し聞いても良いか?」
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