第9話【常連客達】

ライダーズカフェに働き始めて一週間、留守番を任され喫茶店に一人で居る夢宮。


「おやっさんコーヒー・・・って徹君だけ?」


以前に来た客が入って来た。


「えぇ・・・確か・・・」

「栗林、栗林 薫です、よろしく」

「どうも・・・・・如何します?飾玉さん今居ませんので何も出せませんが」

「良いよ、待つよ・・・・・所で桜子ちゃんはまだ寝込んでいるの?」

「えぇ・・・まだあんまり良くないみたいです」

「不安だなぁ・・・最近物騒だって言うのに」

「物騒?」

「そうそう・・・」


その時


「おやっさんコーヒー!!」

「ちょ、押すな・・・」


二人組の男性が中に入って来た、一人は書生風の青年でもう一人は筋骨隆々の男性だった。


「全く金剛は乱暴なんだから・・・」

「あれ?おやっさんは?」

「留守だよ、徹君が店番している」

「そうか、自己紹介してたっけ?俺は金剛 隆二

こっちの細っこいのが斎藤・・・なんだっけ?」

「斎藤 階です、全く・・・何でこんな奴と・・・」

「最近物騒だからだろ?」

「まぁそうだけどもさぁ・・・」

「さっきも聞きましたが物騒って?」

「あぁ引っ手繰りとか落下事故とか色々有るんだよ」

「引っ手繰りは分かりますが落下事故?」

「最近物が頭上から落ちて来て命中して最悪死亡するって事故が多発してるんだ」

「へぇ・・・それは物騒ですね」

「徹君も気を付けなよ」

「充分に注意します」


そんな話を続けている内に買い物鞄を下げた飾玉がやって来た。

学生服の少年と一緒に。


「おぉ来てたのか、注文は?」

「コーヒー」

「私もコーヒー」

「俺はコーヒーと・・・ナポリタン下さい」

「はいはい、一条君は如何する?」

「え・・・いや、大丈夫ですよ、お気になさらず」

「そっか、桜子の為に態々プリント持って来て貰って悪いね」

「いえ・・・これ位大丈夫ですよ、じゃあこれで」


少年は頭を下げてその場を去った。


「彼は?」

「一条 入鹿君、桜子のクラスメートだよ

桜子が塞ぎ込んでいる中プリントを持って来たりしてくれる良い子だよ

幼馴染でね、桜子が彼氏が出来たって時は彼かと思ったんだが・・・」

「そうですか」

「おっとこうしちゃいられない

じゃあちゃちゃと注文を熟すとしますかね!!」


飾玉は厨房に入るとすぐさまに注文を熟し

常連客達を掃ける事に成功したのだった。

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