2ndSEASON
第6話【ライダーズカフェ】
住んでいた街を飛び出して怪人を殺す旅に出た夢宮だが
怪人は神出鬼没、そう簡単に見つかる物でも無かった。
・・・
とは言えアタリを付ける事には成功した。
「この街の何処か・・・だよな、多分・・・」
高台からバイクに跨ったまま街を見下ろす、見た所平和そうな町だが
夢宮はこの街に怪人が居る事を察した。
何故かと問われれば答えに詰まるのだが・・・何となくとしか言いようがない。
問題文を読んで過程を飛ばして答えが分かってしまった。
そんな感覚がする。
「何れにせよ・・・」
夢宮は跨ったバイクを見る、普段使っていなかったので
最近の酷使にやや挙動に不安が残る。
「この街でチューンナップしてみるか・・・」
バイク屋に行く事にした。
夢宮はバイクに跨り、町中を探してバイク屋を見つけた。
店名は【ライダーズカフェ】
「・・・カフェ?バイク屋・・・だよな?ここ・・・」
夢宮は戸惑いを覚えたがバイク屋が見つからなかった為に中に入る。
「すいませーん」
「はいはい、こっちの御客さんは珍しいねぇ」
店の奥から喫茶店のマスターの様な男が現れた。
「えっと・・・バイク屋、ですよね?」
「それだけじゃ食ってけないからね喫茶店もやってるんだ、ウチ」
「そうなんですか・・・実は最近バイクの調子が心配なので
チューンナップとかして貰えます?」
腕が心配になって来たが背に腹は代えられず、バイクを見せる夢宮。
「・・・アンタ、結構遠くから来たね?」
「・・・分かりますか?」
「分かるよぉ、それ位、俺も昔はぶいぶい言わせたんだが・・・
おっと歳取ると昔の事を自慢したくて仕方ないねぇ、ごめんごめん」
「いえ・・・それで如何ですかね?チューンナップ出来ますか?」
「さっきからチューンナップ
チューンナップって言ってるけど改造して欲しいって事?」
「まぁ一言で言うとそうですね・・・」
「改造には色々と国からの申請とか要るんだよ?
具体的にどんな改造を御希望なの?」
「長旅に耐えられる様に頑丈に、出来ればパワフルにして欲しい」
「ざっくりとしてるなぁ・・・アンタバイク乗りにしては素人だね?」
「う・・・ま、まぁそうです」
「改造は出来るけどアンタじゃ維持出来そうにないね」
「確かにそうですね・・・」
長い旅にバイクで出ようと思い立ったが、確かにバイクの維持等は考えもしなかった。
「んーじゃあ如何だろう
この店でちょっとバイクのメンテナンスについて学んでみないか?
表の喫茶店が暇な時に色々教えてやるよ」
「それは・・・助かりますが、良いんですか?」
「その代わり、忙しい時は喫茶店を手伝う
ウェイトレスをやっているウチの娘がちょっと体調を崩していてね
暫く休ませたいんだわ」
「・・・なるほど、分かりました」
渡りに船の提案で夢宮は暫くライダーズカフェでウェイターをしながら
バイクのメンテナンス等の勉強をする事になった。
「所でアンタ、名前は?」
「夢宮 徹です」
「そうか、俺は飾玉 次郎、よろしくな」
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