第2話 気付けば半年寝たきり状態

5月に書いた序章を読んで、ああ、あの頃はどうだったか等と想いをはせても思い出が無いくらい、今日に至るまでの私は病に振り回されていた。

2018年12月に職場で倒れ、2019年2月から欠勤し、同年4月から休職に至った私だが、その間私は何も食べられなかった。

言葉の通りだ。

何一つ、食べられない。

お粥すらも口に含めば戻してしまったし、ポカリスエットですら時には戻した。

吐き気は断続的に襲い掛かり、日がな一日トイレで過ごし、時にはトイレで眠っていた(気絶していたのかもしれない

そんな状態で外に出られるわけもなく、友人に手伝ってもらいながら病院に行き、それ以外の時はずっとマンションの部屋に閉じこもっていた。

買い物は全てネットスーパーで済ませ、吐くと分かっていても食べる努力はしていた。

そして5月、私はあまりのどん底さに苦し過ぎてエッセイの序章を書いた。

誰かに吐露したかった。

それが根源にあったのだと思う。

私が死ねば肉体は消えるだろう。

だが、電子情報の私はきっと消えずに生き続けるのだ。

書籍であれば100年ほどで忘れ去られるものも、電子データであればそれよりも遥かな未来まで生き続けることができる。

フェイスブックもツイッターもラインも、そしてこのエッセイも。

現実の個を失ったとしてもデータ上の個は残るのなら、残してみようかと。そう思ったのだ。



前回の序章を書いてから、私は痩せた。

昨年の会社の健康診断の時より16キロ落ちていた。

食べられず動けずでは、筋肉は落ち、内臓脂肪も消費され、皮下脂肪が弛む。

油分を摂取していないから、皮脂も足りず、肌はボロボロ。

髪もドライヤーを当ててやることすらしないので艶を失った。

そもそも、だ。

双極性障害の鬱期は、日常生活に非常に大きな支障が出るのだ。

私の症状としてハッキリと出てくる症状はこれだ。


・過眠

・嘔吐

・下痢

・不安感

・身体を清潔に保つ行為が出来ない(風呂、洗顔、歯磨き等

・身の回りを清潔に保てない(掃除、片付け、ゴミ出し等

・食欲減退(ゼロともいう

・一人での外出が困難


これらが私の鬱期の特徴的な症状だ。

トイレが一番安心する場所であり、眠っているか吐いているか、と言うような状態になる。

それはもう、死にたくもなるだろう?

吐くという行為そのものが通常でも人を疲弊させるだけのエネルギーを必要とするのに、病人ならば如何ばかりか。察して余りあるだろう。

だが、私はただ吐いて眠っていたわけではない。

背負った借金は不安を煽るし(自業自得でもだ)金銭的な余裕は心のケアに必要だと判断した。

そこで私は考えた。

ADHDは先天的疾患であり、加えて双極性障害でこれほどまでに日常生活に困っているのであるならば、厚生障害年金の受給が受けられるのではないかと。

スマホで色々と調べ、成功報酬型の社労士事務所を見つけた。

相談だけならばタダ。

ならばと私はトイレから電話した。

これがどん底から這い上がる一歩だと信じて。

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