第138話変態…お誘い

月曜日の朝

 凜に起こされ、準備をして朝食を食べていた。

「麻莉菜は部活に入んないの。」

「入らないよ。」

「何でぇ。」

「私を除け者にしてるの。」

「してないよ、友達作って欲しいんだ。」


麻莉菜は深い溜め息つき「晴兄友達少ないでしょ」と鼻で笑われ、晴斗は静かにいい放った。

「…も、もう言わねぇよ。」


三人は朝食を食べ終わると、麻莉菜は友達と登校すると言って学校に向かった。晴斗はソファーで横になり、凜は洗い物をしていた。


洗い物が終わったのか、呼ばれて台所に向かうと、凜は制服姿で手を広げて待っていた。

「どうした。」

「…抱っこ。」


甘声で言われて抱っこすると、耳元で「ありがと」と囁かれ、抱っこしたままソファーの前に立ってテレビを見ていた、勝手に降りようとすると、お尻を軽く摘まんでいた。

「…スカート越しに抱っこしてよ。」

「嫌だ、手触りがいい。」

「…もう、摘ままないで。」

「ごめんね。」


凜の顔を見ると耳まで赤く、少し怒っていたが、晴斗はニコニコして降ろした。

「水色の下着だね。」

「急に捲らないでよ…新しい下着なんだよ。」

…俺の誕生日の日に友達と買った時のだろうな。


スカートを捲って楽しそうに笑うと、ビンタされそうになり避けていた、凜はスクールシャツを着て、胸を張って気付いて欲しそうにしていた。

…制服着ると胸が小さく見えるって言ったから、ブラかパットでも買ったんだな…まぁ全然変わってないけど。


凜は恥ずかしそうに、腰に手を当てて横を向いたりして、晴斗に見せていたが、何も言わなかった。

「…晴くん感想ないの。」

「何の感想かな、変わったところ……無いなぁ。」


晴斗が胸を見て言うと怒ってたが、学校に向かった。


教室に二人は並んで入ると、凜は恵の席に行き、話していた。

「凜ちゃん胸が大きくなったね。」

…スクールシャツだからだろ、てか小声で話せよ。


友達の女子だろう、凜の胸を下から軽く持ち上げていた、教室に居た男子は胸と聞いて振り向いたり、横目で見ていた。

「凜ちゃんやっと使ったんだ、今日同じブラなんだよ。」


ブラジャーの話を女子グループでしていたが声が大きかった、凜は顔が真っ赤でコクコク頷き、声が大きいと注意していたが、凜は女子グループに手を引かれて教室を出ていった。

「確かに大きくなってたと…思う」

「何で俺は男に生まれたんだよ」

「男が触ると痴漢なんだよな」


教室に残った男子から言われていた。


女子グループと教室に戻ってくると、晴斗でもスクールシャツ越しに分かる、凜の胸が少し大きくなっていた。

「晴斗くん、凜ちゃんの胸大きくなったよね。」

「…な、何で俺に聞くんだよ。」

「照れなくて良いじゃん。」


凜の女子友達に、晴斗くんと呼ばれるようになっていた。

「誰かにパットでも借りたのか。」


晴斗は凜を見て笑いながら言うと、頬を叩かれ「変態」と言われ、凜の女子友達に「寄せて上げただけ」と教えられた。


晴斗は恥ずかしくなり机に突っ伏していると、誰かに髪を触られ「晴斗くん耳真っ赤」と笑われた。

「周りの男子見てみろ、恥ずかしそうに胸の話…聞いてるぞ。」


晴斗に指を指された数人の男子は前を向いたり、横を向いたり、飲み物を飲み出した。

「晴くん顔真っ赤だよ。」

…凜の奴首傾げてからかってんだな、友達の影響受けるなよ。


晴斗は真っ赤な顔を隠すように、また机に突っ伏した。

「晴斗くんも恥ずかしがるんだぁ。」


授業が始まるまで誰かに頬を突っつかれたり、からかわれたが無視していた。



 午前の授業が終わり、昼休みになった


直ぐに数人の女子と机をくっ付けて弁当箱を出した凜から自分の弁当を受け取ると、急に晴斗は女子に腕を引っ張られビクッと反応していた。

「凜ちゃんが言ってたけど、急に触るとビックリするんだね、怖くて話し掛けずらかったけど…可愛い所もあるんだ。」

「触んな。」

「晴くん照れないで食べよ。」

「凜は俺をからかってんの…絶対バカにしてるよね。」


晴斗は急に触られたことで、イラっとしていた。

「晴くん一人で食べるんでしょ、怒らないで一緒に食べよ。」

「…全然怒ってないからな。」


晴斗は机をくっ付け、女子5人と食べていた。

「食べにくいなぁ。」

「晴斗くん、女子に囲まれて食べにくいんだね。」

「違う、背中に殺意とか嫉妬の視線が突き刺さって痛い。」


晴斗は親指を立てて、背後を指さすと、良太と林道と今井も居て言われた。

「晴斗だけ女子と食べてずるいぞ。」

「もっと男子に絡まれてこい。」

「モテる男は違うね。」


友達三人が言うと、周りの男子から色々言われてからかわれたが、無視していた。

「晴斗くんって凜ちゃんと付き合ってるの。」


一緒に食べていた女子に聞かれて、晴斗は凜を見て教室を見渡すと、男女関係なく、皆に視線を向けられていた。

「一緒に住んでるから仲良しなんだよ。」


晴斗は腕のペアのブレスレットを「凜から兄妹の証で貰った」と言って見せていた。

「本当に付き合ってないの。」

「さぁ、どうだろうな、付き合ってるかもなぁ。」


晴斗が笑い出すと、大島美月に「本当にふざけるのが好きだね」と笑われた。

「付き合ってるって思っていいんじゃないのかなぁ。」


凜も女子に聞かれ「晴くんふざけるの好きだから、何も言わない」と言っていた。

「周りがどう捉えるか、皆の反応で楽しもうな。」

「二人で何を企んでるの、抱きついて歩くのに付き合ってないってこと?」

「俺のスキンシップなんだよ。」

「晴くん、家で義妹にも抱きついて笑うんだよ…鬼畜なんだよ。」

「誰が鬼畜だよ。」


凜は顔が真っ赤で睨んできたが、晴斗は話を変えた。

「朝言ってたけど、誰のパット借りたん。」

「は、晴くん…何も入れてないからね。」

「朝より気持ち大きくなってるから、何枚入れたんだろうって。」

「寄せて上げただけだからね。」



凜の女子友達に言われ、凜は真っ赤な顔で「教室で言わないでよ、男子も居るんだよ」と友達に怒っていた。

「凜、二人でジュース買いに行こ。」


真剣な顔で聞くと凜は頷いて、晴斗は凜の背後から手を回して皆に手を降ってジュースを買いに行った。


教室に戻る前に晴斗は小声で聞いた。

「本当にパット入れてないの。」

「…本当に入れてないんだよ。」

「何で大きく見せたいの。」

「…晴くんが‥喜ぶと思って。」

「触るよ。」

「…ふ、二人きりなら…」


恥ずかしそうに上目遣いで言われ、ドキドキしていたが屋上に来て頭を擦りながら言っていた。

「触らないよ、凜が無いって言った時から信じてるよ。」

「…からかってたの。」

「そうだよ…胸の話ばっかりしてたから、ごめんね。」


凜は抱き締めて言ってきた。

「晴くんなら触って良いんだよ、毎日太もも触ってるでしょ…本当にエッチなんだから。」

「…そ、そうっすか。」

「他の子の触ったらダメだよ。」


凜に首に手を回されてキスされると、晴斗は自分の顔が赤くなるのがわかった。

「毎日晴くんがからかうから……」


うるさい口を塞ぐように、晴斗はキスをした。

「…急にしないで。」

「うるさい…ペースが狂った。」


二人で少しの時間階段に座って話終わると、教室に戻っていった。

「二人とも遅かったね。」

「凜と散歩してた。」


晴斗は自分の席に座ると他のクラスの男子に声を掛けられた。

「飯島、放課後合コン行こうぜ。」

「誰だよ、行かねぇよ。」

「飯島晴斗呼んでって女子に言われたんだよ。」

「はぁ……女子って誰。」

「俺の中学の友達の友達らしくて、俺も誰か知らねぇ。」

「…あぁ俺、月城晴斗だからな。」

「学校で飯島名乗ってるよね、同姓同名はお前だけ。」

「……何で俺なんだよ。」


名前を知られている事に驚きを隠せなかった。

「本当は飯島を内緒で連れてきてって言われたんだけどな、俺たち喋ったことないだろ…俺の事は祐介って呼んで。」

「祐介か…てか合コンとか行かねぇよ。」

「来いよぉ、飯島呼んでって言った子可愛いんだって。」

「俺には凜が居るから。」


祐介に手を回され、笑われた。

「飯島はからかうのが趣味なんだよな、来いよ…俺も彼女が欲しい、月城さん兄借りていい、彼氏だったかな。」

「晴くんなら好きに連れていって良いよ。」


凜は祐介にニコッとして言った。

「飯島のライン教えて、放課後逃げるかもしれないから。」

「はぁー」


晴斗はラインのQRコードを祐介に向けた。

「晴斗くん、私が聞いても教えてくれなかったのに男子に教えるの、もしかして晴斗くんは男性が好きなの、だから凜ちゃんに抱き付いても平気なんだ。」

「違うわ、女が好きじゃ。」


凜は近付いて来ると耳元で言われた。

「晴くんも誰に呼ばれたか気になるでしょ、友達作るチャンスだよ。」

「あぁ…友達ね。」


晴斗は結局凜の友達の女子にもスマホを取られ、ラインを登録されていた。

「はぁ、またラインが増えたし…優香ブロックしとかないと。」

「急に名前呼ばれたと思ったらブロックって止めてよ…」

「誰だよ美優紀ってブロックだな。」

「私だがらね。」

「クッキーくれた小柄ギャルか。」

「覚えててくれたんだ。」


優香は茶髪で髪が長い、美優紀は小柄で金髪ギャルだった。晴斗はめんどくさそうにスマホを直した。

…誰が誰だよ、アイコンで少し分かるけど。

「友達でもないのに勝手に登録すんなよ。」

「晴くん、そんな言い方、ダメ。」

「…ごめん。」

「登録したから、私達は友達だね。」

「そうだねぇ。ラインに書いてる名前で呼ぶからね、俺が友達に何するか知ってるかぁ。」


晴斗がニコニコすると凜は呆れて、女子と祐介は小首を傾げてた。

「距離感近いけど、祐介は俺の友達か。」

「そ、そうだな、と、友達だな。」


晴斗は友達として、祐介にハグをした。

「嫌悪感に襲われると思ったのにな…襲われなかったよ。」

「麻莉菜と私で慣れたのかもよ、晴くん良かったね。」

「でも腕引っ張られたり、肩に手を回されると嫌悪感に襲われたんだ。」


凜と話してると、女子に「人に触られるのが嫌で、凜ちゃんで克服してたんだね」と言われた。

「ちょっと違うけど…まぁそんな感じだな。」


男女とも昼休み話していた。


放課後を迎えると、祐介が教室に入ってきた。

「晴斗、迎えに来たぁー、合コン行くぞぉー。」

…全くうるさいなぁ。


祐介はテンションが高く、「月城さん、変態借りるから」と言って合コンに向かった。

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