第107話友達…

公園から手を繋いで帰りながら、スマホの内にある、昔の写真と夏に撮った、金髪や銀髪、ピアス付けたり、タバコを吸ってる友達の写真を見せていた。

「…家で見た写真と違うよ…皆‥友達なの。」

「そうだよ、俺は外を歩けば冷たい視線で見られた、友達は俺に染まって不良となり、たまに中学の頃だけど遊びに来て、俺の心を守ってくれたんだ。」

「……」

「見た目は怖いけど、いい人だからね、呼べばすぐ集まってくれる友達ばっかりなんだ。」


凜は女友達と撮った写真を見て「どの子が元カノ」と聞かれ、1人背の高い女性を指差していた。

「昔の写真だね…この子だよ、元々凜みたいな恥ずかしがり屋だったんだよ、学校帰りに俺と帰ってたら、彼女も周りから色々と言われ、少しだけヤンチャになった、もう何処に住んでるか知らない、幼なじみに聞いたんだけど、俺を探してるんだって、高校の場所は誰にも教えてないからね。」

「…何で教えないの。」

「友達は柄悪いんだよ、近所の人に変な目で見られたくない、見た目で判断されるのが好きじゃないってこと。」


急に晴斗は、握った手に力を入れ、考え込むと聞いていた。

「…俺って、良太と恵から、友達って思われてるのかな。」

「友達って思ってなかったの。」

「思ってないよ‥他人だから信じれないんだ、裏切られるのが怖いんだ、冷たい視線を向けられるってね…凜の友達だから、顔見知りって感じだね。」

「二人はそんな人じゃないよ。」

「…二人を信じて見るよ。」

「…また気分悪そうだよ。」

「こんな俺の傍に居てくれるって聞いたら、安心したんだよ。」

「…ずっと居るよ。」


晴斗はぎこちない笑みを向けて言っていた。

「…恥ずかしそうに言うな、ドキドキして倒れそうだな。」

「…私もドキドキしてる、倒れたら怒ります。」

「倒れたら看病してね。」

「…うん。」


手を繋いで歩いてると、後方から数人のクラスメートと良太が話掛けてきた。

「二人きりだと、仲良くやってんだ。」


晴斗はフードを深く被って気分が悪そうに、実際に悪かった。

「……気分が悪いからな、凜に手を貸してもらってんだ。」


良太は隣に来ると、晴斗に手を貸していた。

「晴斗…友達だろ頼れ。」

「…良太は俺の友達か。」

「そうだろ、違うのか。」

「冗談だ、家まで送れ、良太だけな。」

「相変わらず口が悪いな。」

「…ごめん。」


知ってるから謝んなよと笑われ、アパートまで来ると、良太を抱き締め「上がっていくか。」と聞いていた。

「い、良いのか。」

「…友達だからな。」

「照れるなよ。」

「リビングだけ見ていいぞ、他の部屋は見るなよ。」

「おぅ、失礼しゃーす。」


良太は嬉しそうに上がると、リビングを見渡してポツリと「…二人暮らしか」と言って驚いていた。

「そうだよ、親は違う家に住んでる、マンションの最上階なんて住めるかよ。」

「高い場所がまさか‥怖いのか。」

「怖くねぇよ…嫌いなんだよ。」


良太と凜に笑われると、追い出そうとしていた「もう帰れ」と、また明日終業式でなと言われ帰って行くと、晴斗は横になっていた。

「…お昼御飯食べれる。」

「食べさせてくれたら…食べれる。」

「もぅ‥晴くんだけだよ。」


食べさせてもらうと、凜はずっと晴斗の肩に頭を置いて、腕を抱き締められていた。

「いつもより、ベッタリだね。」

「……ずっと傍に居るって言ったでしょ。」

「そっか、凜は離れないで。」

「…何回も聞いていいからね。傍にいる。」

「約束して…旅館は幼なじみの家なんだけど、彼女って正直に言ってね。」

「…恥ずかしいけど、頑張って言う。」

「頑張れよ…俺でも兄ちゃんに逆らえないんだ。」


笑ってると、凜は恥ずかしそうに聞いてきた。

「ねぇ‥膝に‥座りたい。」

「凜は特別だからね、学校でも家でも座っていいよ。」


座られると、凜の目をジーっと見ていた、照れて俯いても両手で固定し、目を逸らされても見ていた。

「…は、晴くん‥目閉じて‥手も退けて。」

「キスさせないよ、閉じないよ。」

「…恥ずかしいから‥お願い。」

「仕方ない。」


二人は何度もソファーでイチャついてると、インターホンがなり、何故か二人は急いで玄関の扉を開けると、恵がめんどくさそうに立っていたが、恵は二人を見て、目を逸らしていた。

「……お邪魔だったね。」


二人の顔は赤く、服が乱れ、二人の首にキスマークが付いたのを見て、目を逸らされていた。

「恵、どうした。」

「こ、これ。」


晴斗の全教科の教科書を袋に入れて、外に置いていた。

「明日持って帰ろうと思ったのに。」

「…き、今日持って帰ってって先生に言われたよね。」

「そっか、使わないんだ、捨ててくれたら良かったのに…まぁ‥上がって。」


リビングに招き入れると、恵は真っ赤な顔で俯いていた。

「どうした、座ったら。」

「……だって。」


恵がソファーに指を指すとカバーが乱れていた。

「ごめんね、乱れてたな…どうぞ。」


何事もなかったようにカバーを直して座らせ、晴斗は真剣な顔で、恵みに聞いていた。

「…恵は‥そのぉ‥俺の友達か。」

「そうだけど‥違うの。」

「そのぉ‥ありがと。」


急に抱き締めると、凜は意味が分かって笑い、抱きつかれた恵は恥ずかしそうに俯いていた。

「顔が真っ赤だな、聞きたいこと聞けたし、帰って良いよ。」

「…や、休ませてよ。」

「凜と続きしたかったな。」


笑いながら恵に言うと、後ろから蹴られていた。

「…言わないでよ。」

「怒った顔も可愛い。」

「…ありがと。」


恵の横に座り、二人の世界に入ってると、隣から蹴られていた。

「痛いなぁ‥まだ居たのか、今日は帰って。」

「…わ、私が居るんだよ、凜ちゃんもだよ。」

「…恵ちゃん、ごめんね。」


凜は謝ると、晴斗にまたキスをしていたが、恵は凜に教えていた。

「……り、凜ちゃん‥首にマーク付いてるから。」

「…明日の終業式だけ隠したらいいの‥気にしないよ‥ねぇ‥晴くん。」

「キスマークって分かんない大きさ付けたんだよ。」

「確かに、分かんないかも。」

「ねぇ‥晴くんってば。」


凜のトロンとした目で見つめられると「恵帰って‥お願い」と言って、帰らせ、ソファーで抱き締められ、キスをされ、甘えられていた。



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