第105話春休み前
学校内では、春休みが近づくと、女子から想い人に告白する人、男子は軽い気持ちで告白をする人、好きな相手に周りに流され告白する人…教室や校内でカップルは、春休み何処に行くか話し合い、イチャつく姿を…晴斗は校内を歩いてるだけで、何度も目撃していた。
自分のクラスに戻ると、晴斗は凜をからかって反応見て楽しむのが趣味…付き合ってないと思われ、凜に告白する人までいたが、晴斗は嫉妬することなく、呼び出された凜を見送ろうとして呼び止めていた。
「告白されて、もう泣いて帰ってくるなよ。」
「…泣いたことない。」
「そうだったな…ちょっときて。」
「やだ…笑ってるもん。」
急に晴斗が凜を追いかけると、凜も笑いながら逃げ、周りも笑い…変態、痴漢と言うフレーズが何度も周りから、飛び交うが気にせず、直ぐに捕まえ抱き付いていた。
「…離してよ。」
周りの男子からは「俺も抱き付いていいのかな」「俺もしてみよ」「本当に可愛い」と言うフレーズが聞こえると、晴斗の表情から笑みが消え、鋭い目つきで相手を睨み「泣かせてみろ、冗談で言ってねぇから」と強い口調で言っていた。
「…じ、冗談だよ、しないから、続けて下さい」
「冗談なのか、本気にしちゃった。」
「…晴くん‥怖い顔でしちゃったって言うと‥怖い。」
晴斗は凜を見ると笑みが戻り、自分の頬を突っつき「凜のキス」と言うと、周りから「また言ってるよ」と言うフレーズが周りの男女から聞こえていた。
「またとはなんだ、それはそれは家では…あのぉ‥凜‥足踏んでる。」
「変な誤解されるでしょ。」
「俺が凜にすること、言うこと、皆冗談って分かってる‥よね。」
首を傾げながら聞くと、教室にいたクラスメートも遊びに来ていた、他のクラスの人も、首を縦に振って頷いていた。
「……ほらショックなんだ‥‥けど、キスしてくれたら許す。」
「…し、しないから‥わざと落ち込んでるでしょ。」
「はぁ、バレちゃいましたか…また家まで我慢ですか、そうですか…でも恥ずかしがる姿は、たまんないなぁ。」
晴斗が言うと周りから「変態、ドS」と言われ、笑われ、凜は俯いた姿で恥ずかしがっていると、晴斗は小声で謝っていた。
「恥ずかしがる姿も‥可愛い。」
「…ううっ‥ふざけないで。」
「ごめんね、もうすぐ二人で旅行に行ける、ダブルデートも…嬉しいんだよ。」
「うん、私も嬉しくて‥泣くかも。」
「泣かないでよ…ねぇ、ダブルデート中、手繋いで歩いてくれる‥よね。」
「…デートだよ、繋いで歩くに決まってる。」
「なら、デート中のキスはダメかな。」
「…祐希兄ちゃん居るから。」
「…そっか、やっぱり駄目だよね。」
「…隠れて‥しよ。」
「良いんだね。」
「……うん。」
晴斗は満足して、自分の席に座ると凜に手を振り、振り返され、周りから「案外仲が良いんだな」と言われ、曖昧に返事して、教室を見渡していた。
恵がめんどくさそうに戻ってくると、告白されたのか聞いて笑っていた。
「少し友達に呼ばれてね、好きだから付き合ってほしいって。」
「どうせ、断ったんだよね。」
「友達としていようねって言ってきた。」
何か思い出したかのように聞いていた。
「あっ、両親にまだ俺って彼氏と思われてんの。」
「もう言われなくなったよ、妹に休みの日は、変態パンツのお兄さんと遊びに行くのって聞いてくるよ。」
「そっか、どうでもいいや。」
笑っていると、聞かないでよと怒られたが、恵に春休みの予定があるか聞かれていた。
「あぁ、恵と遊ぶ予定ない、ごめん、電話して遊びに来ていいからな。」
「違うから、凜ちゃんと遊びに行く予定だよ。」
「おぅ、あるよ、知り合いとデートに行ったり、あぁ、凜と泊まりに行くんだよ、家族旅行。」
…凜と二人きりなんだけどね。
「お、女癖が悪いんだね、デートって凜ちゃん知ってるの。」
「あぁ、知ってるよ。」
二人が堂々と、女癖やデートやパンツの話をしていると、後ろから頭を叩かれ、振り向くと、凜は恥ずかしそうに立っていた。
「二人は周り見てるの…見られてるよ。」
凜に怒られ、恵と二人で周りを見ると、冷たい視線が突き刺さっていたが、晴斗は「気にすんな。」と言うと帰ろうとしていたが、恵は凜に真剣な顔で近付いて行った。
「ねぇ凜ちゃん、晴斗くんデートするんだって。」
「知ってるよ……私に関係ないもん。」
「…だって、二人は……」
…恵は勘違いしてるんだな‥ダブルデートなのに。
「恵、それ以上大声で、変なこと言うな、凜も怒るぞ…少し二人で話そうか。」
恵の腕を掴むと、教室の角でこそこそと話をしていた。
「凜も入れて、ダブルデートだから。」
「えっ‥二人で勘違いさせないでよ、言い方悪いの忘れてた。」
「…そっか‥俺の言い方、そんなに悪いのか。」
「晴斗くんは、言い方悪すぎだからね。」
珍しく、恵にも言われた言葉でも、晴斗は落ち込んでたが、周りに悟られないように、振る舞っていた。
「…手繋いで帰ろ。」
周りからバレないように、凜の手を握ると叩かれ、振りほどかれ、落ち込んでるときに「触んないで」と小声で言われ、晴斗は悲しいような、寂しい表情をして、フードを深く被っていた。
「凜…帰ろうか。」
「…うん」
急にクラスメートから「家で喧嘩すんなよ」と言われ、凜は恥ずかしそうに、晴斗の後ろを付いていった。 下駄箱まで来ると、凜に小声で一言いった。
「散歩して帰ろ。」
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