第83話仲直り…

晴斗は恵を呼んだが、両親に二人っきりはダメだと止められ、リビングで話し合いをしていた。

「晴斗くんは、娘とどういう関係なのかな。」

「恵から見て俺って何。」

「友達だよね。」


凜を悲しませた恵に、仕返しを考えていた。

「えっ‥いつから友達になった、友達に格下げになったのか。」

「…ふざけて‥誤解させないでよ。」

「恵がそう言うなら、友達です。」

「本当は彼氏かな。」


父親に聞かれたが、内心怒っている晴斗は、誤解を解く気はなかった。

「…友達ですよ‥お父さん。」

「何で恥ずかしそうに、私のパパをお父さんって呼ぶの…パパもなんとか言ってよ。」

「恵、今夜だからな、近所迷惑‥お父さんもそう思いますよね。」


父親も頷くと、晴斗は急に立ち上がり、帰ろうとした。

「もう、夜なんで帰ります。」

「…晴斗くん、先に誤解といてよ。」

「もう19時で、皆ご飯まだだよね、家族の邪魔したくないんだよ‥妹もありがとね、誤解が解けてうれしいよ。」


急に妹を抱き締めて、お礼を言って玄関に向かったが、恵に止められ、誤解を解いて帰ってと何度も言われていた。

「…しつこい‥俺も悩んでんだよ‥心配してくれる両親が居て‥羨ましいよ‥大切にしなよ。」


待ってと聞こえたが、晴斗は急いで家を出ると、公園のベンチに座って、頭を抱えて泣いていた。

…誤解だったから良かったけど‥羨ましいなぁ。


三十分もしないうちに、凜が迎えに来ていた、何で場所が分かったか聞くと、恵が落とした下着だったこと、晴斗はもう帰ったと連絡をもらっていた。

「…遅いから心配して、恵ちゃんの家に向かって歩いてたら、見つけたの。」

「そうか。」


凜が近づいて来ると、晴斗は泣き顔を見られるのを嫌がり、今近づかないでねと優しく言ったが、しゃがんで泣き出した。

「……帰って来ないでって言って‥ごめんなさい。」


何度も謝られ、帰って来てと言われ‥誤解している凜を抱き締めて、教えていた。

「恵の家に行って、心配してくれる親を見てたら‥羨ましくて‥辛くて、泣いた顔見られたくなくて、近づいてほしくなかった、落ち着いたら帰ろうとしてた。」


凜が泣き止むまで、何度も謝らなくていいと言っていた。

直ぐ泣き止むと、誤解をすることは誰にでもある、浮気したら隠さずに言ってるよと笑って言っていた。

「…私の前で泣いたって‥気にしないよ。」

「そう言われても、俺は‥恥ずかしいんだよな。」

「…晴くんが泣きそうだったって、恵ちゃんが言ってたよ。」

「あのまま居たら、泣いてたかもね‥暗いし帰ろうか。」

「うん‥手握って、夜一人で怖かった‥あとね、ご飯作る気になれなくて‥作ってないよ、本当にごめんね。」

「謝らなくていい、買って帰ろ。」


コンビニで晩御飯を買って、家に帰ると食べて、シャワーを浴びてリビングに向かうと、凜は電話をしていた。


晴斗が寝室で横になってテレビを見ていると、凜はこっそり横になっていた。

「恵ちゃんが怒って、誤解とか言ってたよ。」

「そんなことより、抱き締めさせて。」

「…いいよ。」


抱き締めると、直ぐ晴斗は寝ていた。

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