第82話誤解は解けるが…混乱は誤解を招く

18時半に恵の家に着くとインターホンを押していた。 玄関から出て来たのは中年の男性だった、誰か聞かれると、恵の同級生だと答えて、友達とは一言も言わなかった。

「恵は居ますか、呼んでもらえますか。」


彼氏か聞かれたが、即答で違いますと答えると、外は薄暗く家の中に招かれ、リビングで待っていると、中々降りて来なかった。恵の両親とテレビを見ていると、十分以上待たされ降りてきた。

「晴斗くん、持ってきたかな。」

「何笑ってんの、絶対恵のだからな。」


恵の両親の前で、堂々と下着を取り出し渡すと、違うと言われ、堂々と晴斗話していたが、父親に肩を捕まれると、不思議そうに見返していた。

「晴斗くんだったね‥彼氏じゃないんだよね。」

「彼氏じゃないですよ、恵が僕の家でお風呂に入って、泊まった時に忘れた下着かと思って届けに来ました…でも恵のじゃないって誰のだと思いますか。」


晴斗は混乱して、両親に聞いていたが、なんとも言えない表情を向けられていた。

「…恵のじゃないって‥なら誰のだよ‥本当に違うのか。」

「わ、私に聞かれても、違うよ。」


晴斗は頭を抱えて、悩んでいた。

「…誰のだよ。」


両親は二人の関係が気になって娘の恵に聞いていた。

「恵‥泊まりに行ったのは、男の家だったのか。」 

「…晴斗くん‥誤解されてるんだけど。」

「…誤解‥知らないよ‥俺‥このままじゃ家に帰れない‥どうしたらいいの。」

「そんなことより、誤解されてるんだよ、晴斗くんと寝たと思われてる、寝てないって言ってよ。」

「…寒そうに横で寝てたよね、風邪引かないように俺のベッドで寝てたよね、忘れたのか。」


恵の顔は真っ赤になり、両親も呆れて言葉が出なかった。

「落ち込まないでよ‥晴斗くんのそういう言い方‥誤解されるんだけど。」

「…どうでもいい、帰る。」


晴斗は立ち上がるが、恵と両親に体を押さえられていた。

「…恵、もう終わりだ‥俺この先‥どうしたらいいの。」

「言い方が誤解されるんだよ。」

「…何の誤解だよ、知らねぇよ、俺‥帰りたいけど帰る家がないんだよ。」

「凜ちゃんに本当のこと言って許してもらったらいいでしょ。」

「…本当のことってなんだよ‥両親もこの花柄に見覚え無いですか、母親のじゃないですか。」


パニックになり、母親に聞いていたが、違いますと言われ、晴斗は泣きそうになっていた。

「泣かないでよ‥私も泣きそうなんだよ。」


リビングで言い争いになっていると、誰か帰ってきて、一斉に扉に視線を向けると、同い年程の女の子と年上の男性が、ただいまと言って入ってきた。

「お姉ちゃんも皆で何してるの、苦しそうだよ。」

「…誰。」

「妹と兄だよ。」


恵も両親も離れると、晴斗は立ち上がり玄関に向かおうとしていた。 晴斗が握りしめている、花柄の下着を見て妹が近づいてくると、ビンタを貰っていた。

「…痛い‥何もしてないのに‥叩くなよ。」

「それ、何で持ってるの。」

「…恵が泊まりに来た時に、忘れて帰ったと思って、持って来たら、違うんだってさ‥帰るから退いて。」

「返して‥私のだよ。」

「えっ‥俺の家にあったんだけど。」

「お姉ちゃん、私の物何でも使うし、勝手に着るんだよ。」


妹と二人で、恵を睨むと目をそらされた。

「ママ‥ご飯にしよ。」

「ママって‥両親の前だけど…恵ちょっとこい。」

「私の誤解‥解いてよ。」

「いいから‥こい。」


呼んだが、父親に止められていた。

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