第81話誰の下着…
ファミレスから帰るとベッドで休憩していた。 すぐ起き上がろうとすると、凜に引っ張られ、お腹に乗られると無理に動けなかった。 動けないと思っているのか、凜は恥ずかしそうに笑みを見せ、キスをしていた。
「…ずっと待ってるのに‥してくれないから。」
「強引だな。」
「…晴くんは毎日強引‥だよ。」
「あぁ、確かにそうだね、やっぱり嫌だったよね。」
「…学校では嫌だった‥でも二人になると‥嬉しいよ」
「恵で馴れたかと思ってた、ごめんね。」
「…恵ちゃんの前でも‥恥ずかしいんだよ。」
「もうしないから、恵の前で無理させて‥ごめんね。」
「…見られるとドキドキするけど‥恵ちゃんの前ならいいよ。」
凜は股がったまま抱き締めると、潤んだ目を隠して「積極的じゃなくて、ごめんね。」と謝られたが、晴斗も抱き締めて頭を優しく擦っていた。
「…もう少しこのまま‥抱き締めてて。」
股がられたまま、抱き締めていると晴斗は眠っていた。 一時間程寝ると晴斗の腕を枕にして眠っていた。
凜の寝顔を見てキスをしても起きず、頬を突っついても起きないのを見て、バイクを買いに行きたいのを我慢して、晴斗は抱き締めて起きるのを待っていた。
飲み物を飲みに、トイレに向かったりしても起きなかった。
17時になると、夜寝れないと困り、起こしていた。 起きるとキスをしてリビングに向かうと、一緒に洗濯物を畳んでいたが、凜は花柄の下着を見て晴斗を睨んでいた。
「晴くん誰の下着。」
「凜のじゃないのか、洗濯機の横の隙間に落ちてたから洗ったんだけど。」
「…正直に言って‥誰か家に連れ込んだの。」
「えーっと……誰も入れてないんだけど。」
考えても見に覚えがなく、晴斗は思わず笑うとビンタをされそうになるが、避けていた。
「今の間は何。」
「考えてたんだよ、連れ込んでないのに、下着が誰のか知らないよ」
晴斗が笑っていると、凜は泣き出した。
「…なら‥誰のなの。」
「泣かれても‥知らないんだけど。」
凜に近づくと、触れないでと拒絶され、怒られていた。
「俺‥本当に知らない、信じて。」
「なら‥下着の説明してよ。」
頭に手を当てて、考えても土日に恵しか家に上げてない。泊まった時に落としたのかもと凜に言うと「何日前だと思ってるの」とまた怒られていた。
「…絶対恵のだって。」
「下着を忘れて帰ったら‥学校で‥聞かれてる。」
「無くしたの忘れてるのかもよ。」
「…それでも‥。」
「しつこいな、知らねぇよ、恵のじゃねぇのか。」
晴斗は見に覚えのないことを、何度も聞かれて怒っていた。
「…信じたい‥けど‥だって。」
「今から恵に聞いて違うって言われても、マジで見に覚えがないからなぁ。」
直ぐに恵に連絡をしていた、凜にも電話越しに聞かせ、花柄の下着を忘れて帰ってないか、事情を話して聞くと、知らないと言われていた。
「泊まった時に忘れてたら、私も気づいてるよ。」
「恵しか家に上げてないから、恵の下着なんだよ、いいから家の場所教えて、今から見せに行くから‥凜を悲しませたくない。」
「そこまで言うなら下着を見てあげるよ、絶対私のじゃないし浮気バレたね。」
「…今煽って、お前が女性じゃなかったら‥顔面なぐりに行ってるぞ。」
電話越しに笑われ、晴斗は凜も連れて向かおうとしていた。
「凜行こ、恵のだからさ。」
「…忘れてたら‥気づいてるって言ってたし‥泣いてるまま外に出たくない。」
「凜が好きで悲しませたくないから‥一人で行ってくるからね。」
「…もう‥帰って来なくて‥いい。」
「…そんな言葉‥凜から聞きたくない、すぐ帰って来るから。」
晴斗は直ぐにビニールに入れると、恵の家に急いで向かった。
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