第84話バイクを買いに…電話

日曜日になると…


凜をバイク屋に連れて行って、どんなバイクに乗りたいか、値札を気にせずに選ばせていたが決まらず、同じバイクが良いと言い出した。

「このバイク、白色で可愛いよ。」


呼ばれて、凜が見ているゼファー400を見ると、白色のボディーに銀色のラメでラインが入っていた、塗装もされ、ビキニカウルも付いていた。

「凜が乗るといかついな。」

「…似合ってないかな。」

「あぁ、可笑しくないよ、見馴れてないだけ‥だな。」

「晴くんと色違いだよね。」

「そうだよ。」


晴斗は許可をもらい、凜に股がらせていた、店員が言うには最近売り物として出したらしく、タイヤも交換され新品、車検も二年残っていた。

「可愛いのか、本当に気に入ったか。」

「可愛いから、気に入ったよ…今日買うの、まだ免許証もってないよ。」

「俺の名義で買うし、兄妹だから凜も乗れるようにしとくね、本当は俺が先に乗りたいからね。」

…両足の爪先付いてるし、問題ないな。

「…何で、晴くんが先に乗るの‥私が乗りたい。」

「危ないから、タイヤの皮むきするだけ。」


タイヤの皮むきを店員から、説明されていた。


銀行でお金を下ろしに向かうと、晴斗は一括で買っていた。

納車は3月上旬に決まり、お昼になると家に帰って、ご飯を食べて、買い物に来て話していた。

「…夜は、カレーでいいかな‥晴くんは他のがいいかな。」

「凜の作った物なら、美味しいからね、何でもいいよ。」


買い物をしていると、凜のスマホが鳴り、晴斗は誰からの着信か分かっていた。

「また、麻莉菜か。」

「うん。」


麻莉菜は金曜日と土曜日になると、電話で遊びに来てと連絡してくるようになった。

「…晴くんも遊びに来てってよ。」

「行かないよ、凜が行きたいなら行くよ。」

「…晴くんと二人がいい。」

「また、今度行こっか。」


また今度行くと麻莉菜を断ったが、毎日聞いてるよ、いつなら来れるのと、電話越しに聞こえていた。

「…いつなら来れるのってよ。」

「あぁ、面倒くさい‥気が向いたら行こっかな。」


凜は晴斗に電話を向けて、麻莉菜に聞かせていた。

「晴兄聞こえたよ…来る気が無いんだね‥誘ってごめんね。」


凜は目を見開いて、苦笑いを晴斗に向けて、同じ表情を返していた。

「やってしまった。」

「…ごめんね。」

「凜は悪くないよ。」


麻莉菜は電話を切っていた。

「麻莉菜に悪いことしたな。」

「…電話しても出ないよ。」

「また電話かかってくるだろうな。」

「そうだね。」


二人は買い物を続けて、終わると家に帰っていた。

リビングで凜を股の間に座らせて、録画していた番組を見て笑っていると、晴斗のスマホがなっていた。

「また、麻莉菜からの着信かな。」

「…違うよ‥晴くんでてね。」


凜にスマホを渡され、名前を見て苦笑いをしていた。

「麻莉菜に何かあったのかな。」

「早くでないと。」



晴斗は直ぐに電話に出ていた。



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