第68話筋肉痛

翌朝、8時前に目を覚ますと凜に抱きしめられて寝ていた、晴斗がキスをすると目を開けて、ニコッと可愛い笑みを向けられた。

「おはよう、私起きてるよ。」

「起きてのかよ、嫌だったか。」

「嬉しいよ、晴くんが寝てる時‥私もしてるから。」

「えっ、嫌なんですけど。」


わざと不愉快そうな表情を向けたが、凜にバレていた。

「…内心嬉しいでしょ。」

「まあね、学校でしてほしいんだけど。」

「…二人のときに‥ね。」


朝御飯で起こさず、横に寝ていたことが不思議に思って体調が悪いか聞いていた。

「朝起きたら、腕と腰と足が痛い…筋肉痛になっちゃった。」

「体中ってことだな。」


自動車学校でバイクを何度も倒して、起こしている凜の姿を思い出し、笑っていた。

「笑い事じゃないよ、晴くんのせいで本当に痛いんだよ‥看病してね。」

「ただ甘えたいって言ったらいいのに、仕方がない、朝御飯作るよ。」


晴斗は準備をして台所に立っていた、卵とベーコンを焼いて、レタスを切ると、簡単なサンドイッチを作ってテーブルで食べていた。

「べちゃっとして、ベーコンの味しかしないな、気にせず食べてね。」


凜は手を付けずに、ニコニコして口を開けて待っていた。

「食べさせてしいのか、そうなら横に座って。」


凜は横に座ると、晴斗は包丁を持って来て小さく切って口に運んであげると食べるが、苦笑いを向けられた。

「…べちゃっとしてるよ、晴くんも口開けて。」

「食べさせて貰ったが、不味いな。」

「不味くないよ‥美味しくないだけ。」

「不味いってことだな、気にせず食べてね。」


サンドイッチを食べ終わり、外を見ると雨が降っていた、凜を軽く抱き締め寝室に向かった。

「筋肉痛ならマッサージしてあげるよ。」


凜がベットに横になると揉んでいたが、痛いだけと怒られ、軽擦法で優しく撫でていた。

「…晴くん気持ちいいよ。」


一時間程掛けて腕と足を撫でていた、終わると抱き締め一緒に横になっていが、凜は少しして手を振りほどき外を見ていた。

「…少ししか降ってないよ、買い物いこ。」

「え~~よ‥行こ。」


二人は着替えると、傘を二本持ち、晴斗の傘に入っていた。

雨が降って人通りも少なく、傘を差すと周りから見えないと、手を繋いでスーパー向かった。


スーパーに入るとチラシを見ながら安い食材を見ていた。

「今日はエビが安いね。」

「…夜はエビフライ作ろうか。」

「昼は、何作る。」

「まだ魚があったから、塩焼きにするよ。」


一緒に店内を回っていたが、凜の姿が見えなくなっていた。


店内で凜を何度も呼ぶと、見馴れた人が通路から出てきて笑っていた。

「やっぱり晴斗くんだった。」

「恵か、凜知らないか。」

「凜ちゃんなら、後ろから来てるよ。」


振り向くと、恥ずかしそうにカートを引いて近付いて来ていた。

「…恥ずかしいから、何度も呼ばないでよ。」

「なら、迷子になるなよ。」

「…野菜見に行ってくるからって言ったよね。」

「覚えてない。」


二人が話をしていると、恵は横で笑っていた。

「何で笑ってんの。」

「目の前で夫婦喧嘩を見てたら面白くて。」


恵を無視して、凜を見ていた。

「買い物終わったね、レジ行こっか。」

「…うん。」


二人は恵から離れてレジに向かったが付いてきた。

「付いてくんなよな。」

「凜ちゃんと私の扱いが違うよ。」


晴斗は楽しそうに凜に向かって言った。

「嫁さんと扱いが違うの当たり前だよね。」

「…声が大きいし、恥ずかしいから静かにしてよ。」

「ごめんね、ところで恵は何の用。」

「二人は昼から暇でしょ。」

「凜と勉強するから暇じゃないんだ、ごめんな。」

「分かったよ、また後でね。」

「絶対家に来るなよ‥じゃあね。」


買い物が終わると、凜には何も持たせず、傘を差して手を繋ぐと家に帰っていった。












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