第41話学校と…帰りに家電を買いに…

1人で寝ていた晴斗は、月曜日の朝7時に、スマホのアラームで目を覚ますと、洗面台で顔を洗い、リビングに向かった。


おはよう…お互い挨拶をすると、凜は晴斗に駆け寄ると抱き付き「今日学校終わったら家電見に行こう」上目遣いされた。

「あぁ、見に行くだけな。」

「…買いに行こうね。」

「拒否権ないやつね、お金下ろしてるからね、学校では、鞄持ったまま動かないとなぁ。」


凜は「やったー」と言って、皆でご飯を食べ終わると、両親は仕事に行き、二人は制服に着替えるとリビングのソファーに座っていた。

凜は嬉しそうに「…あれもかわなくちゃ、これもなぁー」と横に座ってスマホを見て呟いていた。


晴斗は凜のスマホに視線を向けて…

「家電見てるのか。」

「…うん、アパートWi-Fi完備だからね、テレビで動画見れるよ。」

「凜に任せるけど、いくら使う。」

「…分かんないよ。」

「あぁ、そうだよね。」


二人は学校の時間になり、すぐに家を出てバイクで学校に向かった。


教室に着くと二人に挨拶をお互いして席に座った。

凜は1人でスマホを触って、何度も振り向きスマホを晴斗だけに見せて、ニコッと笑みを向けていた。


良太と恵は、凜の様子が違うことで何かあったのかと、聞いて来たが、晴斗は朝からおかしいから気にしないでと言ったが、凜はテンションが高く、おかしな理由を付けて、晴斗はほらね頭を打ったみたいだからね、と言うと、二人は笑って聞こうとしなくなった。


授業中、恵が凛の手元を指差しニコッとして、晴斗は手元を除き込むと、水族館で買ってあげたペンを使っていたのを見て…あぁーもう可愛いなぁと1人で笑っていた。


休憩時間、凜のペンを、恵と良太は見ていた、魚が上に付いてるし、水族館って書いてるけど、二人で行ったのかと小声で話していた、晴斗と目があうと、凜は真っ赤な顔で、二人にこくっと首を動かすだけで、恥ずかしがって言葉を発しなかった。


昼休みになると、凜は今日二人で食べたいから晴くん行こう、と言い出し返事を待たず真っ赤な顔で教室を出て行った「二人ともごめんね」と晴斗は言って凜を追いかけていった。


付いて行くと誰も居ない空き教室に来ていた。

「凜、どうした。」

「…水族館の日の話をされると‥思い出して恥ずかしかった…晴くんと暮らすの言ってないから、スマホで一緒に要るもの決めないとね。」

「要るもの正直全部だよね、家具と家電一式だよね。」

「…うん」

…あっ、これヤバい額いく奴だ、

「どうせ優樹姉が俺に、買って貰いなさいって言われたか。」

「…うん」

…やっぱりか‥ヤバイ額だなぁー


昼休み、二人はスマホを見ながら要るものを決めていた。


放課後を迎えると、凜はすぐ、家電を買いに行きたいらしく二人に「…今日から忙しいから、また明日ね」と言ってすぐに教室を出て行った。

晴斗は…

「二人とも、今日はごめんな、今日から忙しいから、早く帰らないと行けないんだよ、またね。」

二人に言って、お互い挨拶をして、凜を追いかけた。


すぐにバイクで家電を見に行った。

家電を見ていると、凜は洗濯機、冷蔵庫、テレビ、に色々な物を見て決めたのか店員を呼ぼうとする凜を、晴斗はすぐに止めた。

「凜さすがに金が足りない、今からお金を下ろしに行くからね、てか凜は頭を打ったか、さすがに自重して。」

「…でも要るものでしょ」

「確かに、でも凜が何を考えて、二人暮らしをしようとしてるのか、わからん。」

恥ずかしそうに…

「…慣れなきゃ。」

「一緒に寝てたりするのに、慣れるって意味わからん、いいか、洗濯機も梅雨が来た時とかの事考えて洗濯乾燥機を買わないとね。」

「…うん、わかった」

「あぁ、金下ろしてくる。」


晴斗は1人走って銀行に行き、また1日の限度額を下ろし、戻って行った。


二人はまた家電を選び出した

「リビングのテレビは、小さいの置かないからね。」

「良いよ」


店員を呼ぶと、選んだ家電を頼み、日付と事情を言って新居に運んでもらうことにした。


晴斗は合計金額を見て頭を抱えて、深い溜め息を吐いて支払いをしたが、凜は隣でニヤニヤが止まらなかった。

「何でそんなに嬉しそうなん、少し外で抱き付こうか。」

俯いて恥ずかしそうに…

「…恥ずかしいから‥家まで待ってね、あと二人で暮らせるんだよ。」

「凜の部屋に、俺が夜も土日も居ったら良いだけじゃん。」

「全然違うよ。」

「あぁ、そうですか。」

「…学校の友達には……ないしょだよ。」

「友達多くないし、いちいち家の事言わないよ、ボロが出なければだけどね。」


凜はまだ楽しそうに…

「ねぇ…明日リビングの机とか色々買わないとね。」

「…あぁ、そうですか、ここまで来たら家具も買うよ、凜頼むから金銭感覚狂うなよ‥マジだから。」

「晴くんの大切なお金でしょ、いくら持ってるかも知らないし聞かない、暗証番号も知らないよ。」

「親の形見みたいな物だからね、減るだけがつらいから…でも凜、可愛いなぁ‥アパートで暮らすとバイトしていい。」

「…晴くん‥寂しいからダメだよ。」 

「俺が居ないとき、男性はダメだけど、女性の恵でも呼んだらいいんじゃん。」

「…だからね、友達にバラしたら‥ダメだからね。」

「そうだったね‥凜は顔に出るから、気を付けてね。」


二人は家に帰り、ご飯を作ると皆で食べ終わり。


両親はリビングで放心状態の晴斗を見て、心配していたが、隣に座る凛の「明日はリビングに置くテーブル買って…あれもこれも買わないと…もうすぐ二人暮らしだぁ」独り言を何度も聞いて、察したのか聞いてこなかった。

そのまま入浴後、凜の部屋を片付け、眠たくなると自室に戻り寝ていた。

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