第39話デート…からの

土曜日になり、凜に自室で起こされるまで寝ていた。


「…晴くん‥起きて」

「何時…9時か、おはよう」

すぐに起きるとお互い、挨拶をしてリビングに向かった。


凜は朝食を暖めるとゆっくりと話をしながら、食べ終わり、準備をしに自室に向かった。


コンコン 入るよ。

凜に声をかけ、返事が返ってくると部屋に入った。


「忘れ物無いかゆっくり確認してね、まぁ持って行くもの少ないけどね。」

晴斗は、言い残すとリビングに降りて待っていた。



凜が降りて来ると、二人はすぐ家を後にした…バイクに跨がり1時間半ほど走らせ、11時過ぎに水族館に到着した。


家族連れ、カップルの後に続き、チケット売り場まで歩いて行った。


「年間パスがお得だね‥どうする、いつでも来れるよ。」

「パスお得だし…一緒に来たいな。」


二人は、紙に記入して写真を撮られ、支払い後‥パスを貰い、凜の写真を見ようとしていた。

「見せて。」

「…笑わないでよ。」

「笑わないよ。」

ジーっと見てボソッと…

「…可愛らしいな」


聞こえたのか、目が泳いでいた

「……晴くんの見せて。」


すぐに凜に渡した。

「カッコいいよ…ちょっと真面目な感じで撮れてるね。」

晴斗は免許証を見せて笑ってた。

「最近の写真はそうかもね、こっち見て。」


何度も顔と交互に見て…

「目付き悪くて怖い、不良だね…。」

凜を見て嬉しそうに…

「もう怖くないよ‥家族が変えたんだ、主に凜だけど‥ 本当に感謝してるよ、ありがと。」

ニコッと小首を傾げ…

「うん…どういたしまして。」



二人は手を繋ぎ話しながら、水族館に入って行った。


凜はプロジェクターで投影された床を歩くと、何度も「…キレイ」と何度も囁いていた。


凜は人前で恥ずかしと言って、撮らせくれないが…晴斗は2ショットを撮ってあげようと決めた。


凜を呼び、片手で寄せると「撮らせるまで離さないからね、嫌でも譲れない思い出だから」と優しく言って撮っていた。


撮る度に恥ずかしがり…

「…ちゃんと撮れてるね…後で送ってね。」

「いいよ。」


何度も繰り返してると少し慣れたのか、凜から恥ずかしそうに‥撮ろうと言い出すようになった。


歩いてオオサンショウウオ見ていた。

「晴くん見て、ちょっと気持ち悪いね。」

「…少し鳥肌立つわ」

二人はずっと話しながら見て笑っていた。


ペンギンが歩いてるのを見てると。

「…可愛いよ。」

「なんか凜似てるな。」

「どこが似てるの。」

「ペンギンがちょこちょこ歩き、他のペンギンに付いて行ってる所…凜がいつも付いてくる姿と重なってね、まぁ簡単に言うと可愛らしいってこと。」


顔を見せないようにそっぽを向いていたが耳が赤くなくていた。

「…そう」

笑いながら…

「こっち向いて…」

言ってもジーっとペンギンを眺めたままだった…



見終わるとイルカショーを見に行っていた。

凜は子供のように目をキラキラさせ‥食い入るように見つめていた。


凜の楽しそうに笑う横顔に見惚れていると、振り向き、笑みを向けられたが‥この先も、いろんな姿を見れたらいいと、胸が高鳴ったが‥少し寂しくも感じた。


イルカの芸を見る度に、二人は声をあげていた。


「音楽流れて、トレーナーさんが手を動かすとピーピーって、演奏会みたいだよ。」

「初めて聴いたけど‥ピーって泣くんだな…ホントにイルカが歌ってるみたい。」


イルカが観客席の近くで、ジャンプして濡れた子供がはしゃいでる姿を見て「子供達ってずぶ濡れでも楽しそうだね」色々言って、笑いあっていた。


餌やりの時間が来ると、見に行って、終わると小腹が空いたため、魚のパンなど食べ、お土産を買って、水族館を出ると、もう17時前になっていた。


凜は嬉しそうに…

「晴くん、今日はありがと、楽しかったよ…もう帰るの。」

「夜になったら見せたい場所があったけど、もう疲れたなら帰るよ。」

どこか恥ずかしそうに…

「歩き疲れたけど…まだ晴くんの言ってる場所に行きたいから、どこかで休憩しよ。」

「どこで休憩する。」

「…どこでもいいよ。」

「わかった、見せたい場所の近くに行こう、暗くなるまでホテルで休憩でいいか。」



凜が返事をすると、二人はバイクに跨がり走らせた。

「着いたよ。」

凜はバイクから降りようとはしなかった。

「…晴くんここって。」

「そういうホテルだけど、別に休憩しかしないけど。」

「……」

凜が俯いたのを見て…

「凜は‥外では、静かで恥ずかしがり屋で、ハグも出来ない、前に言ったよね、嫌がることはしないよ、言ってたの本気だからね、ここが嫌なら……。」


晴斗の言葉を恥ずかしそうに…止めた。

「…ここで‥いいよ。」

「イタズラしないよ、行こ。」


二人はホテルに入り、部屋に入った。


凜は入るとずっと俯いたまま静かだった。

晴斗はそっと抱き締め…

「聞いて、本当に嫌がること‥してないか。」

「…うん」

「凜の事、大切に思ってるからね、お願い安心して、楽しそうに笑ってる姿見ても、バグも出来ないから少し寂しかった、公園とかどこでも休憩して良かったけど、凜は人が居ない方が安心するよね。」

「…うん」

言い終わると、凜は震える手に、力を入れて抱き締め返した。


手が震えてると、分かると…自然と頭を撫でていた。

「イタズラしないから、怖がらないでね、外ではギュッとしたくて、ここなら他の人も居ないし。」

「…ねぇ」

凜に、呼ばれて見ると、真っ赤な顔でそっと目を閉じ‥晴斗はキスをした。

「やっぱり外では、恥ずかしがり屋でいてね。」


何か決心をしたのか、凜は恥ずかしそうに……。

「…大切にされてるの、わかってた‥だから‥今日私を好きにして」


頭を撫で…

「無理して言わないでいいよ。」

俯いて恥ずかしそうに耳も真っ赤になっていた。

「…無理してないよ‥もっと思い出に残る日にして。」

「わかった、首に手を回して。」

キスをして、そっと抱き抱えベッドに向かった……

………………



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