第35話仕返しは、突然に

晴斗はリビングに、マスクを探しに行ったが、見つからず家中、探し回った。

…どっかで見たんだよなぁ、凜に聞くか‥


台所に行き、マスクの場所を聞くと、私の部屋にあるといい、すぐに許可をもらい部屋に入ると1枚付けて部屋を後にした。


リビングに降りると凜と目が合い、不気味な笑みを向けられ‥晴斗はゾッとしていた。

「マスク付けてどうしたの。」

「風邪かなって、ごほ」

「わざとってすぐわかるよ」

「そうだよね…変なこと考えてないか。」

「大丈夫だよ、考えてない。」

「良かった‥あとマスクは予防だからね、うん。」


晴斗はソファーのリクライニングを使い横になってテレビを見ていた。


ご飯の準備が終わると、両親が帰って来るまで、晴斗の隣に座った。


晴斗は凛の企んでる顔を見て…

「近いから少し離れてね。」

「晴くんがこたつに座ったら。」


誘導されてると感じ、晴斗は動かなかった。

「可愛い凛の隣でいいよ、何か考えてない」

「考えてないから安心して。」

「わかったよ。」


晴斗は親がまだ帰って来ないので、先にお風呂に入る事にした。

「まだ帰って来ないし、先にお風呂入るね。」

「うん、分かった。」

「一緒に入ろうか。」

凜の顔が赤くなるのを見て…

「あれ、真に受けたの冗談だよ。ははっ」

「…覚えててね」

「無理」


冗談を言ってお風呂に向かい、入浴を終え、リビングに行くと、ちょうどご飯を食べ始めていた。


おかえりと挨拶を交わして、晴斗も晩御飯を食べ始めたが両親は首に付いた歯形を見て笑っていた。


食べ終わり、マスクを付けて、リビングでのんびりしようとソファーで横になって、テレビを見ていたが、終わると自室に向かった。


自室に戻ってゲームをしていたが寝落ちしていた。



晴斗は急に目が覚めると、黒髪が視界に入り‥飛び起きた。

「‥うわっ…凜かよ、心臓に悪い、何やってんの、顔が痒いし首なんか濡れてるし、目が覚めるし。」


凜は満足そうに首を指して笑っていた。

「何してた、首に何かしたのか。」

「うーん、虫に刺されたのかな。」


急いで凛の部屋の鏡で自分の首を確認しに行った。

…やられたー

首にキスマークが1つ付いていた。

「凛‥これ虫に刺されたのかな」

「うん、虫に吸われてたよ。」

「その虫って、凛だよね。」


満足そうに笑って…

「親戚の家で覚えときなさいって言ったよね、覚えてる、その仕返しと今日の合わせたよ。」


ベッドに座って凛を見ていた

「満里奈とドライブ行った時だったかな、まだ覚えてたの。」

「うん、覚えてて良かったよ。」


凜を隣に呼んで真剣な顔で聞いた。

「1つ言っていい、このキスマーク付けると、どうなると思う‥考えた。」

「二人が喜ぶかな。」

「あぁ残念学校だよ、どうしたらいい。」

「…あっ」


晴斗は呆れて笑ってしまった。

「まだ歯形も残ってるのに、何で左右に付けたって違う‥エスカレートしすぎ。」


凜は、デコに手を当て苦笑いをしていた。

「あちゃー今日は嬉しくて、ガーゼ、包帯、絆創膏とか。」

「そんなことしたら、逆に目立つよ。」

「そうだよね。」

「うーん、ネックウォーマーしかないよなぁ」

「授業中取らないといけないよね。」

「だよね、凜て人に噛まれたとか言っとけばいいね。」

「…駄目だよ。」

「うーん悩んでも、仕方がない、時間が解決してくれるさ。」

「そうだね、寝ようか。」

「じゃ、おやすみ」


晴斗を、呼び止めベッドをポンポン叩いて…

「おいで…寂しがりさんの部屋の電気消してるからね」

「でっ‥ずっと言うの、学校このままで歩こうか。」

「ダメだよ、やめてって言うと、いうこと聞くよね、泣いちゃうよ。」


頭を抱え、呟いていた。

「…あぁ、変なこと教えるんじゃなかった。」

凜は満足そうに笑って…

「たまには、私の部屋でいいよ。」

「わかった、てか今何時」

「22時半。」

晴斗は凛のベッドに入った。

「あぁ、いつ寝たんだろ。」

「一度寝ると中々起きないね。」

「起こすときやっぱり荒いよ、さっき幽霊かと思って心臓がバクバクしたからね。」

「そっか、私にドキドキしたんだね。」

「あぁ…寝る。」

「寝よ。」

すぐに晴斗と凜は安心して眠りに付いた。

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