第34話自宅では…甘えん坊

学校で夫婦、旦那と呼ばれ、凜は急いで帰りたがり、コンビニに寄って自宅に向かってバイクを走らせた。


おかえり、優しく言って家に入ると、玄関で「…学校で我慢したよ」甘えた声で言われ、振り向くと恥ずかしそうに手を広げ待っていた。


晴斗は、からかいたくなり「ちょっと待って」と言い残し、2階の自室にそそくさと上がっていった。


自室で着替え終わり、リビングに降りると、ズボンを脱いで制服姿でソファーに座っていた。

「まだ、着替えてないのか。」

寂しそうに晴斗を見て…

「…晴くん冷たいよ。」


困った顔を凜に向けた。

「ごめんね、トイレと制服脱ぎたくて。」


隣に座るよう促され従うと、膝に座ろうとして晴斗は座らせなかった。

「…なんで冷たい態度とるの。」

「冗談だよ、着替えて来てね。」

「…このままでいいよ。」

「スカートだし、今からイタズラされたい、着替えて来てね。」


晴斗が言うと、顔を真っ赤にしてリビングから出ていった、あと‥抹茶を飲みながらスマホを見ていた。


凜は着替えると、ゆっくりと近付き、後ろから抱き付いた。

「甘えん坊、ジュース飲んでるから溢れるよ。」

「甘えん坊だから…。」

急に首を噛まれた

「痛い‥痛い‥痛い」

晴斗からジュースを取り上げ…

「…噛みたくなった。」

「…絶対歯形、付いてるだろ。」


晴斗はすぐ、洗面台に向かい確認した。

…うっわ、がっつり歯形が付いてるし、明日には消える‥のか。


凜の元に行くと、ソファーに体育座りで附せていた、顔を除き混むと…。

「…ごめんね、力入れて噛みついたと思ってるよ。」


…申し訳ない顔をされると怒れないなぁ

優しく頭を撫で…

「別に怒ってないし、噛むなら噛むって言ってね。」

「…言ったら噛んでいい。」

凜の隣に座り

「えっ、ダメに決まってんじゃん。」



噛まれた跡を見せると、凜が喜んでるように、晴斗は感じた。

「ホントにごめんね。」

「イラッとしたけど、凜だから許すよ。」


膝を叩き、凜が座ると抱き寄せ、呟いた。

「…凜が居ると落ち着くよ。」

「…私は安心するから、この先ずっと一緒に居て。」

「まだ高校生だけど‥将来結婚しよう。」

「うん…約束だよ、恥ずかしいから目を閉じて。」

「顔も見せないで、閉じてとか言われても、閉じないからね。」


凜は首に回してた腕に力を入れた。

「そのままで良いから弱めて、あと息でゾワッとするから、もう息しないでね。」

後半笑いながら言った…


凜は涙目でぎこちない笑みを見せると…

「…いじわる言うと。」


首にあま噛をして指で摘まんできたが、晴斗が脇を擽ると「きゃ」っと可愛い声が聞こえた。

「…もう一回やってみるか。」

顔を附せると、少し体が震えていた。

「……」

「嬉しくて泣いてる。」

「…うん」

「いつも、傍に居るからね、悲しくても嬉しくても泣きたくなったら泣いていいからね。」


落ち着くまで、ずっと擦ってた。


急に顔を上げると…

「…今日は好きにさせて。」

「毎日させてる、なら明日からは好きにさせないよ。」

凜は目を閉じると、涙が頬を伝い‥胸に顔を当て…。


「…やっぱり‥意地悪だよ。」

「性格知らないよね、俺は意地悪だからね。」

「知ってるよ、優樹姉に髪を切りなさいっていわれて、すぐ言うこと聞くいい子で、わざと口悪くして、1人で先の事まで考えてさ…家族の事を一番に考えるのは良いけどね、寂しがり屋さん。」

「…うるさいわ、間違ってる」


涙目で晴斗の目を見て…

「…私が居るから、もう他人を遠ざけようとしないでね。」

「…どうかな、相手の態度にもよるけど、優しく接してみるよ。」

「本当に心を許した人に抱き付いたり、抱き付かれると…怒ってても落ち着くらしいね。」


動揺して声が上擦って答えてしまった。

「マジでどこ情報、てかうるさい、お‥落ち着くか。」

「初めて動揺したね、甘えていいよ。ふふっ」


晴斗は深いため息を吐くと一人で横に倒れこんだ。

「あー…恥ずかしいわ」

「寂しがり屋さん、よしよし。」

「…うっ‥うるさい。」

「初めて顔が真っ赤だよ。」

「はぁ…マジでうるさい。」

「ギュットしていいよ。」


晴斗は急に立ち上がり手を拡げ、抱き付かれ落ち着くと一言。

「あぁ、マジでむかつくわー」


凜と目が合うと、キスして笑い。

「あれれー…顔が真っ赤だね。」

「…急にズルい、朝もだよ。」

晴斗は舌をだして…

「今のは噛みついたから仕返し。」

凜はニヤっと笑みを見せ。

「仕返しするからね。」

「簡単にはさせないよ、ご飯の準備よろしくね、洗濯物畳んで、お風呂の準備するからね。」

「覚えててね。」


晴斗は洗濯物をたたみ、お風呂の準備が終わるとリビングに、あるものを探すためうろうろしていた。

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