第33話誰が◯◯…
二人はバイクに跨がり、学校に向かった。
学校に到着して、教室にのんびり向かってると、ちょうどチャイムが鳴り、凜に手を引かれ、走って向かった。
「走ったらまだ間に合うよ。」
「なら、走ろうか。」
教室に着き、周りをみると、先生も来ていたが、良太は二人を見てニヤニヤと、楽しそうに口を開いた。
「仲良く遅刻だぞ、夫婦。」
「誰が夫婦だよ、まだ続いてんの。」
凜は俯き、晴斗は深いため息を付きながら、席に座った。
授業中、クラスメート数人がチラッと視線を送ってくるが、晴斗は気にせず黒板に書かれた事をノートに写していた。
一時間目の授業が終わると、飲み物を買いに行こうとしていた。
「お茶買ってくるけど、凜も要るなら買って来るよ。」
凜が同じのと言うと、良太と恵も頼んで来た。
「旦那、俺は炭酸頼んだ。」
「旦那さん、お茶。」
「買わないよ、付いて来ないんだよね、なら一人で行ってくる。」
「奥さんのだけ買うんだね、優しい旦……。」
良太が、最後まで言い終わる前に、頭に拳を軽く、振り下ろした。
「昨日のくだり、いつまで続けるん。」
「夫婦揃って、遅刻しそうだというのに、のんきに手を繋いで、走ってたの見えたから、昨日の続いてんのかと、思ったんだよ旦那。」
晴斗は呆れながら…
「ただ、旦那って呼びたいだけだろ、飽きるまで好きに呼んでろ。」
晴斗は言い終わると、急いで飲み物を買いに向かった。
……
3時間目の授業まで、無事に終わった。
良太と恵は、朝から晴斗の事を旦那と呼び、晴斗は一日続くのだと思い、返事をしていた。
「旦那、次は体育行くよ。」
「嫁さん、借りるね。」
「いい加減、凜だけでも普通に呼んでやれ‥凜はなぁ…。」
晴斗が言う前に凜が止めた…
「晴くん、余計な事を言わなくて良いんだよ。」
「旦那さん、抜けてるから仕方がないよ。」
「そうだよね」
「普通旦那さんって呼ばないでって言うんじゃないの。」
「夫婦喧嘩するな。」
晴斗は呆れながら…
「良太うるさい、二人も着替えて来て」
急いで着替え、良太とグラウンドに向かった。
体育の授業が始まると、サッカーをクラスメートに混ざり、真面目に授業を受けてた。
途中から、クラスメート数人に、何度も旦那と呼ばれ続け、疲れきっていた。
体育の授業が終わると、良太と教室まで向かい、二人が来るまでお弁当を食べずに待っていた。
「旦那、疲れてるな。」
「そりゃ親しくない人に、ずっと旦那って呼ばれ、てか、誰のせいだよ。」
良太はニヤニヤと…
「ホント誰だろうねー。」
「…お前だよ。」
二人で話をして笑ってると、凜と恵が教室に戻って来た。四人でお弁当を持って、中庭で食べていた。
土日の話になり、二人は部活や遊びに行くらしく、晴斗は家でのんびりすると言うと、凜は晴斗の顔を見ていた。
教室に戻り、授業を受けて、放課後を迎えた。
「じゃあな、部活頑張れよ。」
「夫婦喧嘩するなよ、またな。」
晴斗はまた、軽く拳を頭に振り下ろした。
「うるさい、良太のせいで皆に旦那って呼ばれ…弄られてんだぞ。」
晴斗は言い終わると凜を連れて教室を後にした。
「凜、ごめんね、恥ずかしかったよね、俺は呆れたけどね。」
「…少し。」
「でも、凜は普通に呼ばれてたね、夫婦ぐらいだったけど。」
「…恥ずかしいから早く帰ろう。」
二人はバイクに跨がり、コンビニに寄って自宅に走らせた。
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