第29話帰宅して…3人がおかしい

親戚の家から、バイクで寄り道をして、自宅に帰って来た。


「晴くんおかえり」

「ただいま凜」


晴斗は家に入ると、自室で着替えてリビングのソファーに座ってテレビを見ていたが、凜は降りて来て落ち着きがなかった。


「どうした、挙動不審なんだけど、座って。」

「…うん」

「…退いて、膝の上に座ってとか言ってない。」

「…甘えていいよって言ったでしょ。」


…甘えていいなんて言わない方が良かったかな

「確かに言ったよ、でも昨日の夜からおかしいよ。」

「…おかしくないよ。」

「親に何か言われたのか。」


凜は、図星を突かれ肩をビクッと震わせた。

「…言われて‥ないよ」


…両親が帰ったら聞かないとなぁ

「こっちを向いて目を見て答えてね、反応がおかしいよ。」


晴斗に寄り掛かり顔だけを向けた。

「晴くんの膝に座ったら‥ダメなの。」

「あぁ、あんまりそんな事言うな。」

「座ってたら‥ダメなの」

「横に座ってって言っても聞かないよね、もうすきに座って良いから。」


凜の顔は赤く、晴斗に座り直し抱き付いて、耳元で囁いた。

「…安心するから、ギュットして。」

「分かった、でもね、いつまでも傍に居ると思ったらダメだからね。」


凜は悲しそうに顔を除き混んだ。

「…そんなこと‥言わないでよ。」

「分かった、もう少ししたら離れてね。」

「…離れないよ。」

…ですよね…嬉しいけど、辛いな


晴斗は返事を返さず、二十分後凜を降ろしてトイレに向かい、戻ってくると、こたつに横になってテレビを見ていたが…。


「何でまた引っ付くの。」

「何となく。」

「…そうか、静かにしてね。」

「うん」


その後、凜も静かになり、テレビを見ながら、二人はこたつで、両親に起こされるまで寝ていた。


「二人とも仲良く寝てたけど、ご飯食べるよ。」 


二人は起きて、夕食を食べ終わりリビングで、両親に思ってた事を、晴斗は真剣な顔で親に聞いた。

「昨日の夜から、凜がすぐ抱き付きたがるんだけど、二人が凜に吹き込んだのかな。」


両親はニヤニヤしながら…

「何も言ってないよ。」

晴斗は呆れて言った。

「皆で泊まれって言うから、夜から、凜の距離感がおかしい、帰っても抱き付いてくる。」


凜は頬を赤らめて、恥ずかしそうに晴斗の裾を引っ張って聞いた。

「晴くんに添い寝したり、抱き付いたらダメだったの。」


晴斗は無視して両親にいい放った。

「二人とも聞いた、泊まって凜の距離感がおかしいよ、凜に言って。」

「凛ちゃん晴が好きだよね。」


凜は恥ずかしそうに晴斗を見て伝えた。

「…晴くん大好きだよ。」

「…何で、好きか嫌いかを聞くんだよ…ありがと分かってたけど嬉しいよ。」

「晴は、凜ちゃんが嫌いなの。」

「…そりゃ好きだよ‥でも。」

「晴斗くん、なら良いでしょ」

「…父さんもおかしいの、毎日こんなの続くと思うと…心が持たない。」


優樹姉は笑いながら言った。

「でも嫌じゃないでしょ、凛ちゃんの好きにさせなさいよ。」


晴斗は凜を見て…

「…いつも俺が傍に居るとは限らないよ。」

「晴くんと離れませんからね。」

「…そうですか。」

「晴は、他人で好き嫌いがハッキリしてるだけ、距離を詰められると突き放すよね、でも凛ちゃんの言うことだけは嫌って断れない、ちょっと変わった性格してるけどね、ふふっ」

「言われると断れないんだよ…俺の気持ちも分かってほしい‥凜だけは、他の人と幸せになって欲しい。」

「晴斗くん、凜だけ幸せになったらダメだからね。」

「晴くんは、いっつも優しいよ、私もお父さんが再婚するまで、一人が多かったし、寂しかったから来てくれて嬉しいよ。」


父さんは笑いを堪えて晴斗に一言

「そういう事だから、晴斗くん、この先ずっと任せたよ。」


晴斗は今までの任せたが、確信に変わり聞いた。

「…今までの任せたって…やっぱり結婚までの任せたよって意味だった‥違うよね。」

「そうだよ、やっと気付いて良かったね。」


「…もうムリ…任されても困る、今の距離感でも辛いんだ、もう任されても困るから、断固拒否。」


晴斗の頭に激痛が走り頭を押さえ、殴った張本人が持ってる物を見せてきた。

「…痛いって何で殴った。」

優しい声で…

「晴くんこれだよ」

「…凜さん‥コップで殴ったのですか。」

凜はニコっと笑顔を見せ一言。

「うん」

「それは、陶器のマグカップですけど、アホか」

「昨日口が悪かったし、断ったから、口に気を付けようね。」

「…気をつけます。」


両親は揃って一言晴斗に伝えた。

《今のは、晴斗が悪い。》

「…任されても困るからね。」

「晴斗くんに任せて、了承してたからね。ははっ」

「…前に何度も了承しましたね…凜もいい人と探そうね。」

「…私はもう探さなくていいよ。」

「…皆、ノリノリすぎて、気持ちが付いて来ないんだよ。」

「凜ちゃん晴にもっと好きになってもらわなきゃね」

「うん」

「はぁ、3人がノリノリで疲れた、お風呂入るねじゃ。」


晴斗はお風呂に入り終ると、リビングに顔を出して一言残して、自室で睡魔が襲うまで横になっていた。


「…勝手に布団に潜りこむんじゃないぞ、おやすみ。」

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