第27話泊まるか‥帰るか‥夜は‥

ショッピングモールからバスで13時に家に帰った。


《ただいま》

《あら、おかえり》


リビングに入ると親四人はテレビ見ながら談笑していたが、美香さんが話を掛けてきた。

「晴斗くん、女性の買い物疲れたでしょ。」

「えぇ、正直振り回されて疲れましたよ、でも、二人が楽しそうに笑ってる姿を見たり、可愛いファッションショー見て楽しかったですよ。プレゼントも二人に買えましたし。」

「返答、晴くんらしいね。」

凜が喋ると振り向いた。

「そうか、俺らしい返答だったか。」


麻利奈は楽しそうに聞いてきた。

「晴兄って正直だね、なら、どっちが可愛かった。」

「正直、麻利奈も可愛かった、けど凜の方が綺麗で可愛かったよ。」

凜は晴斗が答えると頬を赤らめて、満面の笑みを向けた。

麻利奈は笑って答え、親は笑っていた。

「やっぱり正直だよ、でもありがとね。」


話終わると、両親が聞いてきた。

「晴斗くん、父さん達は夕方には帰るけど、二人は泊まるかね。」

「んー、帰ろうかな、麻利奈の勉強の邪魔になるし、凜はどうしたい。」

「…そうだね、邪魔になるし帰ろうか。」

…凜は何でがっかりしてんだ、泊まりたかったのかな。


晴斗と凜も帰ると言うと、皆が泊まるように勧めてきた。

「晴斗くん、麻利奈の事は気にせず、泊まっていいのよ。」

「そうそう、もう一日ぐらい、邪魔にならないし、凜もがっかりしてるよ。」

「なんで、楽しそうに言う。」

「晴、そんなことより、泊まって帰りなさい。」

「凜が落ち込んでるよ、泊まりたがってるよ。」

「晴兄、私の事は気にせず泊まっていいよ」

「そこまで泊まれって、なんか裏があるよね、怖いんだけど。」


親は、晴斗を無視して凜に聞きだした。

「泊まりたくないの。」

「がっかりしてたし泊まりたいなら、晴に言って良いよ。」


晴斗は無視された事に気づいた。

「凜、俺無視されてる‥よね、悲しいんだけど、正直凜は、泊まりたいか。」


凜は、恥ずかしそうに答えた。

「…泊まって…帰りたい。」

「あぁ、凜が言うなら、今日も泊まりますよ。」

…おかしい、絶対裏があるよなぁ。

親はニヤニヤして頷いた。


「凜ちゃん良かったね。」

「…うん」

「そんなに泊まりたかったなら、始めに言って、凄い疲れた。」

「…ごめんね。」

「謝らんでいいよ。」


そのあと、親は17時前に帰って行って、麻利奈の勉強を見たり、テレビを見て、スマホを触ったり、祐希と久しぶりにテレビゲームをして晩御飯まで時間を潰していた。


「今からご飯だからね、凜ちゃん二人を呼んで来て。」


二人が降りて来て19時に晩御飯を食べて、お風呂にも入りリビングで話をしたり、テレビを見てたら、22時過ぎていた。

「もうこんな時間か、そろそろ俺は寝ようと思います。」

「晴斗くんは、もう寝るんだね、おやすみ。」

「おやすみなさい、凜先に寝るからね。」

「私も眠たいから寝るよ。」

「あらあら、変なことしたらダメよ。」

「変なこと…凜と同じ部屋だったの忘れてた、しませんよ、おやすみなさい。」

凜は顔を赤くして、後ろを付いていった。


晴斗は部屋に入ると、豆電球を付けて布団に入ってスマホを触っていた。

「ねぇーなんで、こっそりと布団を引っ付けてんの。」

「……」

「凜、無視してんのか。」

「…おやすみ」

「はぁ、おやすみじゃないから、なんで引っ付けといて、俺の布団に入ろうとすんの。」

「…おやすみ」

「おい、無視すんな、腕に触るな、俺の布団に手を入れるな。」

「…晴くん言い方がひどい」

「酷いって言われても、お前が悪い。」

「…お前って‥呼ばない‥でよ。」

「ごめん、凜は何がしたいの。」

「……」

「まさか、一緒に寝たいから、泊まったとか言わないよね。」


凜は震え声で答えた。

「…あって‥るよ‥ごめんね‥嫌だった‥よね。」

「嫌じゃない、嫌じゃない、声が震えてるよ…手ぐらい寝るまで握っとくよ。」


凜は手を繋いできたが…

「…あり‥がと」

「手も震えてる、どうした。」


凜は声を殺して泣きながら答えた。

「…ひどい‥言い方‥されて‥触れると‥拒否されて」


晴斗は布団から手を伸ばし凜の頭を優しく撫でた。

「ごめんね、ひどく言いすぎたよ。」

「…一緒に‥昨日も‥寝たし‥今日も‥寝たかった。」

「昨日寝たしって言われても、俺昨日、凜より早く寝てたよね、てか俺が寝たら‥布団に潜り込んだの。」

「…ホントに‥ごめんね‥甘えて‥良いよって‥言ってたから」

「添い寝も甘えるに入るのか。」

「…そんなの‥入るに‥決まってる」

「えっ、入るのかよ。」

「当たり‥前で‥しょ」

「わかったよ、でも変な事はするなよ。」


凜は泣きながら布団に入って抱き付いて、晴斗に一言、いった。

「普通は‥私が‥言うん‥だよ。」

「そうか、俺は男だけど、凜の嫌がることはしないよ、安心して寝て良いよ。」

「…うん」




10分後

「晴くん、起きてる」

「そりゃ起きてるに決まってんじゃん、ずっと横で話を掛けてくるし、そろそろ黙って。」

凜は甘えた声で答えた。

「晴くん、嫌だよ、黙らないよ。」

「帰り道、事故ったらどうすんの。」

「お昼まで寝たら良いでしょ。」


…これは話にならん、無視だ

晴斗は無視して、寝ようとしたが凜の甘えた声は続く…


それから、20分後

「あぁ、うるさい黙れ」

「晴くんやっと返事した。」

「だから、黙れ」

「言い方がひどい」

「いいから‥‥俺は寝たい、マジで喋るな。」

「こっち向いたら、黙りますよ。ふふっ」


晴斗は凜の方に向いた。

「これで、黙れよ。」

「晴くん、手を背中に回してギュットしてくれたら、黙ります。」


晴斗は寝たいため、凜に抱き付いた。

「あぁ、もう黙れよ。」

「…どうしよ、ドキドキして寝れないよ。」

「そうか、俺はイライラして寝れない。」

「…そんな言い方しないでよ。」

「なら黙れ、次喋ったら、何もしないからな、分かったか。」

「うん‥晴くんおやすみ」

「おやすみ、堕天使」


晴斗はやっと眠りについた。

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