第24話日曜日の朝は…不機嫌に

晴斗は、朝息苦しさで目を覚ました。


「うゎ‥ビックリした……降りろ。」

「…やだ、凜姉ちゃんと寝てた。」

「寝てない、いいから降りて、苦しい。」

「どの口が言うの…横見てよ。」

晴斗が顔を横に向けると、頬を赤くした凜と、目が合った。


「えっ…凜、何で俺の布団で寝てんの。」

「…いいじゃん、晴くんが、うるさいから、目が覚めたでしょ。」

「はぁー意味わからん。」


晴斗は布団から出ようとしたが、麻利奈に跨がれて、腕も動かなかった。

「息苦しくて、目が覚めたし、腕も動かん、麻利奈いい加減降りろ、マジで怒るぞ。」

「もう怒ってるから降りない。」

「抱き付くな、ホントに降りて。」

「やだ。」

「優樹姉、たすけろー」

「晴斗、どうした。」

「あぁ誰、祐希さんか、妹降ろして。」

「面白いから、やだね。ははっ」

「おい笑うな、祐希、しばくぞ。」

「ははっ、ふふっ」

「凜も笑うな、頼むから麻利奈を降ろして。」

「いやだね。」

「…頼むって、凜まで抱き付くなよ。」

「ははっ」

…こいつらぁー、頭がおかしいだろ。

「優樹姉、来てー」

「晴、大声出すからみんな来たわよ。」

「このバカ二人を降ろして。」

「いやよ。」

「…父さん頼む、そこに居るんだろ。」

「皆、晴斗くんが来て嬉しいんだよ。」

「あぁ、なら許す、とでも言うと思ったか…もう二度と来ない。」

「晴兄、もう来ないとか本気‥なの。」

「うそうそ泣くなよ、また来る、だから降りてね。」

「なら、晴兄おはようの…」

「凜、マジでたすけろー」

「麻利奈、それだけは、許さないよ。」

《ははっ》

後ろで見ていた人は、やり取りを見て、笑っていた。


「はぁー‥助かったー。」

「麻利奈、もう晴斗くんから降りなさい、凜ちゃんが怒ってるし。ふふっ」

「はーい」

「あぁ、やっと動けるし、全く顔洗ってくる。」

自由に動けるようになった晴斗は、不機嫌になってしまった。


洗面所で顔を洗ってると麻利奈が俯いて来た。

「晴兄…やり過ぎて、ごめんなさい。」

「怒ってないから、気にするな。」

「…うん。」

「麻利奈が楽しそうだったし、もう気にするなよ。」

晴斗が頭を撫でると笑っていた。


「わかったよ。」

「ほら、ご飯食べたら、ドライブいくよ。」

「…うん」

リビングに向かうとご飯の準備がされていた。


「晴斗なんで、僕を見るのかなぁ。ははっ」

「…祐希だけ、パンチしてあげようか。ははっ」

「拒否する。」

「でしょうね。」


ご飯も8時に、食べ終わり麻利奈に声をかけた。

「準備して来て。」


返事をして麻利奈は部屋に戻って行ったが、凜は言いたげに晴斗を見ていたが、無視をしていた。


「晴兄、おまたせ」

「行こっか。」

「…晴くん。」

「どうした、ヘルメット貸してあげて。」

布団に潜り込んだ、腹いせに、ニコニコしながら凜で遊んでた。

「…わざとでしょ。」

「なにが、ヘルメットプリーズ。」

「凜姉ちゃん、ヘルメットプリーズ。」

「…晴くん、覚えときなさい。」

「いやだね、布団に潜り込んだ、罰だよ。」

「…うっ‥取ってくるね。」

「あっ、俺のも頼んだよ。」

「…わかったよ」


持って来た凜に睨まれて、耳元で、一言残して玄関に向かった。

「睨んでも、可愛いだけ‥じゃーね。」


「麻利奈行くよー」

「はーい」

「娘を借りますね。」

「晴斗くん、気を付けてね」

「はい」



「凜ちゃん、晴に仕返しされちゃったね。」

「…はー」


父親二人も玄関に出て来て、走り出すまで話をしていた。

「乗っていいよ、あと、危ないから抱き付いて。」

「はーい。」

「晴斗くん、事故しないで、娘を返してね。」

「分かりましたよ…父さん、凜の機嫌直しといて。」

「自分で蒔いた種は、自分でね、」

「ですよね、いってきます。」


その頃家では……

ーーーーーーーーーーーーーーー


 ~凜視点~

「晴が行ってから、どうしたのボーッとしてるよ、嫉妬してるの。」

「…わかんない」

「今、二人で行ったよ。」

「いつ帰って来るか、聞いた?」

「聞いてないよ。」

「お父さん、聞いといてよ‥はー。」

「麻利奈に嫉妬しなくても。」

「……嫉妬なんて、してないけどね。」

「そうかな、一緒に寝てたし、晴斗くんも凜の事好きって言ってたよね、そんなに落ち込むな。」

「…うっ。」

凜は机に突っ伏した。


「明日仕事あるから、今日帰るけど、凜と晴斗くんはどうするか、決めてね。」

「……うん」

悟さんが楽しそうに凜に告げた

「凜、顔あげて、今日泊まれば、同じ部屋で寝れるよ未来の旦那と、落ち込まないでね。ははっ」

「…うっ」

それから親達は、凜と話を続けていた。



晴斗は、一時間後に帰ってきた。

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