第230話 母の言葉。
ミツと王の謁見、そしてダニエルの叙爵の日まで暗躍を計画する者。
その者達は正に悪巧みを今考えていますと言わんばかりと、いつも誰も立ち寄らない場所で話し合いをしていた。
これもデフォルトなのか、互いの素性は知っていても、部屋の中を照らす明かりはテーブルの上に置かれたランタンのみ。
暗闇の中では顔は見えず、そこでは様々な計画が出されてはいたが、どれもこれも発言した自身に不利益や身バレをしない自身を守る提案ばかり。
ダニエルの叙爵はまだ先だとしても、ミツが城を訪れるのはもう数日とない。
彼らが各自に隠し持っている暗部を出すべきなのかと頭を悩ませる中、やはりアルミナランクとなった者に武力行使は意味がないと毒殺が決まった。
王の謁見の前にそのチャンスがあるとするなら、彼が待機する一室のみ。
そこに様々な毒を塗り、彼がそれに触れる事に毒を与える策を決行する事に決まった。
また、用意された毒はほんの少しでも飲んでも触れても致死量ともなる猛毒である。
取り扱いがとても危険であり、それを実行するのはやはり暗部の人間が動くことになる。
「謁見の前と死んでもらえば問題もあるまい」
「しかし、他国からどう思われる? あの者が城での死を迎えたとして」
「フンッ、我々の前では兎も角、何故知らぬ場で死なれたとして我々に非を被せる? その時点でその国はこの国の敵対国でもある。後に消えてもらう候補に上がるまで」
その者の過激すぎる発言に沈黙とする面々。
彼らの目的は自身の地位の維持であり増やすことではない。
「「……」」
「それでは早速動いてもらおう」
各自出口を異なる扉を開き、早々と彼らは静かに部屋を退出。
残った二人の人物。コーン伯爵とローブにてすっぽりと姿を隠した一人の男。
二人は他の貴族には伏せた別の計画も立てていた。
ちなみにこの計画に関わったもの全ての者は、原因不明の謎の腹痛にて日々を苦しむことになったそうだ。
フロールス家へと謁見の為にと礼服を借りに行ったミツ。
ゼクスの案内を受けた後、パメラとエマンダ、そして子供たちに向かいられ部屋へと入る。
相変わらずセルフィはロキアにべったりなのか、膝の上に乗せては彼女はロキアへとお菓子を上げている。
王都からのお土産としてのお菓子も喜ばれ、ミツのアルミナランク昇格の件も彼らには喜ばれる朗報となったようだ。
「いや〜、めでたいめでたい。これで少年君にちょっかいを出す貴族も居なくなったわけね」
「ちょっかいって。別に自分は何かされた訳でも無いですよ?」
「まぁ、直接的にはされてないわね。君は運が良かったのよ。ダニエル様や、あの辺境伯様が他の貴族に圧的な言葉もかけてたみたいだし。そうじゃ無かったら、武道大会の予選の時から面倒な貴族が少年君の所に押し寄せてたわよ」
「そうだったんですか!? はぁ〜。ダニエル様とマトラスト様にはまた改めてお礼を言っておくことにします」
「うん、そうしときなさい。その人が知っていて何も言わないのと、知っていて言葉をかけてくるでは、相手の気持ちも変わるでしょうし」
「はい」
セルフィの考えは長年生きた上で得た人の心を掴む為のアドバイスでもあった。
真面目な話をしてくれるのは嬉しいが、手には茶菓子と紅茶のカップ、そして膝の上にロキアを乗せていなければ言葉に貫禄がましたのかもしれない。
「ミツ様、改めて冒険者ランク。アルミナへの昇格おめでとうございます」
「領主不在となりますフロールス家でございますが、当家は貴方様のアルミナへの昇格を自身の事のように喜び、そしてお祝い申し上げます」
「「おめでとうございます」」
「お兄ちゃん、おめでとうござます!」
パメラの祝辞の言葉から始まり、エマンダ、そして子供たちが言葉をくれる。
「ありがとうございます。ですがお二人とも、自分に敬称は不要ですよ」
「ホッホッホッ。形式上ではここは敬称を付けるものですよ。さて、ミツさん。等々この私を超えられましたな」
「やりませんよ」
ゼクスの会話を止めるように、彼は手のひらを向け、キッパリと戦わない意思を断固として伝える。
「おや? まだ何も申しておりませんが、如何されましたかな」
「先に言っておきますけど。自分はゼクスさんとバーバリさんの二人とはもう戦いたくないですからね。これだけは何を言われようと先に言っておきます。あっ、勿論また武道大会をする様な事があり、お二人に当たるようなら自分は棄権を選びますから」
「ホッホッホッ。やれやれ、私もバーバリさんも随分と警戒されたものですね……。フムッ……ですが、恐らくアルミナとなられましたミツさんには、今後様々な方からの挑戦の言葉がかけられると思われます。世界に一人だけ、そして誰もが羨む目標である貴方には、避けられぬ選択にもなりますぞ」
「うっ。そ、それはそうかもしれませんが。で、でもそうならない為にも、アルミナランク昇格試験の際、王都に居ましたシルバーの三人の方との戦闘は少々派手にしましたからね。あそこまでやった位ですから、早々に挑戦する方は居ないかと思います」
少々。その言葉に訝しげな視線を向ける面々。
パメラは苦笑いを浮かべ、その言葉はエマンダにキラキラと瞳を輝かせ、彼女にまた興味を引き立てる言葉であったのだろう。
「「……」」
「派手にね〜。少年君、その戦い見せてもらえるかな?」
「ええ、良いですよ。森羅の鏡ですね」
セルフィの希望を叶えるためと、ミツはアイテムボックスから森羅の鏡を取り出し、数日前に行われたシルバーへの昇格試験から、アルミナランク昇格までの試合を見せることにした。
先ずはグラスランクからシルバーへの昇格試験。
この戦いはゼクスも目を凝らす程の速さを出していたのか、部屋の中ではセルフィとゼクスの二人だけがミツの動きを見切っていたようだ。
続いてシルバーランク三人との対戦。
数々の魔法と戦闘を繰り広げ、炎の竜巻からのミツの魔法の連射はラルスの口を開きっぱなしにする程に常識外れた連射だったようだ。
エマンダ様は思わず座っている席から立ち上がりそうになるがそれを抑えるパメラとミア。
戦いの終盤には、ギルドの観戦席にいた人達程は驚きの顔は見せずとも、双頭毒蛇の出現や精霊達の戦いに白熱した映像に皆は興奮気味。
最後にガランドに決めた技が、バーバリを思い出させる〈獅子咆哮波〉だけにゼクスの頬を上げていた事だけは確認していた。
素晴らしき戦いでしたとエマンダの言葉から、周囲の者達からも称賛を受ける。
映像を映していた虹の靄を消し、森羅の鏡をテーブルへと置く。
一通り戦いの話をした後、話題は森羅の鏡へと移された。
「ミツの戦いも驚きだが、この魔導具は相変わらず凄いな……」
「ええ、本当に……。数日の前の事も、先程の出来事も全て映し出しますからね。お母様でもお持ちでない魔導具は本当に珍しいのではないのでしょうか? お母様? お母様、ミツ様の戦いに見惚れされるのは分かりますが、かけられたお話はお聞きください」
「えっ? あ、そ、そうですね。私もミツさんが見せていただかなければ知ることも無かった魔導具だと思います」
エマンダは森羅の鏡を見ながら何か考え事をしていたのか、彼女は娘に腕を揺すられ、はっと自身に声をかけられていた事に気づく。
彼女のそんな物事にふける事はいつもの事なのか、周囲は気にせずだ。
そう言えばと、ミツはエマンダに話があったことを思い出す。
「あの……エマンダ様、また時間があれば魔法の検証に今度お付き合いして頂けませんか? またいくつか覚えました魔法がありますので。どうも最近は対人戦での魔法の使用が難しくて」
「まぁまぁ。それは勿論喜んでお引き受けいたしますわ。ラルス、折角ですので貴方もミツさんにお付き合いなさい」
「ああ。ミツが良ければ俺も共に。そうだ、折角ならお前の仲間も呼んでやった方が良いのではないか? 以前話に聞いたが、お前とプルンとリッコだったか? 他の者と冒険者パーティーを組んだと話をしていたではないか。お前の実力ならば仲間が知っていて困ることもなかろうし、寧ろ知っていた方が戦いの動きも学べるのではないか?」
「そうですね……。はい。ラルス様のお言葉、ありがとうございます。そうだ。エマンダ様にもう一つお願いがありまして」
「あら、私めに何をお望みですか? 私ができる事がありましたら、旦那様が許されます限り、貴方様に全てをいたしますわ」
「あ、はい、あの、ありがとうございます///」
二人の子持ちとは思えぬエマンダの魅了的なお胸様に、ミツの手がソフトタッチッチ。
赤面の思いをこらえつつ、ミツはエマンダへと頼みを伝えると、彼女は二つ返事にそれを受け入れてくれた。
「フフッ。分かりました。そのご希望は直ぐに準備いたします。どうぞ、他にも望むことがあれば何なりと」
彼女の腕がミツの腕を自身へと引けば、彼の腕はズボッとそこは暖かな玄奥の渓谷へと侵入突撃!
「///」
「母上」
「お母様」
「できれば子の前でその様な事は控えていただきたい……」
「子の前以外でもです!」
二人の子の冷ややかな視線にパッと手を離すエマンダ。
あら残念と、これはどちらの気持ちなのか、エマンダは目を一度つむり、娘へと諭すような言葉を告げる。
「まぁ……。でしたらミア、貴方がミツ様と婚約すれば良いではないですか」
「「ゴホッ!」」
気持ちを落ち着かせるためと、口に含んだお茶を咳き込むミツとラルス。
ミアは一瞬何を言われたかと思いつつ、ハッと我に帰り赤面である。
「な、何をいきなりおっしゃるのですかお母様!」
「あはははっ。エマンダ様も大胆ね〜」
「はぁ。エマンダ、貴女の冗談に周りを困らせるものではありません」
「そうです! 母上、義母上のおっしゃる通りです! それにミアはまだ子供です」
「お、お兄様、私はもう大人ですわよ!?」
「お黙りなさい二人とも!」
「「!?」」
少々騒ぎ出した周囲を黙らせる為と一喝するエマンダ。
その言葉にビクリと反応するロキアであったが、それを直ぐになだめるセルフィの対応の速さ。
エマンダは圧をセルフィの方に向けないようにと身体の向きを少し変え、対面に座るパメラと子の方へと向ける。
「パメラ、貴女、本当に私がまだ冗談などでこの話を口にしていると思いですか」
「エマンダ……」
「……確かに。私の発言は貴女にはその様に受け止め思えたかもしれません。貴族の婦人としてあるまじき考えではありますが、私は次第と彼の人柄にて娘を差し出しても良いと思えてきたのです」
「お母様」
ミアは母のその言葉は以前にも耳にしてはいたが、それはその場の話の種程度と受け流していた。
ミアはミツの方へと視線を向ければ、偶然彼の視線と重なり合う形となった。
「うっ……」
ミアもミツを庶民だからと言って、彼にそんな考えを持っていなかった訳ではない。
賊に自身を助けられた事も、いや。
家族を助けてもらった事も彼女の心を動かしていた。
「ですが、彼は私達の予想以上に力を見せ、今は我が国の王族だけではなく、他国の王族貴族にまで認められた人です。更に今回彼の口からアルミナランクになられたと報告も受けております。パメラだけではありません。ミア、ミツさん以上の男性を貴女は見た事はありますか? 力と人望は民を動かします。貴女は領主の娘として目の前の男性を見ぬふりとする行いは貴族としては愚行と知りなさい」
「エマンダ、それは一方的な貴女の考えなのでは!? 彼は……」
「分かっています。ミツさんは貴族ではありません。ですが、それがどうしました?」
「「「!?」」」
それがどうした。
貴族婦人としてはあるまじき発言だが、エマンダにとっては貴族の言葉に加担するよりも、彼女は人の心を選ぶ人物である。
「貴族の女が貴族ではない庶民の男性と結ばれた話は今までに無かったわけではありません。寧ろそれを受け入れる周囲の人間の心が必要なのです」
「「「……」」」
エマンダがまだ学生の講師をやっていた頃、貴族の男性が庶民の娘と婚約したなどの話を思い出しながら周囲へと言い聞かせる。
それは認められない話もあったが、それでもその時のエマンダは、互いが良ければそれで良いの考えを通していた。
沈黙する場であるが、セルフィはロキアの頭を優しくなでつつ言葉を入れる。
「まー……エマンダ様の言うことも間違っちゃいないんだけどね。少年君としてはどうなの?」
「えっ」
「えっ、じゃないわよ。君の義母となるかもしれない女性からの言葉よ。君の気持ちを言っておかないと、ミアちゃんも困っちゃうでしょう」
「……」
「あ、あの……。先程のお話はお母様の突然の申しますことなので……」
少しオロオロとした感じにミアは口を開くが彼女の気持ちもユラユラ。
そんな彼女にミツは眉尻を少し下げ笑みを返す。
「エマンダ様のお気持ち、自分は嬉しく思います。ミア様は容姿も美しく、ご家族の愛情を沢山受けられた心豊かな女性であり、恐らく自分の知る中でも指折りの美しい人だと思います」
「まぁ、それでは」
「ですが、すみません……」
「「「「……」」」」
「っ……」
本人を前に断りの返答。
それはその場の人々の心に小さな痛みが走ったかもしれない言葉でもあった。
エマンダは表情を崩さす静かに言葉を待ち、周囲の者達も口を開かない。
ミアは少しうつむき、彼女の腕にほんの少し力が込められる。
「自分には既に気持ちを伝えた人が居ます。彼女を裏切ることはミア様を裏切ることになりますので、自分にはできません……。エマンダ様のお心遣い、本当にありがとうございます。自分の様な男に、ご自身の娘様を押していただいた気持ちに胸がいっぱいです」
「そうですか……。分かりました……。貴方様のお心遣い、娘の母として嬉しく思います」
エマンダはミツへと言葉を告げつつ頭を下げる。
顔を上げた彼女の表情は優しく、断られたからと言って彼女が彼へと嫌悪な気持ちを込めることはないだろう。
その場の空気はとても重い。
先程まで笑い声がこだましていた同じ部屋の中とは思えないほどに。
しかし、その場の空気も読まないと言うか、何も感じていないエルフが疑問を少年へとぶつける。
「ねえ、少年君、一つ聞いていい?」
「はい、セルフィ様」
「うん、話を聞いていると君は一人の女性だけを愛したいって思ってるのよね?」
「はい。と言うか、それが普通でしょ?」
セルフィの言葉に当たり前と返答するミツ。
何を当たり前なことをと思い、周囲から自身へと向けられる視線に首を傾げる。
「「「「?」」」」
「んっ? えーっと、ゼクス、庶民の人間って多妻の者って居ないの?」
「いえ。私が現役の際、前衛の男性が後衛の女性三人と婚約されていました覚えもあります。その逆に、男性二人と結婚されております一人の女性も拝見した覚えもございます」
「そうよね? 少年君は一人としか結婚できない決まりでも持ってるの?」
「はっ?」
「あっ……なるほど。ここもか……」
セルフィは目を細め、目の前で阿呆みたいに口を開き驚く少年を見ては小さく呟く。
「えっ? えっ? いや、一夫多妻? 一妻多夫制は、ダニエル様達のように貴族様だけではないんですか?」
「それ、誰が決めたの?」
「いや、そりゃ誰がと言われたら……誰だろう?」
「恐らくだけど、君の側に居る娘も、他に妻を持つことは覚悟の上で君と付き合ってると思うわよ? 聞いてないの?」
「いや、聞かないでしょ? 自分、他の女性とも結婚するよって質問して、その人が「分かった」とでも答えるんですか?」
「答えるわね」
「ホッホッホッ。はい、然り」
「ええっ!? で、でも自分の仲間の親御さんは仲の良い夫婦で、他に妻や旦那さんがいる事は聞いてませんが」
「まあ、何人も妻や旦那を持たないと行けないって規則もないし。金の話もあるけど、多分その二人の夫婦仲も良いから別に他に入れる空きが無かっただけじゃない?」
「ま、まぁ。確かに……」
リック達の父と母の事を思い出していると、ユイシスが言葉をかけてきた。
《ミツ、ダニエル夫妻との初顔合わせの際に申しましたが、この世界は一夫多妻が普通ですよ》
(えっ……あっ)
ユイシスの言葉にそう言えばとハッと思い出したのか、彼の表情が変わった事に直ぐに言葉をかけるエマンダ。
「でしたら」
「待ってください!」
「?」
「突然の事で自分でも混乱しているので、すみませんが今は待ってください! それに、こう言う事は一人で決める事では無いと思うんです」
「……。どうやら私めは返答を焦りすぎたのかもしれませんね。改めて、貴方には謝罪いたします。どうか、この件に関して前向きなご検討を心よりお願い申し上げます。ミア、黙っていないで貴女もミツさんにお言葉を」
「は、はい!? え、えーっと……。その、私めは……」
「ミア様、お時間がありましたらその時にゆっくりと話し合いをしましょう。今はお互い考えをまとめていない状態では正しい答えは出せないと思うんです」
「はい……是非に」
僅かな時間の間、部屋の空気の変動の激しい話し合いは一先ず終わり。
旦那が不在の間と娘を嫁がせる話を持ち出す妻のエマンダ。
それに関してはパメラも止めることはできず、寧ろ口出ししない事を考えるに彼女も何方かと言うと賛成派なのだろう。
目的であった礼服を借り受け、サイズを改めて仕立て直すときである。
「えっ? リック達をですか?」
「はい。後日で構いませんので、どうぞ皆様とご一緒にお屋敷へお越しください。その際、貴方様にも理由を説明いたしますので」
「今じゃ駄目なんですか?」
「ホッホッホッ。それでは旦那様の耳にも入ってしまい、奥方様の楽しみが減ってしまいますので駄目です」
「詰まり、それはダニエル様も知らないことなんですね。分かりました、その際は皆と共に伺わせていただきます」
「よろしくお願いします。また旦那様の件も……」
「そこは勿論。既にこちらから手は打たせていただいていますので安心してください」
「……左様に。いやはや、ミツさんには借りを作りっぱなしでございますね。何処かで返さなければ、私めも老後の心残りとなってしまいます」
「自分としては別に何か返して貰いたくてやってる訳じゃないですけど」
「ホッホッホッ。そのお心遣い我々としても嬉しく思います」
「いえいえ。……でしたらまたこちらの畑をお借りすることってできますか?」
「畑。おや、以前行われた事にございますか?」
「はい。王都から野菜の種とかをたっぷり買ってきましたので、それを使っての検証をしたいと思いまして。昨日教会の方でも試してみて成長には問題はなかったのですが、教会の畑はそれほど広くないので検証には時間がかかりました。ですので広い畑をお持ちのこちらを是非」
「フムッ……でしたら一つ。屋敷の畑を使われますよりも良い所がございますぞ」
「? ゼクスさん、そこって何処ですか?」
ゼクスのその含みのある笑みは何処を示しているのか。
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