第225話 触るな危険

 ミツがレイアとアニス、また数名の騎士と共に神殿内を見学の途中に見つけた【神武家】の訓練場。

 聞いたことのないジョブに少し興味があったのか、ミツはレイアの誘いと訓練の見学と彼らに近づく。


 神殿の通路を歩き、その場に近づくと少年少女達の気合いのこもった掛け声が聞こえてきた。


「「「「「セイッ! セイッ! セイッ!」」」」」


「「セイッ!!」」


「カルマ! ユリカ! 二人とも遅れているぞ!」


「「はい、師、すみません! セイッ!」」


 20人以上と並ぶ訓練生の後方、周りよりも背丈の小さな二人へと、師と呼ばれた男性が檄を飛ばす。 

 カルマと呼ばれた男の子は赤髪の方で、ユリカは青髪の女の子だろう。

 二人は慌てて周りの形と、タイミングを合わせ直す。

 男性はこちらにレイア達が近づいて来たことに気がついたのか、手を差し出し子供達の訓練を止める。

 

「んっ? 形、止め!」


「「「「「「セイッ、ヤァ!」」」」」」


 全員が一紙乱れぬタイミングと、最後に手に持つ棒をビシッっと突き出し動きを止める。

 ここで彼らは男性の次の声が来るまでは手を下ろし、体を休めてはいけない。

 手に持つ棒の重さは三キロと重くはないが、疲労した体を支えるには三キロと言うのは地味に重く感じてしまう品物だったりする。


「これはこれは隊長殿、態々お越しいただきありがとうございます。本日はいかがなされましたでしょうか?」


「ガストン、我々は少し稽古を見学させてもらう。用がある時はこちらから声をかける」


「左様でございますか、アニス様……」


 アニスはレイアに近づこうとした稽古を取っていた男性、ガストンを手を差し出しその場に止める。

 ガストンは少し瞼を落とすが、直ぐにいやらしい笑みを作り、その場にて頭を垂れた。


「ちっ、師もレイア様達が近づいた瞬間、俺達を放っといてあれかよ」


「しゃあねえよ。狙いはあからさまだけど、あの騎士団の誰かに師が目に止まれば、婿入りとは言えあの人も貴族戻りだからな」


「……んっ」


 ガストンの対応に陰口を口にする少年達。

 彼が少し視線を変えればフラフラと今にも風で倒れそうな状態と形を取っているカルマの姿が目に入る。

 彼はガストンがこちらを見ていない事を確認すると、ニヤリといやらしい笑みを作る。


「うっ……」


「カルマ、頑張って……」


「う、うん」


 ユリカから励ましの言葉をもらいつつ、カルマは震える腕を下ろさないようにと腕に力を入れる。

 そこにカルマが力んでいた足に小突かれた衝撃が走る。


「えっ!?」


 バランスを崩したカルマ。

 カラカラと音を出し訓練用の模棒を落としてしまう。


「んっ……。失礼します、場を離れます事をお許しを」


「ああ」


「な、何で……!? ケータ! あんた、カルマに何かやったでしょ!」


 ユリカはカルマの隣でくすくすと笑いこぼすケータを問いただす。


「はあ〜。知らねえな〜? そんなプルプルと震えてた足に、噛み付き虫でも止まったんじゃねえか?」


「!? ケータ!」


「ユリカ、止めて……。師が来てる」


「おまえら、何をしている!」


 ケータの返答にユリカが食ってかかろうとするがそれをカルマが止める。

 彼の言うとおり、自身達の方へとガストンが眉間にシワを寄せながら近づいてきている。

 ガストンは腕組みをし、前倒れになった状態のカルマへと睨みを効かせる。


「……カルマ、またお前か」


「すみません、師……。バランスを崩してしまいました……」


「はあー。カルマ、その程度の棒一つ支える事が出来ぬとは情けない。カルマ、今日の水くみは一人でやりなさい。これも訓練の一つとして


 ガストンはカルマへとペナルティーを与えようとすると、ユリカが異議を告げてきた。


「ガストン師、待ってください! カルマは形を採っていたところをケータに邪魔されたんです!」


「は、はあ!? 俺は何もやってねえぞ! 言いがかりは止めろよな。それとも俺がやったって証拠でもあんのかよ」


 ユリカに告げ口をされた事に知らぬ存ぜんとしらをきる。


「ユリカ、ケータはああ言っているがお前はそれを見たのか?」


「い、いえ……。見てはいません……」


「はぁ……。ユリカ、カルマを庇うためとはいえ、ケータに罪を擦り付けるのは間違った行いだ。話はここまでだ。次! 転々の形! 始め!」


「「「「「セイッ! セイッ! セイッ!」」」」」


「セイッ……」


 ガストンの声に周りの訓練生が模棒を回しだす。

 カルマも直ぐに起き上がり、同じ形を取り出す。


「皆様へお恥ずかしい場を見せた事、謝罪いたします」


「構わん」


 ガストンはレイア達の前に片膝をつき、礼を取る。

 アニスがまたガストンとレイアの前に立ち、そっけない言葉を返す。


「はっ。ありがとうございます。それで恐れながら……そちらの少年は……?」


「うむ、この方はミツ殿。ガストン、失礼の無きよう」


 レイアはミツを紹介した後、彼はガストンへと会釈をする。


「始めまして、ミツと申します。旅をしながら冒険者をやっております。訓練の声が聞こえましたので足を向けさせていただきました。稽古のお邪魔をしたようで申し訳ありません」


「いえ。私はガストン。この神殿にて武師として日々彼らに教えを通す者です。失礼ながらミツ……殿は冒険者という事は、戦闘などを経験があるのでしょうか?」


「おまっ!」


 ガストンのミツに対する対応がいけなかったのか、アニスが声を出しつつ1歩前に出る。

 だがそれを問われたミツは気にせずと彼女の前に移動。


「ええ、少しだけですが。そうですね……皆さんが今扱わられています棒に似たアレ。自分は槍でも戦闘をやりますよ」


「ミツ殿は槍も扱われるのですか?」


 アニスの言葉に振り向きながら答える少年。


「あっ、そう言えば以前の戦いの時は見せていませんでしたね。と言うか最近使ってないかも……」


 少し考えるように口元に手を当てるミツ。

 最近の戦いには槍だけではなく、弓の使用率も下がって来ていることに気づいたのか、感覚が鈍らないためにも、次の戦闘はどちらかを使用して戦う事を思考する。

 首を傾げ考える彼へと声をかけるレイア。


「……恐れながらミツ様、一手お見せ頂く事はできますでしょうか」


「隊長!?」


 レイアは興味本意とこの提案を出したわけではない。

 しかし、チャンスがあればとミツの戦いを目にすることは彼女立ちにとって必要なことでもある故に、アニスも疑問的な声しか出せなかったようだ。


「えっ? はい。それでは昼食までの腹ごなしでお相手します」


 レイアの言葉に即答と返事を返すミツ。

 ならば物は試しと訓練生の誰かと戦うことになった。


「アニス」


「はっ! そこのお前とそこまで、前に出ろ」


「「「「「!?」」」」」


 アニスに指定された青年達はおっかなびっくりと怯えながらも前に出る。

 ミツよりも歳が上だろうか、皆身長は高く、周囲の者よりもガッシリとした体付きの青年達が前に出る。

 他の者たちは一度動きを止め、神殿の壁際へと列を作り横並びに待機する。


「えっ、まさか五人を相手するのか?」


「まさか……」


 誰かが言ったそのまさかである。

 見た目は自身達よりも少年に見える人物が、訓練生の中では上に入る者を相手にする。

 彼らの中ではあの少年は悪事を働き、制裁の為とここに連れてこられたのだろうと考える子もチラホラ。


「ミツ殿、こちらを。私がいつもこちらで使用しております模棒です」


「はい。お借りしますね」


「い、いえ」


(あの冷徹なアニス嬢様が自身の模棒を差し出してきた……)


「それでは。両陣、前へ! 構え、始め!!」


「「「「「はっ!」」」」」


「よろしくお願いします」


 一人を囲み、五人の訓練生が模棒を構える。

 ミツは自身を囲む青年達へと一度笑みを向けた後、スキルの一つ〈ダウンフォース〉を彼らへと発動。

 その瞬間、先程まで気合を入れた掛け声を出した少年達の顔色が悪くなり、手に持つ模棒の先が小刻みに震えだす。

 このスキルは自身に武器を向けた者の心を弱らせる効果がある。

 今の彼らには、ミツが動物園の檻から逃げた獣に見えているだろう。

 

(なるほど。戦意をなくすならこのスキルで十分かもしれない。あっ、威嚇も追加したら如何なるんだろう?) 


「お前達、何をしている! 始めの声が聞こえなかったか!」


「くっ……。てやぁー!」


 ガストンの怒気のこもった声に一人の青年が動き出す。

 怯えた状態を振り払うかのように、彼は気合いの掛け声を叫びミツに向かって棒を突き出す。


(威嚇)


 駆け寄る青年へと振り向きながら〈威嚇〉を発動。

 ミツへと駆け出した青年の心臓が掴まれる思いと、彼の意識を飛ばす。


「!? あがっ……」


「おっと! あら、気絶してる?」


「「「「!?」」」」


 ミツの威嚇を受けた青年は足を止め、その場で意識を失いミツへともたれかかる。

 彼は青年を受け止め、鑑定にて状態を確認すると気絶している事に眉を上げる。


 先手を仕掛けた者が突然倒れた。

 意味もわからない周囲は何だなんだとその様な言葉しか出せないのか困惑状態。

 ミツは優しく地面に青年を寝かせ、他の四人へと視線を戻す。

 威嚇のスキルは使ってはいないが、青年達はミツを相手にするのは危機感を感じているのか、無意識とビクリと体を震わせる。

 ガストンも倒れた者が気絶してしまった事に困惑し、側にいるレイアとアニス達へと視線を向ければ彼女達の驚いた表情を目にする。

 彼は直ぐに頭を回転させ、このままでは青年達の師である自身の評価が下がってしまうと思考する。

 先程の出来事が衝撃的だったのか、青年たちが動こうとしない。

 互いに目配せを送り、お前が行け、いやお前がと醜いなすりつけ合いが聞こえてくる。

 ガストンはそんな青年達に苛立ちを感じつつ、レイア達の方へと言葉をかける。


「隊長殿、彼らの試合、少しお待ちいただけませんでしょうか」


「……申せ」


「はっ! ありがとうございます。宜しければ彼の試合、あの者達の代わりに私めがお相手いたしましょう!」


「お前は何を!」


「恐れながらアニス様。そちらのお客人を相手にこの場に私以上の適任者はおりませぬ。今の彼らにお客人の相手は……。それを考えますなら皆様方も彼相手では手先が鈍りましょう」


「ガストン、貴様……」


「良い、ならばガストン、お前のその言葉を聞き入れよう。ミツ様も宜しいでしょうか?」


「はい。自分もそれで構いません」


 戦わずに済む事が聞こえたのか、青年達はその場に座り込み、ホッとため息を漏らす。

 ガストンは座り込む青年達に気絶した青年をその場から離れさせ、代わりと自身がミツの対面に立つ。


「えっ!? まさかガストン師が対するのか?」


「まじかよ」


 ミツのスキルを受けなかった彼らには、先程の光景は異様に見えただろう。

 更に次に試合を行うのは自身達の師。

 ざわざわと少し声が騒がしくなる。


 そんな中、息も絶え絶えのカルマはぽたぽたと頬を流れる汗を拭い、彼は壁に身を預けていた。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


「カルマ、大丈夫? 待ってて、今水持ってくるね」


「うぐっ。ユリカ……あ、ありがとう」


 身体の小さなカルマは体力が周りよりも少ないのか、訓練の終わりがけはいつもこの状態。

 ユリカも疲れているが、カルマほどの疲労はないのか彼女は駆け足に井戸の方へと駆け出す。


「へっ。萎れた葉っぱに水やっても枯れるだけだろ」


「上手い!」


「「アッハハハハ!」」


 そんな二人のやり取りを莫迦にする周囲。


 ガストンはミツの対面に立った後、何故に訓練生があの様な状態になったのか不思議と思っていた。

 自身は目の前の少年に恐怖も感じなければ、彼はただの子供にしか見えないのだから。

 今のミツはガストンに対してスキルも発動していない為、そのような気持ちにさせるのだろ。

 ガストンはならばこれはチャンスとまた頭を回転。


(これは良い機会。この小僧が客人と言っても貴族でもないただの冒険者。ここで私の力を見せればレイア隊長は難しくとも、他の娘の気を引くことはできる。いや、アニス嬢様はこちらから勘弁してもらいたいが、あの者の身内の娘でも紹介されるかもしれん。よし、上手い具合に戦闘を終わらせれば……ぐふふっ)


 内心でいやらしい計画をたてるガストン。


「それでは両者、宜しいか!」


 中央に立つアニスが改めて声を出す。

 訓練用の棒を握るガストンとミツ。

 彼は先程見せなかったミツの崩れた構え方に笑みを浮かべる。

 ミツが取った構えは格闘ゲームの中で棍棒を武器とするキャラを見た事のあるので、その構えをそのまま再現している。

 見た事もない変な構え。

 先程の異様な光景を忘れたように訓練生達からはクスクスと笑いが漏れる。

 その中、この中で誰よりも強い師相手に、無謀にも戦おうとするミツに対して違う視線を向ける少年カルマ。


(あの人、さっきは何したんだろう……。大人相手に子供が勝った?……。背丈も僕と変わらないぐらいなのに……。僕だったら直ぐに倒されて笑い者になるだけだよ……。何で……。僕はこんなに……弱いんだよ……)


「さあ、改めて初手に君の動きを見せて頂こう。先手は差し上げよう、来なさい」


 先程の戦いではミツは攻撃らしい動きは見せていない。

 ガストンは牽制を兼ねて、ミツの一撃を見ては彼の力量を判断するつもりなのだろう。


「はい、では……(と言っても槍系のスキルって実は三つしか持ってないんだよね。確か〈スピアアタック〉〈パワースイング〉〈二段突き〉だけだし、槍術のレベルも全部MAXでもないし……。まぁ、手合わせ程度に相手してくれるでしょう……。そうだ、あのスキルなら。良し)行きます!」


「来なさい!」


「はっ!」


 その声と同時にミツの姿が消えた。

 彼の動き一つを見逃すまいと注目していたレイア達の驚きは隠せなかったろう。

 次にミツを見たのは、ガストンの懐に潜り込み、手に持つ模棒を振り上げる瞬間だった。


「えっ!? くっ!」


 ミツは手に持つ棒を下から上へと振り上げる。

 ビュンっと風切音の後、ガストンの持つ棒の先がポロッと地面に落ち、カランっと軽い音を響かせる。 

 カラカランと音のする方に視線が集まれば、それが何なのか、何故そうなったかと唖然と、一瞬彼らは声を出すことを忘れてしまう。


「「「えっ……」」」


「おい、師の持ってる模棒が……」


「折れた……。いや、斬れた……」


「斬れたって、棒を棒で斬るのか? と言うか、あの子供、一瞬消えなかったか……?」


「ああ……俺もそう見えた……」


「す、すごい……」


 周囲のどよめく声。

 その声が聞こえていないのか、それとも突然の事にガストンは転がった模棒の先端と切れてしまった部分を何度も視線が彷徨う。


「なっ……えっ? えっ?」


(少し力みすぎたかな?)


《ミツ、ガランドやリナ、ディオのような強者相手ならば兎も角、今貴方の目の前に対する相手にスキルを使用すれば、その者は確実に生命を止める攻撃となります》


 ユイシスのその言葉にミツは少し焦る。


(うっ……。いや、別にここぞとばかりにスキルの検証をしようとか……。その、攻撃スキルじゃないから大丈夫かと思って〈昇り龍〉を試しただけなんだけど……。はあ、やっぱりスキルを試すならモンスター相手にしないと駄目かな)


《でしたら冒険者ギルドにて討伐依頼を受けたらいかがでしょうか?》


(あー、それも考えたんだけどね……。ここの王都の冒険者の人達って有能なのか、それとも人手が多いのか、今はモンスターの討伐依頼が取り合い状態みたいなんだよ。あるとしたら商人の運搬護衛依頼だけど、それだと盗賊相手か下手したら何もなして終わっちゃうからね)

 

 モンスターの討伐依頼が取り合いになっているのは、ミツがアルミナとなった時の戦いを見た者が自身も上を目指そうと感化された為である。


〘だったらアンタが気に入りそうな場所を私が探してあげるわよ〙


(シャロット様がですか!?)


〘アンタの事だから、どうせ新しいスキルもついでに狙ってたんでしょ。あっ、そう言えばアンタが今居る場所から少し離れてるそこに行ってもらおうかしら〙


(バレてましたか。行くのは構いませんが、そこに何かあるんですか?)


〘ちょっとした物がね。またその時に話してあげるわ〙


(はい!)


 創造神シャロットは全てお見通しなのか、彼女からの言葉に期待してしまうミツ。


「さて。先手は頂きましたが、続けても宜しいですか?」


 気持ちを切り替え、対面に立つガストンへと試合を続けるかを問う。


「も、もちろんだとも……」


 了承の言葉を聞いたミツは、次はと別のスキルを発動。


「では……参ります!」


「ああっ、やっぱりお待ちを!」


「ん?」


 しかし、発動する前とガストンは自身の掌をミツへと向け、停戦の言葉を向ける。


「いや、その……」


「ふぅ……。そこまで!」


「レイア様」


「隊長殿……」


 レイアは声を出し、試合を止め前に出る。


「折角の試合ですが、使用する武器が不用品でしたのでしょう。壊れては試合になりませんね。ミツ様、お時間もそろそろ。ルリ様もご準備が終わられた頃かと思われますのでご昼食に参りましょう」


「し、神殿長との昼食……。(えっ、ただの冒険者では無いのか!? いや、考えれば先程から隊長殿が彼を様の敬称を付けて……あがっ!?)」


「そうですね。ガストン様」


「は! は? はい!?」


「また時間がありましたら、こちらへ見学に来てもよろしいですか?」


「も、勿論にございます。その際は不用品の模棒ではない品をご用意させて頂きます……」


「ありがとうございます」


「はい!」


 ミツはガストンへと軽く礼を告げた後、壁際に立つカルマへと視線を向ける。

 カルマはミツの視線には気づかなかったのか、先程ガストンに言われた通りと井戸の水くみへと歩き出す。

 

 神殿の通路の先、二階から二人の人物が先程のミツの戦いを観戦していた。


「彼が……ですか……。見た目はただの少年……。ですが、随分ととんでもない人物を連れて来られましたね、マトラスト殿」


「はい、神官長」


 彼の戦いを観戦していたのはこの神殿の神官長とマトラスト辺境伯。

 ルリと同じ白のローブ、しかし彼女と違い金色の刺繍ではなく神官長の服は青色の刺繍が施されている。

 胸まで届きそうな長い髭、歳はマトラストよりも上だが彼の頭は陽の光を反射させるほどのツルッパゲ。

 彼の癖なのか、長い髭を手繰る仕草。

 神官長である彼の目にはミツはどう見えたのだろう。 

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