第170話 お手出し無用
天使が舞い降りた。
その天使がミツを抱き抱えた状態で飛んでいる姿を見て、彼を知る者は、彼は天が遣わした者だと勘違いする者もいた。
聖職者である治療士は膝を付き、天使の姿と見間違えるフォルテ達へと深々と祈りと頭を下げ、そして涙を流す者もいる。
ヘキドナは流石に莫迦げていると高笑い。
そんな姉の反応とは別に、シューはウチも空を飛びたいと皆と違う反応を見せる。
「アッハハハハ。そうかそうか。もう坊やは何でもありなんだね」
「いいな〜。ウチも空を飛んでみたいシ。そうだ! ミツに頼めばウチもやってもらえるかも!」
「……。エクレア、あたいは夢を見てるのかね?」
「なら、ほっぺたでも抓ってみたら? って! 痛たたた! 莫迦! 何で私の頬を抓るのよ! 自分のを抓りなさいよ!」
「ああ、そうか……。まあ、でも夢でもなさそうだし抓るのは止めとくってばよ」
「ええ、どう言う事!?」
その場は騒然と騒がしくなり、ギルドでミツに対して怪訝な視線を送っていた者達は顔を青く染め、その身体を震わせていた。
その中、拳を握り、彼女も身体をプルプルと震わせたが、エンリエッタはまた別の意味でその身体を震わせていた。
キリッと厳しい視線をミツに向ける。
「ミツ君、君って子は……。また……。また、後先も考えずに派手なことをして! 絶対に後でお説教ですからね!」
周囲の視線も気にせずと、エンリエッタはミツへと声を張り上げる。
その声がエンリエッタに向けていた〈聞き耳〉スキルの効果でまるで耳元で告げられた様にビクリと身体を反応させるミツ。
「うっ……」
「如何されました、マスター?」
「い、いや……。うん……少しだけね、後に面倒な事が確定したみたいで……。はぁ……」
何かに怯えるミツに気遣うフィーネ。
ミツは彼女の言葉に、軽く手を振り大丈夫と返答する。
ため息まじりにエンリエッタの方へと視線を送る彼は、何か理由をつけて彼女のお小言からどう逃げようかと考えていた。
農村とそれを囲む森を上空から見下ろす所まで来たミツを抱えたフィーネ。
今フィーネが飛んでいる高さは東京タワーと同じ300メートルを超えた所だろうか。
彼女はミツへと申し訳なさそうに声をかける。
「あ、あの……マスター。申し訳ございませんが、少しばかりマスターを抱きしめる位置を変えてもよろしいでしょうか」
「えっ? うん。別に構わないけど」
今のミツはフィーネに背中から抱きかかえられた状態に飛んでいる。
フィーネは体制を変え、自身の右足を差し出すようには前に出す。
「では、私の右足に乗るようにお願いします」
「分かった。裸足で良い? なんか、フィーネの足に靴を履いたまま乗るのに抵抗が……」
「……お気遣い、ありがとうございます。それでは素足でも構いませんので、どうぞマスターのご自由に」
乗っても構わないと言われても、流石に泥に汚れた靴のまま、相手の足に乗るわけも行かない。
ミツは取り敢えず履いている靴を脱ぎ、アイテムボックスへと入れる。
その後、足に向かって生活魔法の〈ウォッシュ〉を発動。別に水虫とか持ってはいないが、汗ばんだ足をスッキリさせたかっただけでもある。
背丈は少しばかりフィーネが高いか、ミツはフィーネの胸部に腕を回し、バランスを保ちフィーネの足に立つ。
「うん。よっと。こ、これで良いかな? ごめんね、腕を回すような姿勢になっちゃって」
「だ、大丈夫です! (ああ、マスターの顔がこんな近くに……。いけない!? ちゃんとした所をマスターに見てもらわないと)それではマスター、お姉ちゃん達の合図も飛んでいますので、始めてもよろしいでしょうか」
「ああ、頼んだよ、フィーネ」
「はい!」
距離を置き、離れた場所からフォルテ達が手に持つ槍を使い、先端を光魔法でチカチカと点灯させ合図を送っている。
フィーネがそれを確認後、両手を広げ大きく息を吸い込む。
そして、彼女は口を少し開け、優美しい歌声を出し始める。
その声は森中に響き渡り、動物達の不安としていた震えがピタリと止まる。
止まったのは動物達の震えだけではない。
先程までワラワラと動き回っていたモンスターはキョロキョロと首を動かし、周囲を見渡すように警戒を高め、動きを止めていく。
「妹達よ! フィーネがマスターの為にと、彼女が奮闘する働きを見せています! 姉として、そしてマスターの望む働きを!」
「「「はい!」」」
森の中に次々と降りていく精霊と分身達。
彼らを見送りつつ、ミツは念話を送り指示を出していく。
「(皆はゲートを出し、その中に動物たちの避難を。避難先はこの場から離れた所につなげてくれ。そして分身の四人はフォルテ達の援護、モンスターの討伐は速やかに頼むよ)」
「(まったく、自分の動物好きも過剰だね〜)」
「(仕方ない……。小動物はいつも被害者だからな……)」
「(フィーネの力の効果なのか、動物たちがすんなりと言う事を聞くから助かるよ)」
分身は念話を使い返答しつつ、次々とトリップゲートを発動。
動物達を誘導するのはフォルテ達の役割。
分身は鉢合わせしてしまったり、動物を追いかけるモンスターの撃退をする。
分身が繋げたトリップゲートの先。それはエンリエッタと冒険者達の丁度近くに展開されていた。
ゲートを潜り抜ける動物達に、冒険者達は警戒と剣先を向ける。
「み、見てみろ! 光の扉から次々と何かが出てくるぞ!」
「敵か!?」
「ち、違う。野うさぎや野ジカだ。モンスターは……出てこねえ見てえだ」
「ヘヘッ! 晩飯が飛び込んできやがるぜ。数体ひっ捕まえて仕留めるか!」
「そりゃ良いぜ。おい、綱を持ってこい! 扉から出てきた所を捕まえるぞ!」
数人の冒険者が舌なめずりをしながら縄を手に持つ。
扉に近づく男達をヘキドナは眉を寄せ睨み付けた後、マネへと一声かける。
「マネ、その莫迦共を止めな」
「あいさー!」
マネは男達の鎧の襟首をガシッと掴み、扉から離すように、次々とヘキドナの前に放り投げる。
「なっ!? うわっ! ヘキドナ、何しやがる!」
「ホント、男って莫迦な生き物だね……」
「何を! テメェ!」
「ああ! お前さん、それは姉さんに向かって口の聞き方はなっちゃいねえな」
男達がヘキドナを睨む視線を送ると、それを遮るようにマネが逆にその男たちを睨み返す。
マネもヘキドナ程ではないが、男達からは裏では筋肉女や、デカ女と陰口を叩かれている。
しかし、その言葉通りにマネは力もあり、身長も2メートルを軽く超えた女性である。
ヘキドナは呆れたと、顎でトリップゲートの方を指す。
「お前ら、あの動物達は何処から出てきたのか考えてみたかい?」
「ああっ!? 何処って、あの餓鬼が出した光の扉からじゃねえのか! だからなんだってんだ」
「……」
やっぱ男共は莫迦ばっかだと、更に目を細めるヘキドナ。
彼女が更に自身達を見る視線が蔑むような視線に感じた男達。
また反論する声を出す前と、シューが小馬鹿にしたような笑い声を出しつつ男たちへと声をかける。
「シシシッ。お前ら、あの光の扉を出したのがミツって解ってるなら、そのミツが意図的に逃した動物をお前らが獲物として殺したら、あいつはどう動くと思うシ? お前らがミツに半殺しにされようがウチ達は何とも思わないけど、今はアネサンには礼を言う所だシ」
「ふざけんなよ! 獲物を狩って何が悪りんだ! あの餓鬼の考えの為に俺達が腹を空かせる理由にはならねえだろうが!」
そうだそうだと、声を張り上げた男に賛同する冒険者達。
だが、声を張り上げたその男の顔面を殴り吹き飛ばし、そして周囲を黙らせた女性がいた。
「黙るっちゃ!」
「ぐはっ! な、何しやがる!」
「お前達は今、ギルドのエンリエッタの指示で動いてるはずだっちゃ! なら、あの獲物を狩りたいなら先ずはエンリエッタに頼むべきだっちゃ! 近くに領主様や王族様達が居る中、お前達の勝手な行動一つでウチたちも巻き込まれたらたまらんっちゃ!」
「ぐっ!」
ライムの声に合わせるは今度は女性冒険者達。そうよそうよと、ライムの背を押す声が男たちに浴びさせられていく。
男性と女性の反発するような光景に、エンリエッタは直ぐに止めの声を上げた。
「あなた達、そろそろ止めなさい。今は森から出て来るモンスターに警戒する様にと私は指示したはずよ! 命令が聞けないならその場に貴方達は不要な存在です。それを理解しなさい!」
「……」
一喝とエンリエッタの言葉で静まり返るその場。我関せずと、いつの間にかその場から距離を置いていたヘキドナに話しかけるエクレアとシュー。
「ホント、莫迦ばっかですねー。リーダーもあんな奴ら放っておけば良いのに」
「でも、実際ミツがあの動物たちを逃がすために光の扉を出したなら、あの獲物に手を出すのは悪手だシ」
「坊やの考えることは、ハッキリ言って意味が分からないものばかりだからね……。それならそんな物には手を出さない方が利口なのさ。あの獲物ももしかしたら貴族様たちが指示した事かもしれないしね……。いや、それは……無さそうか」
トリップゲートから出てくる動物達。
人の居ない方角へと逃げていくのを見送りつつ、ヘキドナは貴族であるダニエルの方に視線を送る。
兵達は逃げ惑う動物たちに周囲を見送りつつも、カインを守るためとその場からは動かない。
ヘキドナから見ても兵は困惑し、挙動しているのが見えたのだろう。
彼女は視線を変え、空に居るミツを見る。
彼女の見上げるそこには、天使と見間違える姿の精霊フィーネ。
彼女の歌声が静かに止み、ミツに見られていた事に彼女の頬が染まる。
「ふぅー。あ、あの……マスター、動物達の避難が終わりました。幸い、鳥などは産卵時期ではないので卵や雛鳥はいません」
「そうか。ありがとう、フィーネ。それと皆もありがとうね。よし、早速先ずは森を囲もうか」
「「「「「はい!」」」」」
ミツの言葉に合わせるように、フォルテ達は森を囲む位置と地面に降り立つ。
「よし、行くよ!」
ミツが声を張り上げ、地面へと手を触れる。
そして、森を丸く囲むイメージを送りつつ〈アースウォール〉の土壁を発動。
大きな地響きをあげ、地面から次々と土の壁が出てくる。
それをミツが数枚発動すれば、分身も同じ数発動。
ミツの隣で土壁を発動していた分身の土壁と重なるように発動すれば、次第とその壁は森をすっぽりと囲む壁となる。
「マトラスト、あの者は何をしておるのだ……」
「殿下、それを私に聞かれましても返答に困ります……。まあ、恐らくですがあの土壁でしょうか、あれを使用して森を囲む考えなのでしょう……」
「なっ!? 魔法というのはそう言う事もできるのか!」
「できるもできないも、事実、目のまえであの少年が行っているではありませんか。(恐らくあの様な事。同じような事を他の魔術士にやらせても不可能であろう。私の知る限り、土壁というものはそれ程高くも厚くもできぬ魔法であったはず。ふむ……ダニエル殿の反応を見る限りでは、彼もあれ程の力がある事を認識していなかったようだな)……殿下、あれからもう少し距離を置くことを提案させて頂きたい」
「うむ……。其方の言葉を受け入れよう。ダニエル、あの者達も後ろに下がらせよ」
「は、はっ!」
ミツの力に、ダニエルはその力に唖然とした姿をカインに見せた事を一先ず謝罪し、カインの示した農村の村人を共に後退させる。
しかし、ミツの行動が、ダニエルや村人だけではなく、カイン達の兵の足も止める光景を更に見せる事になる。
歪な土壁の壁が突然現れたことに森と農村が土壁で見えなくなる。
それを見ていた者は声を失い、自身の見ていることが夢かと思う光景に唖然とするしかできなかった。
更にミツはその土壁に手を触れ〈物質製造〉を発動。
土壁は光に包まれ、土壁ではありえないようにぐにゃりと形を動かす。
光が無くなり、周囲にその姿を現した土壁は隙間もない綺麗な真っ白な壁を見せる。
「流石に森と農村まとめて土壁で囲むと、これは要塞みたいだね。窓や登るところなんてないけど」
「マスター、ご覧ください。マスターの魔法に驚いて、モンスターの動きが活発になっています」
フィーネにまた抱きかかえられた状態に上空に飛び上がり、土壁に囲んだ森の中を確認。
壁の内側ではモンスターが土壁を出現させた時の音に恐怖心を与えたのか、中では出口を求め、数百ものモンスターが走り回っていた。
「なら、表面に出てきたモンスターも纏めて焼き払うまで! 皆、ダニエル様の許可も得た。手加減はいらないから、一気に行くよ!」
ミツの言葉を聞き耳スキルで拾い、頷く分身。
彼等はミツ同様に精霊達に抱きかかえられた状態。
掌を土壁内に向け、深くイメージを思い浮かべ、各々が使う魔法を口にする。
「炎嵐!」
「双竜!」
「ダークフレイム!」
「捩花!」
「龍の息吹!」
ミツと分身、五人が発動する魔法の数々。
全て魔法攻撃と言うことで、演奏スキルの効果が強く影響を及ぼし、魔法の効果は通常発動の倍以上。
忍術スキルの炎嵐が森を一気に焼き払い、渦となり、文字通り次第と炎の嵐と吹き荒れる。
その嵐に飛ばされ燃やされるモンスター。
双竜で現れた二体の火の竜。
竜が動くたびに炎が吹上、近くにある木々や民家が火に飲み込まれ燃えていく。
ダークフレイム。その炎がまさに人の顔に見える為に、口を開けた炎が、バクリバクリと虫が口の中に食べられているように見える。
モンスターは一体、また一体と、次々と数を減らしていく。
忍術スキルの捩花は、地面の底から突き出した槍の如く、天を貫く。
炎嵐と違い、捩花は水も含む魔法のため、それが蒸発する煙と炎が混ざり合い、高熱の霧を生み出す。
しかし、その蒸発している霧は超高温であり、触れただけで側にいたモンスターの体を溶かしていく。
そして最後に、発動したミツ自身にもダメージを与えてしまう諸刃のスキル。龍の息吹。
息吹と名称されてはいるが、ミツが掌を農村に向ければ、紫の炎が勢い良く、激しく掌から放出され、農村を飲み込む。
炎嵐、双竜、捩花、ダークフレイム。
他の魔法で作られた炎を巻き込み、土壁で囲まれた森と農村は炎がゴーゴーと音をだし、そしてダークフレイムで作られる炎の顔が人が叫び苦しむ姿に見え、まさに地獄の業火。
その光景を目にした人々を驚きと恐怖に包んでしまう。
爆発などの一時的な恐怖ではなく、長く続くその光景を視界に入れない者はいない。
そう、アベル殿下を救出する為と、バロン部隊もその光景に唖然と馬を走らせていた。
「副隊長! あれはいったい!」
「解らぬ! 取り敢えず今は殿下の元に急ぐのだ!」
「は、はっ! 後方、遅れているぞ! 馬足早め!」
「「「おうっ!」」」
自身の背後に突然巻き起こる炎、炎、そして炎。その炎は人だけではなく、馬も恐怖に襲われる。
騎乗する騎兵は綱を強く握り、心を強く持ち、声を張り上げる。
バロンがアベルの元に辿り着く前と、既にアベルの馬車はモスキーの群れに攻撃を受け襲われていた。
ミツが掌から発動していた龍の息吹。
紫と黒の禍々しい炎が次第と止み、残り四人の分身が発動した赤い炎だけが未だにゴーゴーと森と農村を襲ったモンスターを燃やし続けている。
「くっ!」
「マスター!?」
「大丈夫、大丈夫だよ、フィーネ」
「で、でも!」
ミツは険しい表情を浮かべ、自身の腕を抱きしめるように苦痛の声を漏らす。
フィーネはミツの腕を見た瞬間、自身の事のように涙を浮かべ、マスターであるミツを強く抱きしめる。
ミツの腕に襲いかかる痛覚とは違う、また別の感覚。それを感じたときにはミツは自身の腕が何かに握り潰されたような違和感に襲われ、彼は大粒の冷や汗をかいていた。
龍の息吹を止めたその腕は、まるで内出血を起こしたように大きなアザを作っていた。
「マスター! 大丈夫ですか!?」
「マスター! 何処かお怪我をされたのですか!? フィーネ、何があったの!?」
「落ち着きなさいダカーポ。マスターは先ほどの魔法を使われた代償を受けられたのです。マスター、お怪我の具合は……」
「ああ、フォルテの言うとおり。ダカーポ、落ち着いて。傷はスキルで直ぐに治ってるから大丈夫……。腕も……。ほら、たいしたことないからさ」
「さ、左様ですか……」
「ごめん、心配かけたね」
「いえ。マスターがご無事であることが一番でございます」
ミツに駆け寄るように急ぎ近づく精霊達。
彼はダカーポ達を落ち着かせるためと、自身の腕を見せニコリと笑みを彼女達へと送ると、ダカーポ達はほっと安堵の息を漏らす。
そこに遅れてメゾが飛んで近づいてくる。
「マスター、ご報告がございます」
「メゾ、どうしたの?」
「はい。私が見ていました北東方面にモンスターの群れを遠目ですが目視できました。マスターの分身もそれをモンスターと認識。また、そのモンスターに襲われている集団があったそうです」
メゾの言葉にコクリと頷く分身。
「そうか……。もしかしたら壁を貼る前に森から抜け出てたモンスターが居たのかもしれない……。よし! メゾ、自分をそこまで連れて行ってもらえるかな? 他の四人はこのまま森と農村に残るモンスターの駆除と後処理をお願いするよ」
「喜んで!」
「「「「マスター、お気をつけて」」」」
「う、うん……。農村の地面に潜っているモンスターは、恐らく自分の出した龍の息吹の魔法で地面の底まで熱されたと思うから大丈夫だとは思うけど、卵一つ残さずよろしくね」
「ああ、ここは任せろ」
「それじゃメゾ、頼むよ」
「はい! ささっ、私がマスターをお運びいたしますのでどうぞ」
タイミングを合わせ、フィーネからメゾへと移動。メゾは喜び勇む思いとミツを抱えて北東へと飛んでいく。
その後ろ姿を見送るフォルテが軽くため息。
「はあ……」
「フォルテお姉さま、どうされました?」
「いえ、妹にマスターを任せることが、こうも不安に感じるとは……。いえ、あの娘も私達と気持ちは同じ! マスターに不埒な真似はしませんわ!」
「そ、そうですよ……」
「俺、空に運ばれてる時に、あいつに尻とかしれっと触られたけどな……」
「「「「!?」」」」
メゾを信じようと、フォルテ達が気を引き締め直す思いと活動し始めようとしたその時。
分身の一言にその場は静寂に包まれてしまう。
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