第136話 判決の拳
ベンザ伯爵を断罪する為、カイン殿下、マトラスト様の協力の元、ベンザをフロールス家に呼び寄せることができた。
いくつもの質問がベンザに問われたが、ベンザは知らぬ存ぜんの一点張り。
これでは埒が明かぬと、扉の前にスタンバイしていた自分が呼ばれる。
自分の手には既に銀色に美しく輝く森羅の鏡を抱えた状態である。
周囲を警戒する兵の中には、自分の持つ森羅の鏡に視線を釘付けにしたものもいたようだ。
テーブル同士を挟んだ中央に自分が立ち、周囲へと視線を送る。
ダニエル様の表情はとても険しく、自分を見ると頼むと頷きで示す。
ベンザは突然入室してきた自分に疑問を持ちつつ、周囲の空気がほんの少しだけ和らいだことにボソリと言葉が漏れでる。
「な、何を……」
「ベンザよ、貴様の今までの行いを、今からこれで確認する。頼む……」
「はい……。それでは皆様、これは真実を見据える鏡にございます。これより、ベンザ伯爵様の心の内をこの鏡にて映し出します。ご観覧する皆様、一部心苦しい映像も流れますので、ご気分を害されましたら、どうか目を背け、耳をお塞ぎ下さい」
「それではベンザ殿。先程殿下が問われた問に偽りは無いことを聞くが、その答えに変わりは無いであろうな……」
「も、勿論でございます、マトラスト辺境伯様! 私は常に公明正大と、王の命にて地位の職務を遂行しております! 決して国の害となる行いはしておりませぬ! 私のこの言葉、もし虚言ならば正当な粛清を受けることをここにお約束いたします」
ベンザは自身が今までの犯してきた罪がバレることはないと、心の中では腹を抱える程に嘲笑っていた。
見た目はただの装飾の美しい鏡。
そんな物で自身が綿密に考えた犯行がバレる訳もないと。
(言いよったよこの人……)
「ならばその言葉、盟約として誓うがよい」
「ははっ! 私の潔白が証明されるならば、私は全てを話す事を誓わせていただきます!」
「フンッ……愚か者め……。構わん、やってくれ」
「はい」
マトラスト様はベンザには聞こえない程度の声を出し踵を返す。
マトラスト様の合図と自分は一枚の契約書を受け取り、森羅の鏡へと魔力を流しイメージを出す。
資料室で一度流したことのある映像を思い浮かべると、森羅の鏡が虹の靄を出しながら大きな球体を作り出していく。
周囲に見えるように、少し球体の大きさもイメージで大きく変えている。
そして、じわじわと映し出される人影。
映像がハッキリと見えると同時に、森羅の鏡に映ったベンザの笑い声が部屋の中で響き渡る。
「ヒョッヒョッヒョッ!」
「!?」
映し出された映像にベンザは大きく口を開き、目も大きく見開いている。
あまりにも驚いたベンザの顔に、思わず笑い出しそうになってしまった。
見た事もない魔導具に、主君を守る兵ですらまた驚きの声がチラホラと聞こえてくる。
「おおっ……」
「これで良い。ヒョッヒョッヒョッ。これでまたワシの懐も厚くなろうて。報告など所詮は紙切れ一枚。書いている通りに倉庫に収穫と庶民から回収した分を入れておき、調査を潜りぬた後は後はワシの物。まさか少し離れた民家の地下に隠し倉庫があるとは王都の奴らも気づくまい。ヒョッヒョッヒョッ。しかし、そろそろ若い視察官にも手を回さなければの……。まあ、その辺はまた視察官長に金を握らせれば良い事。王都の莫迦な王族もまさか自身の懐に手が回されているとは気づきまいて。ヒョッヒョッヒョッ。ヒョーッ、ヒョッヒョッヒョッ。」
「あ、あ、ああ……」
机に置かれた王都に送る報告書を見ながら酒を飲むベンザ。
その口から出てくる秘密の数々にカイン殿下とマトラスト様はベンザを厳しく見ていた。
映像を止め、次の羊皮紙を手にする。
シワシワにシワがより、汚れたその契約書を手にすると、また森羅の鏡から虹の靄を出し始める。
「次。出します」
映像が出た途端、部屋の中にベンザの怒鳴り声が響く。
「なんじゃと! 税が納め切れぬと申すか!」
場所はベンザの屋敷の前だろうか。
ベンザの前には幾人もの人々が土下座状態に地面に頭をつけている。
代表として50代程の無精髭の男がベンザへと言葉をかけていた。
「はっ! 伯爵様、どうか御慈悲を! 貧困とした私達が住まう村、領主様が最近上げた指定の税が高すぎる為、どうか以前の税にお戻し頂きたく、こうして我々村の者揃い、頭を下げお願いしたく思います!」
「どうか領主様!」
「御慈悲を!」
どうやら彼等は収める税が高すぎる事をベンザへと、税の下げ交渉をしに来た村人であろう。
自分が手に持つ契約書にも、大人一人一人の税を上げることを書かれている。
日本で例えるなら、月の住民税が三倍になった金額であろうか。
確かにこの金額では庶民の生活は苦しくなってしまうだろう。
ベンザに懇願するように、男はベンザの足元に近づく。
足元でギャーギャーと自身の苛立つ言動に、ベンザは男を勢いよく男を蹴り、後ろに大きく蹴り飛ばした。
「黙れ!」
「ぐはっ!」
「お父さん!」
男を支えるように、後ろにいた娘が男を受け止める。
「税もろくに払えぬ者が何を甘えたことを! こんなくだらぬことをする暇があるなら、税の為に働け! 貴様ら庶民が生きるためには税を収めるしかないのだからな!」
「勿論。勿論理解しております。ですが、そ、その税が高すぎるんです! 私達は日々の食事も削りながら領主様へと税を毎季と収めております! ですがこの税額では払う事もままなりません。それにこの状態では昨日産まれた赤子ですら死んでしまいます! 領主様! どうか御慈悲を! 私達をお救いください!」
「フンゴッ……」
娘の言葉に、豚の様な鼻息を鳴らすベンザ。
恐怖に震える娘は頭を何度も下げ、涙を流しながらベンザへと税収を下げてくれと言葉を続ける。
すると、娘の揺れる胸にベンザはいやらしい視線を娘に送り、べろりと舌なめずりをする。 不敵な笑みを作り、ベンザは揺れる腹をそのままに笑い出した。
「ヒョッヒョッヒョッ。そうかそうか。あいわかった。お主達の気持ち、ワシは十分受け取った」
「領主様。そ、それでは!」
ベンザの怒りの顔は何処へやら。
まるで慈悲の心に、目の前の人々を助けてやろうと思う善意者のような顔を作っている。
「うむ、村の税は元に戻すとしよう」
「あ、ありがとうございます! ありがとうございます!」
ベンザの言葉に喜びに感謝を伝えてくる人々。そんな村人達を見ているベンザの顔には影があり、その目は村の娘の揺れる胸から視線をそらすことはなかった。
そして、ベンザは突然わざとらしく頭を抱え、村人に聞こえるように声を出す。
「しかしの……。近隣の村も同じ様に税を上げておる。お主達の村だけ何もなしではワシの顔もたたぬな……」
「えっ……そ、それでは」
村人の気持ちを上げて下げる様な言葉。
喜びに声を上げていた人々はまた絶望に立たされたような表情を作る。
「まてまて。そこで一つワシから提案じゃが、お主の村から数人女をワシの屋敷で働かせぬか?」
村人達は一瞬自身の耳を疑った。
それはそうだ、自身の住む領地の領主様本人から仕事の話が出てきたのだ。
「そ、それは! 私達庶民が領主様のお屋敷で働けると言うことでしょうか!」
「ヒョッヒョッヒョッ。そうだとも。見たところ中々元気のありそうな娘が幾人かおりそうではないか。そうじゃの。お前とお前、それとそこの娘。今日からワシの所で働くが良い。お主達が働く間は村の税を元に戻しといてやろうじゃないか。ヒョッヒョッヒョッ」
ベンザは目の前で懇願し続けていた娘の他に、目星を付けていた数人の村娘へと指を指して選んでいく。
選ばれた娘は、顔や身体がベンザの好むような容姿をしていた。
村長と呼ばれた男は、一瞬ベンザの言葉に躊躇ってしまった。
それは選ばれた娘の中に自身の一人娘が含まれていたこと。
また、春になる頃に結婚をする予定の娘も含まれていたのだ。
自身の村を治める領主であっても、ベンザの評価は褒められるほどに高くはない。
しかし、言葉が詰まっていた男に、娘がスッと立ち上がり、働くことを表明した。
それに続くように他の選ばれた娘達も立ち上がり、行く事を決意する。
「お父さん。私、領主様のお屋敷で働く……。村の税を戻して頂けるなら、私は働きます! いえ、働かせて下さい!」
「私も働きます!」
「私も!」
「うんうん。ヒョッヒョッヒョッ。やる気があって良いではないか。では村長、貴殿の娘、大切に使わせてもらうぞ。大切にな」
「……は、はい」
自身の娘を含め、村の娘を三人ベンザの屋敷に置いて村人達と共に帰る村長。
その手には三人が屋敷で働くことを条件と、税を下げる事を記載した契約書が握られていた。
私頑張ると言う娘の言葉を最後に、屋敷の中へと姿を消す娘の後ろ姿を目に焼き付ける村長。
一先ず村が飢えに困ることは無くなったと、安堵する村人たちであった。
しかし、夏から秋の山の色が変わる頃に、村に一通の手紙が届いた。
それを見た村長は、また直ぐにカバー家の屋敷へと急ぎ足と向かっていく。
「伯爵様! どう言う事にございますか!」
「なんじゃ、またお前か。今日は何をしに来た」
ベンザの屋敷に到着後、直ぐに村長は面会を求める。血相を変えた村長の男が送られてきた手紙をベンザに見えるように前に出す。
「何をしにではありません! 伯爵様、話が違うではありませんか! 村の娘が伯爵様のお屋敷で働く間は、村の税は上げないとお約束して頂けたではありませんか!」
「ああ……。ヒョッヒョッヒョッ。確かに、ワシは娘達が働く間は村の税は上げぬと申したな」
「ならば何故! 何故に今季の税が上がることを通告しに、連絡が私達の村に来るのですか! これではお約束が違います!」
「ヒョッヒョッヒョッ」
「伯爵様!」
村長の問にベンザはニヤリと笑みを作り、男を小馬鹿にしたような笑いを出し始める。
村長はベンザの態度に腹立たしく思うが相手は貴族。
ここはぐっと我慢と、何度もベンザへと答えを求める。
するとベンザの顔からスッと笑みが消え、高らかな笑い声から突然相手を忌々しく思うような低い声に変わり、村長を見下す。
「全く……。理解力の無い愚か者を相手にするのは面倒じゃな……」
「なっ!? な、ならば村の娘を! 娘をお返し下さい! あの子達は村の宝。子を宿し、村を支える大切な娘です。中には婚約者もおる娘すらおります!」
村長は精一杯の抵抗と、ベンザの屋敷で働いてるであろう村の娘の返還を求める。
本来、貴族相手にそんな事を言っては、村長が不敬罪に当たるかもしれない。
しかし、約束を違えたのは相手が先。
自身の手には本人の印が入った契約書も握られている。
ベンザは村長が握るその契約書に視線を送るがそれを鼻で笑う。
「フンッ。そうか。返して欲しいか。ヒョッヒョッヒョッ。ならば付いてくるが良い。娘に合わせてやろう」
「……くっ」
村長は約束を破られた事に悔しい気持ちに押しつぶされそうな思いだった。
税はやはり下げる事はできないのか。
村の人々にも辛い思いをさせてしまうと、様々な気持ちが村長の頭の中を巡り走り回ってしまう。
ベンザに案内され後を歩く村長。
しかし、ベンザは屋敷に入る事なく、裏の方へと回る。
この広い庭の手入れでも娘達は手伝わされているのだろうと最初こそ村長は思っていた。
しかし、案内されたのは小山を切り開いた洞窟。
人工的に穴は広げられて入るが人が働いたり、尚更住むような場所ではない。
中に入り、少し奥に進むと村長は目にしたくない物を見てしまう。
「!? な、な、なんて……事を」
それは布切れ一枚も羽織らずに地べたや泥の壁に背を預けた娘達の姿。
更に娘達の様子に村長は直ぐに違和感を感じた。
「あー……」
「……」
「ふふふっ……あんっ! も、もっと。もっと下さい……」
村長の実の娘は父が目の前に現れたというのにその目は虚ろ、何処を見ているのか言葉にならない声を漏らしている。
他の二人も同じ様な感じに、小刻みに痙攣や、失禁など、村にいた頃では聞いたことないような声。
その様子を見て村長の顔はみるみると青ざめていく。
「お〜お〜。相変わらずこの部屋は臭うの〜」
「は、伯爵様……。あ、あなたは……。娘に、な、何を……」
「あー……あっ……あー……」
村長は娘に近寄り、直ぐに娘を守るように前に立つ。
しかし、声をかけてもやはり娘の顔は虚ろのまま。
「ヒョッヒョッヒョッ。何、ワシの屋敷で夜の相手をの。ヒョッヒョッヒョッ!」
「下さい……。下さい。もっと、もっと下さい……」
「しかし幾日も相手をしていると少し飽きてきての。ほんの少しあの娘達には刺激を与えたんじゃよ。ヒョッヒョッヒョッ。まあ、刺激が強すぎて頭がパーになってもうたがな。ヒョッヒョッヒョッ! 夜伽として使えぬなら働けぬと同じ。だからお主の村の税を上げたまで」
「あっ……あっ……あああ! 貴様!」
村長はベンザの言葉に怒り、握りしめた契約書ごとベンザへと拳を振り上げる。
しかし、ベンザの後ろに控えていた護衛兵の一人が直ぐにベンザを守る位置へと立つ。
「フンッ。ワシに牙を向ける犬などいらぬわ!」
護衛兵の突き出した剣が村長の腹部を突き刺す。
ドスッと鈍い音と同時に護衛兵が村長の体を蹴り、娘の近くへと蹴り飛ばす。
「ぐはっ!」
「……あー……あっ……あっ……」
「ゆ、許される……行いでは……ありませんぞ……伯爵……。……。」
その言葉を最後と、気を失うように息を引き取る村長。
娘へと最後に手を伸ばすも娘はそれを握り返すことはなかった。
「フンッ。庶民をどう使おうがワシの自由。お主らは所詮その程度よ。ヒョッヒョッヒョッ。おい、そのゴミも斬り捨てておけ。普通に糞もできぬ者などただのゴミでしかない」
「……はっ」
「あー……ああっ……あっ……ああ。ぐっ……」
ベンザの言葉に従うように娘へと歩み寄る護衛兵。
娘の目から流れた涙は、その子の最後の自我だったのかもしれない。
護衛兵が剣を振り上げたと同時に自分は森羅の鏡の映像を止めた。
この続きもあるのだが、村の娘達が護衛兵に切られるシーンなど流す必要はない。
そして、村長が握りしめていたこの契約書。
ベンザは亡くなった村長から奪い取るように取り上げ、更にその上から自身の都合の良い案を書きたし村へと送り返していた。
村の人々には村長が娘を連れて逃げたと虚言の報告を伝え、村には新しい村長を立てるように指示を出していた。
新しい村長はフロールス領地からカバー領地へと行った婿入り村長。
送りつけられた契約書が違法ではないかとダニエル様へと改めを求めていたものである。
運も悪く王族などが来るこの武道大会の期間中に来ていた物で、ダニエル様も見るのはこれが初めてであった。
映像を止め、周囲を見渡す。
カイン殿下は深く眉間にシワを作り、目を瞑っている。
マトラスト様、ダニエル様はベンザへと厳しい視線を送り、ベンザの反応を伺っている。
パメラ様にはこの映像が辛かったのか、少し視線を落とし、口元に布を当てている。
エマンダ様はそんなパメラ様の背中に手をあてがえ声をかけていた。
そして、開口を開いたのはカイン殿下。
「ベンザ、貴殿の行い、しかと見させてもらった……。随分と非道な行いが日常に繰り広げられる領地を纏め上げておるようだな。しかもそれが貴殿を中心として」
「お、お言葉ながら!」
ベンザは地べたに両手をつけ、懇願する様に声を出す。
「? 何だ、俺が見た物、それに関しての言葉が間違っていたか?」
「お待ちください! お待ちくださいカイン王子! マトラスト様! これは私ではございません!」
「はあ……(いや、誰がどう見てもあんただよ)」
ベンザの言葉に周囲が絶句。
部屋の中は自分のため息が周囲に聞こえるほどに静まり返っていた。
往生際が悪いベンザの言葉に、マトラスト様が声を張り上げる。
しかし、それでもベンザは否を認めるどころか、自分の手に持つ森羅の鏡へとケチをつけてきた。
「貴様!」
「お、お、お、おそ、恐れながら! この魔導具は偽物を映しております! 私はこんな醜い姿でもありませんし、民へとこの様な非道な真似、記憶にもございません! これは私に似せたような人物を影として用意した物にございます!」
「ならば、貴様の記憶にある物を見せよう」
カイン殿下の前に置かれた誘拐を指示する羊皮紙。
マトラスト様がそれを手にし、ベンザの前に突き出す。
「ぐっ! そ、それは……」
「これは先程も申したが、貴様が屋敷の者に書かせ、下衆な策を書いた指示書。これにお前がどの様な発言をしたか、お前自身で確認するがよい!」
「フー! フー! ぐぐっ!」
息苦しいのか、ベンザは豚のような鼻息をしながら、また森羅の鏡を使おうとする自分を睨みつけてきた。
睨まれたなら〈威嚇〉のスキルを使い睨み返そうと思ったが、マトラスト様が自身を壁にしてベンザの視界を遮る。
いちいち構うなと言う事だろうか。
マトラスト様に手渡された指示書を手に、森羅の鏡を使いベンザの悪事をさらけ出していく。
「出します……」
「ヒョッヒョッヒョッ! うむ、ゼルマイヤ、時間はかかったが十分なできだ」
「!?」
ベンザの執事であるゼルマイヤから誘拐の指示書を嬉しそうに受け取るベンザ。
そのシーンから映像に映し出すと、ベンザの婦人であるティッシュ婦人も共に共犯である映像が流れていく。
「まあ、なんて心惹かれる文なのでしょうか」
「ヒョッヒョッヒョッ。ダニエルのあの者の性格ならば、息子共に何かあれば間違いなく死ぬ気で探すだろう。見つからぬ子の為に、慌てふためくあの愚か者の領主としての最後の顔を見る時がワシは楽しみでならんわ! 更にだ、ティッシュ、よく聞け。これがあいつが主催として行っている武道大会の真っ只中に起こったとしたらどうする」
「……それは勿論」
「そうだ! 運だけで王族に生まれたあの世間知らずな小僧や、経営の理論も知らぬ辺境伯の対応もおろそかになるだろうさ。そこに加えてだぞティッシュ。あのダニエルの小僧が戦う対戦相手、そやつに大量に金銭をかけておけばどうなる。ダニエルの息子は不戦敗、賭けた金は確実に大金となって懐に増えて帰ってくるのだぞ」
「まあ。たった一つの文にその様にいくつもの策が込まれ、それがカバー家の財を増やすなんて。流石あなた。頭のキレは誰よりも優れたお方ですね」
「ヒョッヒョッヒョッ!」
ほんの数日前の事。
あの時口から溢した自身の計画が、全て音声と共に流れている。
ベンザは膝から崩れ、声にならない声を漏らし続けている。
「あっ……ああっ……」
「ところであなた。いつの間にフロールス家に配下を忍ばせたのですか?」
「ヒョッヒョッヒョッ。ダニエル……あいつは貴族のくせに、薄汚い民衆と肩を並べて考えをもつ事は貴族内では有名だ。だが貴族としてその考えに反感を持つ者はおる。そんな奴等が何処からか連れて来た者をワシが指示を出し手駒として使えば、簡単にあいつの屋敷へ人一人送り込む事など容易い事。ヒョッヒョッヒョッ。目の前に金をチラつかせれば薄汚い下民なと簡単に操ることもできる。まぁ、多少金は使ったが、それはその時の賭け金で補えれば問題はない些細なこと。それに半分を前金として渡すが、残りの成功報酬を渡す時にはそ奴は既に金を必要としない状態になっておろう」
「まあ、恐ろしや恐ろしや。ホホホホホ」
「……」
「……」
「……終わりです」
映像を止め、指示書をマトラスト様へと手渡し、自分はダニエル様の隣へと移動する。
「ご苦労。さてベンザ伯爵。いや、ベンザよ。先程自身で見た映像すら記憶に無いと申すか? 心して答えよ……」
マトラスト様が静かに。
そして言葉に重みを込めながらベンザへと答えを問う。
しかし、ベンザは俯いたまま返事すら返さない。
ポタポタとベンザの顔から出ている汗が屋敷の絨毯に染み込んでいく。
うん、自分の物じゃないけど、汚いから勘弁して欲しいね。
マトラスト様の問に答えないベンザの態度に、カイン殿下が最後の一手を切り出す。
「仕方ない。貴様の口から本心を聞き出そう。マトラスト」
「はっ! おい! 巫女姫を入れよ」
「!?」
ベンザはその言葉に驚愕の思いだった。
何故なら、王宮神殿の神殿長を務める巫女姫は、罪人の虚言などを見破るスキルを持ち、そのスキルからは逃れる方法など無いと言われている。
まあ、約一名。
女神の加護の効果を持つ自分には効かないのだが、それを言う必要もあるまい。
そして、ベンザが知らなかった事。
いや、隠されたことがあった。
それは武道大会でステイルがモンスターとなり暴れたその次の日には、ルリ様は体調を崩され先に神殿へと帰ったと情報が流れていた。
これはルリ様の身を守るのが一番の理由と、ベンザの油断を誘うためである。
案の定、先程からペラペラと嘘八百と言葉を並べるベンザは、巫女姫が居なければ取り調べなど意味がないと高を括っていた。
しかし、側仕えの女性と共に入室してきた巫女姫を見た瞬間、ベンザの顔から血の気が一気に消えていく。
「巫女姫、こちらに」
「「感謝します。マトラスト辺境伯」」
声を合わせ、二人の側仕えがルリ様の代わりと声を出す。
「それでは。ベンザ、貴殿の先程までの言葉に偽りがないことは既に確認した。ならば、次はそれが虚言でない事を確認する。カイン殿下、王族を前に自身の言葉が誤っていたなど、後の言い訳などせぬよう」
「ぐっ……」
「巫女姫……」
「「はい……。それでは。これより、カバー家領主。ベンザ・カバー伯爵様のお言葉の真を見据えさせて頂きます。私からいくつかの質問をいたします。よろしいでしょうか」」
「……」
「フンッ。構わん。巫女姫、問え」
「「はい……。それでは……。ベンザ伯爵様」」
「!? は、はい……」
(んっ? 何だか様子がおかしい)
《はい。巫女姫のルリ・ミーパル・ファータがベンザ伯爵へと〈裁きの声〉のスキルを発動しました。対象の者はこのスキルを受けると罪悪感を沸き立たせます》
(あー。早速使うのね)
「「貴方は王からの命に背き、職務を遂行することなく、私利私欲の動きを起こしましたか?」」
「あ、あ。い、いいえ……。王に背くまねなど、身に覚えもございませ……グブッ!? ご、ござい……ござい……ございます……。わわ、私わ……。財を増やす為……。欲の為に、虚偽の報告をし、しま、しました……」
ベンザは最初こそ虚言の答えを漏らす。
しかし、突然自身の両手で首を締めだすと、言葉を変えて罪を認める発言を漏らす。
その言葉に、ベンザを見る周囲の視線が明らかに変わった。
「……」
「……」
「「貴方は今まで、他者の命を損ねる行いをしましたか?」」
ルリ様のこの問に、ベンザは何度も首を立てに振り、また罪を認める言葉を並べる。
映像に出ていた村の娘の他に冒険の女性。
ベンザの口からは行方不明になっていた他貴族の妻や娘の名前が出される。
それは書き示すのも嫌になるほどの数々。
「「最後に問います。貴方はフロールス家のご家族に害あるまねを自身で引き起こしましたか?」」
「「……」」
「答えよ! ベンザ伯爵!」
「わ、わたしが……。命じた……」
カイン殿下の言葉が部屋に響く。
そして、ボソリと呟くようにベンザの口から犯行を指示を出したこと、執事のゼルマイヤに指示書を書かせたことを白状させた。
「「なんとも悲しきお答えでした。皆様もお聞きされました通り、カバー家領主。ベンザ・カバー伯爵様の言葉が全てであります。あの方からは聖人としての真実を見つけることができませんでした……。あの者の言葉が全て本心である事を、私、王宮神殿の神殿長たるルリ・ミーパル・ファータが証明いたします」」
ルリ様の言葉が終わると、静かに側仕えからベールがかけられる。
その場から離れると、マトラスト様がベンザの前に立つ。
「……。ご苦労。さて、ベンザ殿よ。最後に申し開きはあるか?」
「はあ……はあ……はあ……。あ、ああ……。ああああああ!!」
ベンザが自身の首を絞めていた手を解き、苦しげに呼吸を繰り返す。
その荒々しい声が止まったと同時に、ベンザは扉の方へと走り駆け出す。
「「「!?」」」
「ベンザ伯爵を取り押さえよ!」
「「はっ!」」
動きも鈍かった為に、簡単に兵に取り押さえられるベンザ。
「離せ! 離さんか! ワシは、ワシは何も悪くない! 悪いのは貴族の椅子に座るダニエルではないか! ワシは貴族の血が流れた純粋な貴族! ワシを捕まえるならそこの愚族を先に捕まえよ!」
「……ベンザ伯爵」
「おのれダニエル! 貴様なぞ! 貴様に何ができる。貴族の考えも浅はかな貴様が! だからワシがこの手でお前に手を差し伸ばし、貴様が平民と手を結びたいのなら、同じ地位に落としてやろうとしてやったものを! ならばいらぬであろう! お前の貴族としての椅子も! 妻も! 子も! 全てをワシが引き継いでくれる!」
「……愚かな。ベンザ殿。貴殿もお父上から伯爵の地位を引き継いだ時は、国から称えられる程に明主ではなかったではないですか……。それが何故この様な逆賊のような真似を……」
「ほざくなダニエル! 貴様からその様な言葉、聞きたくもないわ!」
「……。分かりました」
ダニエル様がスッとマトラスト様へと視線を送る。
するとマトラスト様は自身の席に置かれていた水の入ったコップを誰も座っていない椅子の方へと溢す。
カチャンとコップが落ちる音に周囲の視線がそちらに向いたと同時に、何かを殴った鈍い音が聞こえた。
ドカッ!
「おやおや。殿下、申し訳ない。お召し物は濡れませんでしたか?」
「……ああ」
何とも白々しい言葉をかけるマトラスト様。
カイン殿下がベンザの方を向くと、ベンザの顔は下を向居ている。
自分の位置からはコップが椅子の上に落ちる場面も、ダニエル様の右ストレートがベンザの顔面にヒットするシーンもバッチリ見えている。
取り敢えず、王族であるカイン殿下にその場を見られていなければ後は何とでも言えるのだ。
兵達もベンザの悪事を耳にした事に、誰一人殴られたベンザへ同情を送ってはいなかった。
「ベンザ伯爵殿。私は貴殿を許す事はできぬ。息子が味わった痛みと苦しみ、また恐怖をその身にしかと分からせてくれる! 殿下の御前、いつまでもこの場にこの男を居座らせるな。連れて行け!」
「「はっ!」」
「お、己! ダ、ダニエル! 離せ! ワシを誰と思うとる! ワシは、ワシはベンザ伯爵ぞっ……!」
バタンと扉は閉められ、通路で叫んでいるベンザの声が遠く離れていく。
ベンザの悪意行為があばかれた。
これによって正式にベンザの今までの行いが表沙汰となれば、芋づる式の如くベンザに手を貸していた者は次々と捕まる事は明らか。
カバー家以外にも、数多くの貴族が爵位剥奪やお家取り潰しと、いくつもの降爵が行われるのは間違いはない。
ダニエル様はホッと安堵したのか、扉の方から踵を返す。
そして、一歩後ろに両婦人が立ち、カイン殿下、マトラスト様、ルリ様、そして自分に深々と頭を下げる。
その後直ぐ、マトラスト様がカイン殿下に一枚の羊皮紙にサインをさせた後、それを持ってカバー家領地へと数十人の兵を連れて馬を走らせる。
恐らくティッシュ婦人をベンザ同様に罪人として捕まえに行くのだろう。
それに森羅の鏡で映し出していた映像でベンザが言っていた悪事の数々の確認。
民家に偽装した地下倉庫に隠された横領物や禁止薬物。
不正な契約書や調べる事は多くある。
しかし、これはマトラスト様でしかできない事。彼はやれやれと思いつつ、国から不敵者を追い出せるならと少しだけ笑みを作り行ってしまった。
カイン殿下は王に連絡を入れるために部屋へと移動。
ルリ様もスキルを使い疲れたのか、休むと言って側仕えと共に部屋へと戻っていく。
要件は済ませたので自分は借りていた服を着替えて、パープルさんのいるフロールス家の厨房へと移動しようとしたその時、スッとごく自然に後ろにゼクスさんが立つ。
「ミツさん。お疲れ様です」
「んっ。ゼクスさん。この服、貸していただきありがとうございます。自分は着替えてパープルさんの所に行こうと思いますので、それでは」
「ホッホッホッ。お待ちくださいミツさん。着替えとパープルさんの所へ足を向けるのは後程に。貴方様にはお話がございますのでどうぞこちらへ」
「は、はい……」
このまま帰ることを告げると、ゼクスさんの手がガシッと自分の肩を掴むように抑えられる。
行きますから、行きますからそんな本気で掴まんでください。
「失礼します。ミツ様をお連れいたしました」
「はいは〜い。鍵なんてかけてないから入っていいわよ〜」
「「……」」
ゼクスさんが部屋の扉をノックすると、部屋の中からは陽気な女性の声が聞こえてきた。
自分もゼクスさんも直ぐに誰の声なのかすぐに理解する。
ってか、自身がこの屋敷の主じゃないと言うのに、そこまで図々しく返事ができる思い当たる人は一人しか思いつかない。
いや、彼女は人ではなくエルフだったな。
「少年君、お疲れ〜」
「お兄ちゃん、こんにちは」
「……。どうもセルフィ様。ロキア君、こんにちは」
「さあさあ、そこに座りながら話そうじゃないの。メイドさん、少年君にお茶お願いね」
「はあ……。ありがとうございます」
ごく自然に近くにいたメイドの女性にお茶を頼むセルフィ様。
声をかけられた人もそれが当たり前と自分の前にお茶を出してくれる。
「さてと。まあ、あれだけ大きな声で喚き散らす声が聞こえてたから大体の事は分かってるつもりよ。それで、あいつ、どうなったの?」
セルフィ様はベンザ伯爵がどう言う結果になったのか楽しみなのか、少し前のめりになっている。
自分はお茶を一口。
そして隣に座るロキア君に笑みを送り、セルフィ様へと先程の出来事を説明する。
「ベンザ伯爵ですよね。はい、森羅の鏡を使い悪事を皆さんの前にさらけ出させました。それでも悪足搔きしてたのでルリ様がトドメを刺されましたね。マトラスト様達が話しているのが聞こえましたが、お家剥奪、資産没収、それとあの人に協力していた人達も一網打尽と捕まえるそうですよ」
「フフフッ……」
「セルフィさん?」
説明し終わると、セルフィ様は頭を下げ、フフフッと声を漏らしながら笑いだした。
隣に座るロキア君が心配そうに声をかけるが、大丈夫、安心していい。
彼女の顔は満面の笑みを作っている事は、彼女の顔を見なくても分かる。
「よっしゃー! ざまーみろ、あの肥満伯爵め! ロキ坊、やったよー。ラルスやミアちゃん、それにロキ坊に悪い事を企んだ狸親父を制裁できたわよ」
「うわっ! セ、セルフィさん!?」
「アハハハ。少年君、良くやったわね」
セルフィ様は喜びにロキア君を高い高いと、胴上げの様に少年を軽々と掲げた。
「あれ? セルフィ様はラルス様達を襲った犯人の黒幕がベンザ伯爵だと知ってたんですか?」
「フフン。私のお耳ちゃんはすっごーく聞こえるのよ。だから君が捕まえた盗賊達が情報を吐いたことや、いろんな事が聞こえてるの」
「な、なるほど。流石ですね……」
王族を止めたとしてもセルフィ様には情報門がいくつもあるのだろう。
彼女は片腕にロキア君を抱え、もう片方の手で自身の耳をクイックイッと動かし笑みを作る。
そこに部屋をノックする音が聞こえてきた。
ノックをして部屋に入ってきたのはダニエル様と両婦人。
そして長兄のラルスと長女のミアである。
フロールス家の皆が来た事に部屋の中の人口密度が更に上がった。
「ミツ君。セルフィ殿。話中失礼」
「ダニエル様。いえ、先程はお疲れ様でした」
ダニエル様達は対面の椅子に座り、お茶を出すメイドさんや護衛兵を部屋から退出させた後に話を切り出す。
メイドさんが部屋から出たので給仕はパメラ様とエマンダ様、そしてミアが代わりにするようだ。
「ダニエル様、粛清お疲れね!」
「はは……。貴女もご存知だと思いますが、今回の事は改めて王の間で言葉が下ります。それ迄に証拠を集めなければ」
セルフィ様の言葉に乾いた笑いしか出てこないダニエル様。
彼の言った通り、後は正式にベンザを裁くために王族が動くだろう。
父の役に立てると思い、息子のラルスが提案と言葉を入れる。
「父上。ならばミツに協力してもらえば宜しいのでは? ミツの持つ鏡を使えば早期とあやつの悪事が出ましょう」
しかし、その言葉は母であるエマンダ様が聞き流すことのできない言葉であった。
「ラルス! その様に直ぐに他者に頼る発言は控えなさい。今回の件。王族の調べも甘くはないでしょう。ミツさんのお手を煩わせる訳にも行きません」
「うっ……。申し訳ない、母上……」
「いえ。謝罪の言葉は母には不要です。ですが、彼にはその言葉は送りなさい」
「すまない、ミツ。確かに俺の考えが浅はかであった」
「いえいえ。気にしないですよ。それにそれくらいならいつでも声をかけてください」
ダニエル様の話ではマトラスト様は意外とガサ入れのような事が得意であり、早々とベンザのホコリが次々と出てくるだろうと話していた。
そして、一通り話が落ち着いたところで、ダニエル様がスッと立ち上がり自分を呼ぶ。
「……ミツ君」
「はい。!?」
名を呼ばれ、そちらに視線を送ると驚きに言葉が止まってしまう。
それは息子のラルスが声を出すほどに。
「父上! 母上!」
ダニエル様と婦人の二人。
パメラ様とエマンダ様は共に深々と頭を下げてきた。
「この度の貴殿のご助力。我がフロールス家は深く感謝する」
「我が子を、我が娘を。失う事もなく、またこの胸に抱きしめる事ができたことに、更に感謝いたします」
「我々家族に迫る、恐ろしい悪意のある数手。それを防ぎ、安息を頂けたことに感謝を」
親である三人が頭を下げ、感謝の言葉を伝えるのを見て、息子と娘であるラルスとミアも席を立ち頭を下げる。
「……。我々、弟妹共に助けてもらった事に感謝を」
「恐怖からお救い頂けたことに感謝を」
家族皆が突然一人の少年へと感謝の言葉を告げるのを見ていたロキア君も、意味がわからないが共にペコリと自分へと会釈をしていた。
そんな家族をみて、セルフィ様がキョトンとした表情にダニエル様へと声をかける。
「あら〜。いいの? 伯爵様とあるお人が、少年に頭なんて下げちゃって」
「セルフィ殿。構いません。今の私はフロールス家。その家族の父として彼に頭を下げている。貴族の地位など今は何の関係もなく。家族を救い、守ってくれた人の身分など今は関係ありません」
「そっ。なら、私からも。コホン……」
ダニエル様の言葉に嘘偽りなく感謝の気持ちがセルフィ様にも伝わってきたのか、彼女は椅子から一度立ち、自分の前で片膝を付いて、自分の両手を包み込むように握りしめる。
「セルフィ様」
セルフィ様の名前を呼ぶと、彼女は笑みを作り、優しく語りかけてくれる。
「我が心の支えとなる友を救い、また貴殿の行いに、妖精の音色に感謝を響き渡せます。時の翼は貴殿の手に救われ、私の元に帰る喜びに、また一度、音色に感謝を添えます。この時この瞬間、羽の光が途切れる事のない繋がりを、貴方と結ばせて頂きます」
「は、はい……(言葉の意味は分からないけど、取り敢えず感謝されてるんだろうな)」
セルフィ様の言葉の意味が分かるものは極わずか。
自身の言葉に満足したのか、彼女は二カッと笑みを見せていた。
セルフィ様の言葉を簡単に和訳するなら、フロールス家を守ってくれてありがとう。
私の婿となるロキア君を助けてくれて感謝する。
今日から私達は心の友だ。
とっ、普通に言えば良いものを遠回しに言っていたのだ。
何ともセルフィ様らしい内容だった。
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