第84話 無難なジョブ変更

「本当にすみませんでした!」


「「はあ……」」


 部屋に戻り、自分は分身の二人に土下座状態に頭を下げていた。

 昨日の夜、時間もある程度経ったことに二人は自身でゲートを開き、教会へと帰ってきていたようだ。

 夜中ずっとスキル上げをしていた為に二人はボロボロの姿、衣服は泥に汚れ、直ぐにでもお風呂に飛び込みたい気持ちだったろう。

 影分身のスキルは、分身自体の意思で消えることができない。

 出した本人がイメージして消さなければいけなかったのだ。

 帰っても自分の姿は部屋にはおらず、二人は外に出るわけにはいかないと、一日中部屋の中で待っていたそうだ。

 朝になって自分がプルンの部屋で寝てしまったことが、更に面倒なことに。

 縄から開放された後も、自分は部屋には戻らずそのまま洗い場にて着替えを済ませ、ゲートでリッケを迎えに行ってしまった。

 その話を分身の二人に理由を聞いて、直ぐに自分は謝り、二人にお疲れと労いの言葉を伝えて消すことにした。


《経験により、〈フクロウの目Lv5〉〈一点集中Lv6〉〈威嚇Lv5〉〈不意打ちLvMax〉〈ハイディングLv4〉〈鷹の目Lv5〉〈小鳥の目Lv4〉〈煙幕Lv4〉〈速度減少Lv5〉〈忍術Lv6〉〈ミラーバリアLv5〉〈感覚強化Lv3〉〈攻撃強化Lv3〉〈挑発Lv3〉〈プロテスLv5〉〈ブレイクアーマーLv3〉〈忍び足Lv3〉〈発見Lv4〉〈気絶耐性Lv2〉〈獣の目Lv6〉となりました。スキル〈忍術〉のLvが上がりました、強化する属性をお選び下さい》


(……す、凄っ……。二人でどれだけスキル使ってたのか……。全部が全部じゃないけど、かなりのスキルの訓練をしたんだろうな……。気絶耐性も上がってる……。何故?)


《ミツ、属性を選んでください》


(えっ? あ、はい!? ってか属性? ごめんユイシス、なんの話?)


《忍術スキルのレベルが上がりましたので、強化する属性を選んでください。選んだ属性は威力効果共に1.5倍と強化されます。以降、忍術スキルのレベルが上がった後、すでに選ばれた属性は再度選ぶことはできません》


(なるほどね。そうだな。と言っても水属性と土属性の忍術って未だに一度も使った試しがないから、この2つを選ぶのもな……。まあ、取得した順として風でお願いするよ)


《〈忍術〉の風が強化されました〈風刀〉は〈嵐刀〉と変わり〈風球〉は〈嵐球〉と名を変更となります》


(へー。スキルの進化か。これってさ、合体スキルに変更とか起きるの?)


《はい、次に忍術のレベルが上がり、火属性、水属性、土属性、どれかを強化しても風属性との合体スキルは強化されます》


(うわー、うほほ。こりゃ楽しみだねー)


〘でも今度は自身の力で強くなることをしなさいよ〙


(うわっ!? シャロット様!)


 スキルの進化と言う言葉に上機嫌に、自分が変な笑いをしていると、不意に創造神のシャロット様の声が聞こえてきた。


〘驚きすぎよ。ちょっと話があるんだけど。終わったら後でこっち来なさい〙


(えっ!? 神様からの呼び出し……。ってか、どうやってシャロット様のところに行けるんですか?)


《ミツ自身が睡眠状態になれば大丈夫ですよ》


(あ、ああ。そうなんだ……。解りました、ステータス確認後にすぐに寝ますね)


〘そうして頂戴〙


《ミツ、メインジョブのモンク、偽造職の料理人、サードジョブのジョングルール、こちらのジョブがレベルMaxとなっております。ジョブを変更なさいますか?》


(うわ……。何もしてないのにジョブのレベルまで上がってるのか……。分身の二人、モンスターでも倒したのかな? ねえ、ユイシス。新しく増えたジョブとかある?)


《はい、ございます。以前と同じように一覧として表示させていただきますね》



前衛職


【ランサー】【ガード】

【ウォーリアー】【狂戦士】【クルセイダー】


New【武道家】


New【グラップラー】



上位


【パラディン】【ドラグーン】

【セイントナイト】


New【マジックファイター】


New【侍】



後衛職


【ハンター】【ボウマン】

【シューター】【イリュージョニスト】

【アルケミスト】【サマナー】


New【アストロジャー】


New【アポストル】


上位


【ダークメイジ】



商人職


【ペドラー】



盗賊職


【ローグ】【アサシン】


【カットパース】



支援職


【プリースト】【タクティクスシャン】



上位


【セイント】【ダークプリースト】



その他


【アオイドス】【テイマー】

【ミミック】


New【ゴットハンドシェフ】


New【アクロバット】


New【オラウ】


New【ポエット】



 ウィンドウ画面が目の前に現れ、新しく表示されたのは10個のジョブであった。


(うわっ! 新しいジョブ、めっちゃ気になる! ユイシス、説明プリーズ!)


《はい。では【武道家】こちらはモンクのレベルがMaxにて表示されるジョブです。

 主に拳で戦い、また蹴りのスキルなども持ち合わせております。

 速さに優れており、連続攻撃を得意とします。

 次に【グラップラー】こちらはモンクの特殊ジョブとなります。打撃、蹴り、また柔軟な動きにて接近戦を得意とするジョブです》


(モンクから来た2つか。格闘系はいずれ極めないとな……。蹴りスキルか。考えたらそう言った技も格ゲーにはあったな……。中国人のお姉ちゃんとか、よき太ももを見せて百烈キックとかしてたっけ)


《次に、上位の【マジックファイター】と【侍】です》


(マジックファイターってさ、名前そのままに、魔法を使う拳闘者だよね?)


《はい、自身の拳に属性を付与することに、攻撃力を上げることができます》


(ほほー。なら火属性を拳に付けると、火拳的な物もできるのかな、かな? いや、あれは纏った火を拳の形にして飛ばす物だからまた違うか……。まあいいや、候補候補っと)


《次に【侍】です。剣、槍などの斬撃スキルを多彩に持ち合わせております。剣を両手持ちにすると、攻撃力が更に増加することのできるジョブとなります》


(忍者に続いて侍か。斬撃スキルは中々気になるね……。佐々木小次郎みたいに、燕返しとかそんなスキルがあるかも! うわ~、これも候補にしたい! でも、マジックファイターと侍、両方共に上位だし、これ選択すると、魔法剣士とマジックハンターの4つも上位ジョブをあげるのは時間がかかるし……。まあ、他のも聞いてから決めよう。ユイシス、続きをお願いするよ)


《はい、次に【アストロジャー】と【アポストル】。先ずアストロジャー、こちらは〈予知〉などの特殊スキルを持ち合わせています。戦闘は得意とはいたしませんが、自身や仲間の危険を回避する、サポーターとしてのジョブとなります。次にアポストル、こちらは〈念話〉など、こちらも特殊スキルを取得することができます。また、相手の脳を揺さぶり混乱と、精神系スキルを使用できます》


(なるほどね。どっちもあって困るものじゃないのは間違いないか……。あれ……。なりたいジョブが多すぎてジョブ枠が足りません……。ユイシス、どないしましょう)


《努力して、一つ一つと経験することをオススメします》


(だよね~。うん、解ってた)


《続けます、次に【ゴットハンドシェフ】【アクロバット】【オラウ】【ポエット】です。まずゴットハンドシェフ、こちらは料理人の上位ジョブとなります。次にアクロバット、こちらは曲芸士と【ジョングルール】の特殊ジョブになります。次にオラウ、こちらは詩人となります。最後にポエット、こちらは学び導く者、教育者です。以上、10の新ジョブとなります。》


(ありがとうユイシス。ゴットハンドシェフは、まあ、聞かなくても大体解る殻いいかな。アクロバットってまた曲が増えるのかな?)


《アクロバットのスキル〈作曲〉を使用すれば、イメージのスキル効果を出す曲が作れます》


(ほほー、ええじゃないか。ジョングルールのスキルは使える曲もあるけどさ。やっぱり、聞き慣れたゲームみたいなBGMっぽい曲も作りたいし。オラウの詩人はあれかな、以前あったシモーヌさんみたいな感じかな? なら絵とかも書けるようになるかも……。ん~、日本じゃ絵心なんて持ってなかったから、ここで取得するのも面白いかな。後はポエットか、これはロキア君に物事を教えたから出てきたのかな。まあ、これは後にまわそう)


《それでは、変更するジョブを3つお選び下さい》


(そう言われてもな……。今回も含めて前回出たジョブも実際気になるし……。全部上位ジョブにしたら暫くはジョブの変更する必要もなくなるけど、それは駄目だ……。それではつまらない。だからと言って、36種類から選ぶのも……。んー。取り敢えず今回は上位は我慢するかな。ちなみにさ、ユイシスのオススメってある?)


《私としましては【ペドラー】をオススメします》


(えっ? ペドラーって商人? 何故に?)


【はい、ミツはフロールス家にて、レシピの商談を行いましたが、残念ながら全てを相手任せの商談となりました。ペドラーのスキル〈交易術〉があれば商談を今後は上手く運ぶことができるでしょう。今回たまたまですが、善意高きパメラとエマンダの両婦人の商談では、ミツの損失はほぼ無かったと思われます。ですが、今後同じ様に善意者との商談だけとは限りません。戦闘の技量のみではなく、交渉の技術を上げていくのもミツ自身、今後の糧となるでしょう】


(そっか……。そうだよね。うん、ありがとうユイシス。ペドラーは入れることにするよ。なら、後2つだね……。よしっ! ユイシス、残りの2つはアストロジャーとアポストルの、今回新しく出たので!)


《メインをペドラーに設定でよろしいですか?》


(んー。いや、メインをアストロジャー、偽造職をペドラー、サードをアポストルにお願いするよ)


 メインジョブではなく、偽造職の方にペドラーを設定したのはちゃんと理由はある。判別晶で表示されるのはメインジョブではなく、忍者のスキル〈偽造職〉が表示されるためだ。

 アストロジャーやアポストル。

 これは自分の考えでは中々珍しいジョブだと踏んだ。

 その為、一般的なペドラーならジョブに設定している人も多いと思う。

 武道大会申し込み場のように、自分のジョブをさらすことも後々起こるかもしれない。

 できれば、今後も偽造職には平凡なジョブにしとこうと思ったのだ。


《メインジョブが【アストロジャー】にジョブが変更されました。ボーナスとして以下のスキルから5つお選び下さい。既に取得済みのスキルは非表示となります》



※人物予知

※モンスター予知

※幸運予知

※心理予知

※気候予知

※危険予知

※危機予知

※未来予知


(まさかの予知オンリー! 本当に戦闘ができないジョブなんだ……。まあ、いつも通りスキルの説明お願いするよ)


《はい、では上から〈人物予知〉こちらは人、亜人問わず、人を探すことのできるスキルです。使用するとその者がどの辺に居るのかを、周囲の景色と合わせて見ることができます》


(へー。知ってる人限定かな?)


《いえ。その者の人相、顔など、スキル使用時のイメージがあればスキル発動時、周囲含め、鮮明に見えるようになります》


(迷子探しには便利だろうね~。これって、マップとマーキング、更にこれも合わせて使うと完璧じゃん。ああ……。これがあれば、ヘキドナさん達の仲間見たいな人達も探せるかも……)


《次に〈モンスター予知〉こちらは……》


(あっ、それはいいよ。ユイシスがサポートとして居てくれるんだし。以前みたいに、モンスターが近くにいたら教えてよ)


《……ふふっ。そうですね。では〈幸運予知〉こちらは自身の運のステータスに合わせた幸運を探すことができます》


(運か~。無駄に数値高いもんな~。高くてもモンスターハウス見たいな危険地しか当たってないけどねっ! いや、そのお陰で強くなってるんだし……。あれ? もしかして運の効果が出てたのかな……)


《〈心理予知〉は相手の動きを予測できるスキルです。〈天候予知〉は天候を読み取ることができます》


(相手の動きか……。丁度いい。武道大会での戦闘でも使えるかも。天候予知って、思いっきり天気予報じゃん! まあ、使えるけどさ……)


《〈危険予知〉〈危機予知〉の危険予知は、ミツ自身に起こることを予知できます。危機予知は周囲含めての予知になります》


(んー。ユイシスに注意してもらってるから、これもな……。でも危機予知、これは周囲含めだし……)


《最後に〈未来予知〉こちらは近い未来、対象者に起こることを予知することができます。ただし発動者、つまりはミツの未来は見ることはできません。アストロジャーの限定スキルは、この未来予知となります》


(なるほどね。……なら、人物予知、心理予知、気候予知、危機予知、未来予知。この5つをよろしく)


《選択により〈人物予知〉〈心理予知〉〈天候予知〉〈危機予知〉〈未来予知〉を取得しました》


人物予知

・種別:アクティブ

対象者が何処にいるのかを予知できる。


心理予知

・種別:アクティブ

動きがある者、対象の心理を読むことができる。


天候予知

・種別:アクティブ

天候を読み取ることができる。


危機予知

・種別:パッシブ

周一体、危機的状況を予知できる。


未来予知

・種別:アクティブ

対象者の近い未来を見ることができる、それがいつなのかは不明。



(まずは一つ目っと)


《次に転職を行います。偽造職を【ペドラー】に変更してよろしいですか?》


(よろしく!)


《【ペドラー】にジョブが変更されました。ボーナスとして以下のスキルから5 つお選び下さい。既に習得済みのスキルは非表示となります》



※ディスカウント

※オーバーチャージ

※交易術

※御者術


(あら? 4つか。取り敢えず表示されたのは全部選択で)


《経験済みジョブ、未取得スキルを一つ取得できます。どれになさいますか?》


 また目の前に新しく出てきたウィンドウ画面。

 画面には今まで獲り損ねていたスキル一覧がずらりと表示されていた。

 気になる物は覚えていたので、指を画面に当て下へとスクロール。


「えーっと。そうだね……。ああ、この魔法剣士の〈魔法攻撃耐性〉これをお願い」



《選択により〈ディスカウント〉〈オーバーチャージ〉〈交易術〉〈御者術〉〈魔法攻撃耐性〉を取得しました》



ディスカウント

・種別:アクティブ

物を買うときの価格が下がる、レベルに応じて値引き額が増える。


オーバーチャージ

・種別:アクティブ

物を売るときの価格が上がる、レベルに応じて効果が増す。


交易術

・種別:パッシブ

商談、商品の商談が上手くなる、レベルに応じて効果が増す。


御者術

・種別:パッシブ

馬車を操る技量が上手くなる。


攻撃魔法耐性

・種別:パッシブ

攻撃魔法を受ける際、ダメージが軽減する。



《最後にサードジョブを【アポストル】にジョブが変更されました。ボーナスとして以下のスキルから5 つお選び下さい。既に習得済みのスキルは非表示となります》


※思念思考

※念話

※ジャミング

※ブレインバイブ

※パラライズ

※アタックダウン

※ディフェンスダウン


(半分は大体わかる。でも、名前だけじゃやっぱり想像できない物もあるね。ユイシス、説明お願い)


《はい〈思念思考〉これは指定の相手に自身の考えを脳内にて見せることができます。〈念話〉こちらは相手の脳内に直接話しかけることができます。〈ジャミング〉こちらのスキルは、念話を妨害することができます》


(思念思考はいいね、態々口に説明する難しいことが簡単に済むし。念話って言うのは、今ユイシスとこうして話してる感じになるの?)


《はい、こちらのスキルは近い者程言葉がはっきりと会話ができるでしょう。間に壁などがあっても関係ありません。ちなみに、私とミツを繋ぐこの会話はご主人様のお力あっての会話です》


(なるほどね。まあ、シャロット様が凄いのは知ってるから、遠く離れてるユイシスと会話できることは感謝してるよ。ジャミングって、やっぱり妨害するスキルもあるのか……。そりゃ考えたらあるよね。そうしないと大事な情報とかがダダ漏れになっちゃうし)


《次に〈ブレインバイブ〉〈パラライズ〉〈アタックダウン〉〈ディフェンスダウン〉の4つになります。〈ブレインバイブ〉は相手の脳内を揺さぶり一種の混乱状態となります。〈パラライズ〉こちらは麻痺状態としますが、脳内を直接麻痺攻撃を与えますので、ミツの既に取得済みの〈麻痺攻撃〉とは違い意識を刈り取ることができます。〈アタックダウン〉は相手の攻撃力を〈ディフェンスダウン〉は防御力を低下させます。【アポストル】の限定スキルは〈思念思考〉となります》


(ありがとう。それじゃ、この中から5つ決めようか。と言っても、思念思考、念話、ジャミングは決まってるんだけど……。ん~。混乱と麻痺か、攻防ダウン。両方欲しいけど、共に限定スキルじゃないから、後々に取得もできそうな感じだし……。よしっ! ユイシス、さっきの3つとブレインバイブとパラライズでよろしく!)


《選択により〈思念思考〉〈念話〉〈ジャミング〉〈ブレインバイブ〉〈パラライズ〉を取得しました》



思念思考

・種別:アクティブ

相手の脳内に自身のイメージを映し出すことができる。


念話

・種別:アクティブ

相手と脳内にて会話ができる、距離が近いほど声は鮮明に聞こえる。


ジャミング

・種別:アクティブ

念話の会話を妨害することができる。


ブレインバイブ

・種別:アクティブ

相手の脳内を揺さぶり、混乱状態とする。


パラライズ

・種別:アクティブ

相手の脳内を麻痺状態とし、意識を止める。


(よしっ、終わった。ユイシス、ありがとうね。さてさて、ステータスはどうなったかな~)



名前 『ミツ』     人族/15歳



メインジョブ  アストロジャー Lv1。


偽造職     ペドラー    Lv1。


サードジョブ  アポストル   Lv1。


フォースジョブ 魔法剣士    Lv7。


フィフスジョブ マジックハンターLv7。



転職可能 new


【弓術】

【支援術】

【魔力術】

【剣術】


鉄の弓orドルクスア 革の軽鎧 盗賊の腕輪


HP _____517+(80)


MP______1590+(80)


攻撃力___577+(150)


守備力___521+(115)


魔力_____653+(165)


素早さ___535+(130)


運 _____540+(130)


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


ジョブレベルMAX12職


【ノービス】All+5

【アーチャー】All+5 運+20

【シーフ】All+5 素早さ+20

【クレリック】All+5 魔力+15 守備力+15

【ウィザード】All+5 魔力+25

【エンハンサー】All+10

【ヒーラー】All+5 魔力+20 守備+20

【ソードマン】All+5 攻撃力+20

【忍者】All+20 攻撃力+30 魔力+30 素早さ+20

【モンク】All+5 攻撃力+20

【料理人】All+5 素早さ+10 運+10

【ジョングルール】All+5 運+20


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


Level upスキル一覧



ハイヒール________:Lv4/10。

ブレッシング______:Lv4/10。

速度増加__________:Lv4/10。

ミラーバリア______:Lv5/10。

エンジェラス______:Lv4/10。

プロテス__________:Lv5/10。

魔力増加___________:Lv6/10。

料理_______________:Lv2/10。

土石落とし_________:Lv2/10。

ヒール_____________:Lv7/10。

フクロウの目_______:Lv5/10。

一点集中___________:Lv6/10。

威嚇_______________:Lv5/10。

不意打ち___________:LvMax。

ハイディング______:L4/10。

鷹の目_____________:Lv5/10。

小鳥の目___________:Lv4/10。

煙幕_______________:Lv4/10。

速度減少___________:Lv5/10。

忍術_______________:Lv6/10。

感覚強化___________:Lv3/10。

攻撃強化___________:Lv3/10。

挑発_______________:Lv3/10。

ブレイクアーマー__:Lv3/10。

忍び足_____________:Lv3/10。

発見_______________:Lv4/10。

気絶耐性___________:Lv2/10。

獣の目_____________:Lv6/10。


newスキル一覧


人物予知___________:new。

心理予知___________:new。

天候予知___________:new。

危機予知___________:new。

未来予知___________:new。

ディスカウント____:Lv1/10。

オーバーチャージ__:Lv1/10。

交易術_____________:Lv1/10。

御者術_____________:new。

攻撃魔法耐性______:new。

思念思考___________:new。

念話_______________:new。

ジャミング________:Lv1/10。

ブレインバイブ____:Lv1/10。

パラライズ________:Lv1/10。


スキル合計数192個


※※※※※※※※※※※※※※※※


称号 『救い人』



「よし、全体的に上がってるけど、魔力が突出して上がってる! これならマジックアローの連射も試せるかもしれない! まあ、それもシャロット様の話の後ってことで、少しだけシェスタっと」


 ステータス画面を閉じ、ベットに仰向けになって目を閉じると、自分の意識が直ぐにスッと消えるような感覚に襲われた。

 再びゆっくりと目を開けると目の前には襖が現れ、恐る恐るとそれを開ければそこには見知った神様達が円卓を囲んではお茶をすすっていた。


〘おお、来たわね。さっ、ここに座りなさい〙


「は、はあ……。おじゃまします」


 パシパシと畳を叩いては、自身の横に座れとアピールしてくる、見た目は少女姿のシャロット様。

 相変わらずラフな格好、今日も短パンにTシャツ姿である。とてもこの世界を作り出した創造神の神様には見えないが、それを口にすると怖いので自分は口にしません。


《ミツ、お茶とコーヒー、どちらが良いですか?》


「んっ、じゃ、コーヒーお願いするよ」


《はい》


〚俺にも茶の追加を頼むわ〛


[あっ、私もお願いね~]


《はい》


 ユイシスが他の人?(神)に追加とばかりにお茶を頼まれている。

 部屋に入ったときから気づいてはいたが、シャロット様、バルバラ様、ユイシスと見知った人達とは別。

 自分の対面に座る人物?と視線がかさなる。


「あの~」


〘んっ? ああ、こやつか?〙


[もう! シャロットちゃん、こやつは酷いよ~。お友達なんだからちゃんと紹介してよ~]


〘ちゃん言うな!〙


[酷いよ~]


「えーっと。シャロット様とご友人と言うことは?」


 シャロット様の友人、そう質問すると、向かいの女性は一つ咳払いを入れてはにこやかに挨拶をし始めた。


[初めまして、私は季節を司る神。豊穣神でもあるリティヴァールよ。よろしくね、実りの子]


「よろしくお願いします! リティヴァール様。自分はミツと言います」


 挨拶を交し、初めて会う神様。

 シャロット様とも友人と言うことで、最初からお互い砕けた感じの挨拶となった。

 髪は茶色に緑のメッシュ、フェミニンロングヘアーと小顔な神様。

 見た目はシャロット様と変わらない年頃に見える。

 シャロット様が小学5年生程度の大きさとするなら、リィティヴァール様は中学2年生程の大きさ。いや、二人とも神様なんだから、身姿は変身か何かで変えてるだけだと思う。


[ん~。知ってる知ってる。君、シャロットちゃんのお気に入りなんだもんね]


「お気に入りかは解りませんが、良くしてくれてますよ」


〚ガハハハ! お前をよこせと言ったときのこいつのあの時の面、中々の迫力だったぜ!〛


〘うるさいの! お前はさっさと帰れ!〙


 シャロット様が手に持つ湯呑みを円卓に勢いよく置くと、バルバラ様の前にある湯呑みの中、まだ残っていたお茶がばちゃりとバルバラ様の足にかかってしまった。


〚あちゃちゃちゃ!〛


《バルバラ様、大丈夫ですか!?》


〘放っとけばいいのよ。お湯程度でこやつがどうなることもあるまいて〙


〚熱いものは熱いんだよ! ったく〛


 どこから出したのか、ユイシスがバルバラ様へと布を渡し、それを受け取ったバルバラ様は濡れた足や畳をゴシゴシと拭き始めた。


「あのー。本日ここに呼ばれたのは?」


〘ああ、そうそう。話だったわね。あんた、私が世界を作る創造神ってのは解ってるわよね?〙


「ええ、そりゃ勿論」


〘で、世界を作るにして、このリィティヴァールがね〙


[この私! シャロットちゃんの運命のパートナー! ベストフレンド! ヴァディ! 二柱一体!]


〘やかましいわ!〙


 シャロット様の体に手を回し、頬が当たるほどの距離で自身とシャロット様の信頼性を強調するリィティヴァール様。まあ、その友情も頬をムニュっとつねられ、無理やり引き離されてますけどね。


[いふぁいいふぁい、ふぁろっふぉひゃんいふぁいよ!]


「ははっ……。で、そのリティヴァール様が自分にご用とか?」


〘うん、話が早いわね。リティヴァール〙


[う~。はいはい。君にはね、ちょこーっとだけ、お手伝いをして欲しいの]


「手伝いですか?」


[そうそう。君が目を覚まして、君にとっての始まりの地に、これを穴の底に沈めて欲しいのよ]


 リティヴァール様はスッと掌に、プヨプヨとした透明であり、まるで水饅頭のような物を見せては自分の手を取って、その掌にそっと乗せてきた。温度を感じないそれは、自分の手の上でプヨプヨと動くだけだった。


「これは?」


[まあ。簡単に説明すると、世界の栄養となる物よ]


「栄養ですか」


[そうそう。君がいる世界の人達ってどうも不器用でね。たまに私が定期的にこんなふうに、あなたのいる世界に豊穣の祝福を入れてるのよ]


「なるほど。あの、ところで始まりの地って何処のことを?」


 自分の言葉にあれっ? とした表情を浮かべている神様。


[覚えてない? 君がシャロットちゃんの世界に来たときに初めて目を覚ました場所よ?]


「……ああ! あの平原ですか」


 リィティヴァール様の言う始まりの地とは、自分がこの世界に来て初めて見た、目の前に広がる平原のことだった。


[そそ。覚えてるなら大丈夫ね。]


「解りました。穴掘って、これを入れとくだけで良いんですよね?」


[うんうん。ありがとうね~。あはは。君がいてくれて楽ができるわ]


「楽、ですか?」


[そうそう。君がいなかったら、いちいち下界の知性のあるものに言葉伝えてさ、ここに埋めてきなさいって言わなきゃいけなかったのよ。毎回それするのも面倒くさいのよね~]


〘あんたなら私達ともこんなふうに話すこともできるじゃない。説明も省けるから、あんたに白羽の矢がたったのよ〙


「なるほど。納得しました……。それと、もう一つ聞いてもいいですか? あの、今の世界の人達が不器用というのはどういう意味ですか?」


[それはね……]


〘あー。それは私が説明するわ。私が作った世界、例えるなら、この湯呑みが今あんたが住んでる世界だと思ってちょうだい。世界を作った後は、中に、こんなふうに神気を入れるの。その神気が何百、何万の時間と共に溶け出してはそれが魔力と変わるわ〙


 シャロット様は湯呑みの中へと、急須からお湯をトクトクと入れてはティーパックを一つ中へと入れた。

 ジワリジワリとティーパックの中から色が溶け出している。


「ふむふむ……。ティーパックが神気って奴で、溶け出したのが魔力ってことですね」


 そして色が変わったところ、シャロット様はそれを一口こくりと飲んで見せる。


〘当たり前だけど、中の魔力を使えば少しづつ減っていくわ。でも、減ったならその分継ぎ足せば良いと思うでしょうけど、魔力に変わったところに神気を入れてしまうと、折角変わった魔力が薄まっちゃうのよね。リティヴァールの言った不器用というのは、世界に住む者が魔力、それが結晶化した魔石を使っちゃうことを言ってるのよ〙


「えっ? 魔石って使っちゃ駄目な物なんですか!?」


〘駄目とは言わないけど、折角結晶化した魔石を使うと、それを継ぎ足そうとまた世界の魔力が少しづつ結晶化しようと減っていくのよ。通常結晶化した魔石はそのままにしとけばその辺の地形を安定させる効果を出すわ。たまに、液漏れみたいに結晶化する前に地面に流れ出す事もあるけど、それも放っとけば自然と結晶化してしまうわ。まあ、結晶化してない魔力にあてられる者は、魔力の原液を直に体に浴びるんだからその体が弱まる可能性も出てくるけど〙


「んっ? それってアース病になるあれですか? 地面から魔力が漏れ出してるのが原因と聞いた気が」


〘ああ、そうね。人族はそんな名前で呼んでるわね。恐らくそこの地形は暫くしたら魔石が結晶化した物が出てくるわよ。そのままにしとけば、その土地は豊作が増えるでしょうね。それで、不器用と思うのは、態々山や地面を掘り返さなくても魔石くらい自身で作りなさいってことよ。掘り返す労働をするぐらいなら、作ったほうがよっぽどマシでしょうに〙


[本当に、残念だね~]


 二人の神様はお互いの湯呑みの中のお茶をゴクゴクと飲み干しては、大きなため息を漏らしていた。


「あの……。お言葉を返すようですみませんが、それはお二人は神様だからできるのでは? 普通の人は魔石なんて作れないんじゃないですか?」


〘はあ? あんなの魔力込めればいいだけじゃない〙


[そうだね。できる者は限られるけど人族の魔力でも作れるはずよ?]


〚ガハハハ! 貧弱な生命体にできるのかは解らんが、俺でもできるぞ!〛


「いやいや、バルバラ様も神様でしょ。それに魔石って魔力を込めるだけで作れる物なんですか?」


〘んー。面倒くさいの。ユイシス、あんたが教えてあげなさい〙


 自分の質問に答えるのが面倒くさくなったのか、シャロット様は目を細めては側にいるユイシスに話を丸投げした。

 それに応える様にと、ユイシスが自分の側に座り魔石の説明をし始める。


《はい、ご主人様。では、ミツ。アイテムボックスからカセキを出してもらえますか?》


「うん。えーっと、大きさはどれでもいいの?」


《先ずは小さい物で試してみましょう》


 ユイシスに言われるまま、アイテムボックスから大量に購入したカセキを入れた麻袋を取り出した。

 中には魚の鱗程度の大きさの物から大きめのスーパーボール程度の化石が入っている。

 その中から、比較的小さいカセキを一つ取り出す。


《では、それを握り込んでください。そして先ずは火をイメージして下さい》


「うん……。火……」


《イメージをそのままに、スキルのディーバールチャンスダイ、これを使用してみてください。通常これは自身のMPを相手のMPに変えるスキルです。ですが、同じ魔力をそのカセキへと注ぎ込めば、直ぐに変化が現れます》


「……ディーバールチャンスダイ」


 ユイシスの説明を受け、焚き火程度の火を頭で浮かべてはスキルを発動。

 手に握りこんだカセキが、指の隙間からオレンジ色の光を出し始めた。

 

「おっ!?」


《成功です。他にも火だけではなく、水、風、土、光、闇と様々な魔石がこの方法にて作り出すことができます》


「へー。こりゃいいね!」


《ですが、注意もございます。ミツの魔力、つまりはMPの数値が高い者でも、生成できるのは恐らく数個となります》


「えっ!?」


 ユイシスの言葉に、自分はステータス画面を出してMPの残量を確認。MPは1590+(80)と先程表示されていた画面には、1490+(80)と100の減りを表示していた。

 スキル効果もあって、MPの消費を半減としても、この小さな魔石1個作るのにMP100の消費は大きく感じた。


〘まったく。そんなふうに必要なら自身で作ればええものを、消耗品のようにバンバン掘っては使いまくりおって〙


[まあまあ、シャロットちゃん。できることに気づいてないんだから仕方ないよ]


「なら、自分が皆に教えて周ったらどうですか? そしたら魔石の消費も落ち着くのでは?」


 と、直ぐに思ったことを発言すると、向いに座るユイシスから注意を受けてしまった。


《ミツ、それは構いませんが、それを知った者はどう動くでしょうか?》


「えっ? どうって、自分みたいにこのスキルが使える人にやってもらって作るんじゃない?」


《そうですね。ミツ程の魔力があれば、一日数個づつ作ることもできますが、残念ながら広まることはありません》


「な、なんで!?」


《残念ながらその魔石が作れることが判明すれば、悪しき者はそれを自身の欲を満たすため、スキル使用者をどうするか解りません。更に、あなたの様に様々なジョブの経験者なら魔力も高く成長もするでしょう。ですが、ミツの世界の人々は、その人生で平均で2~5程のジョブしか経験しません。圧倒的に魔力が足りないのです》


「ああ……。なるほど」


 〈ディーバールチャンスダイ〉このスキルが使える者が、高い魔力を持たなければカセキを魔石に変えることができない。魔力が高い人でもスキルが使えなければ魔石も作れない。

 偶然魔力が高く、スキルが使える者がいたとしても作れるのは日に数個。作れる者を誘拐などのリスクも出てくる。

 世界から少しづつだが減っていく魔石。

 魔石はもう人々には欠かせない物。地球で言う、電気やガス、水道みたいなライフラインになっている。

 変えることのできない歯車。

 そこにリィティヴァール様、豊穣神の出番が来るのだ。

 先程ミツが受け取ったプヨプヨとした物体。

 それはとても濃い魔力の素。神気を纏った神物であった。

 シャロット様では自身の作った世界とは言え、無くなった魔力を増やすことはできない。しかし、リィティヴァール様の力なら、魔力そのものを増やすことはできる。

 二柱が永く友と言いあえるのは、互いができること、できないことを補っているからでもあった。

 

〘ああ、そうだ。周りができないんだから、あんたが魔石を作りなさい〙


「はっ?」


〚ガハハハ。そりゃいい。お前ならスキルで分身もできるだろうし、魔力は使いたい放題だしな〛


[良いわね。じゃ、枯れた地には土の魔石を埋めて、枯れた井戸や池には水の魔石を入れとけばオッケーね]


「ちょっと、オッケーちゃいますよ!」


《神々の使命を受け取りました》


「いや、えっ? ちょっとユイシス、待ってよ!」


 はっと後ろを振り向くと、ユイシスがアマチュア無線機の様な機械の前に座り、いつものウグイス嬢の様にアナウンスし始めた。


〘そうね。引き受けるなら、ご褒美としてスキルを与えるわよ?〙


[そうね~。お駄賃で私もあげるよ]


〚ガハハハ。面白い、俺からもまた何か力をくれてやろう!〛


「やりましょう!」


〘ちょろい奴……〙


「サービス残業は嫌ですからね!」


 ご褒美としてまたスキルが貰えることが解ると、直ぐに手のひら返しと魔石作りを承諾。そんな自分を見るシャロット様の視線は呆れてると言うか何というか。

 そんな視線は気にしないと、コップのコーヒーをすすっていると、自分の左手の方から怒鳴り声に近い声が聞こえてきた。


〚おい、小僧! それはそうと、お前、俺様が渡した力を全然使っておらんではないか!? お前みたいな人間など、直ぐに寿命がきてポックリ行くのだ。出し惜しみなどせず、バンバンと使わんか!〛 


「はあ……。バルバラ様から頂いた力はとても嬉しいのですけど、使いどころが難しくて……」


〚フンッ! つまらん……。なら、今度お前が参加する大会。あれで何か派手なことをして、俺様を楽しませろ!〛


「えっ!? 武道大会でですか?」


[バルちゃん、駄目よそんな無茶言っちゃ]


〚ガハハハ! 人族の中ではお前はそこそこ強く成長したのだろ? それなら、派手にお前の力を見せてみろ!〛


「んー。そう言われましても……」


〘派手はともかく、あんたはその大会で目立つことが目的なんだからね。確かにバルバラの言うとおり、あんたが派手に動くことはありね。それにちゃんと応援もしてあげるから根性見せなさいよ!〙


「解りました。いざとなったら、ユイシスに助けてもらいます」


〘まあ、必要ないとは思うけど〙


 話が終わったタイミングに、ユイシスがコーヒーのおかわりと、茶菓子としてフルーツロールケーキを出してくれた。とても甘く、ユイシスが作ったのと聞いてみたら、日本のデパ地下のお店で買ってきたそうだ。自由だなこの女神。

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