第64話 心中の悪魔が著した『地獄の書』を作者が必死にリライトす

 ごきげんいかがでしょうか?


 結局のところ、昨晩わたしを「強靭な精神を持て余している愚にもつかない狂人」にまで昇華させてしまった、例の「奇妙なるもの」はどこかで迷子にでもなっているのでしょうか、いまだ音信不通状態で全然、帰還していないのです。しかしどこの家にもあるような『家庭の医学』的見地でわたしの精神状態を考察すると、やはり、心の激しい揺らぎというか、精神の上下動がトップラインとボトムラインのデッドゾーンギリギリにまで迫ってきていて、わたしの心の守護兵を総動員して対処するより他にありません。なので現在動かせる心の自衛専心最高スペック軍団をわたしだけの仏神両統の大前庭に総員を結集させました。そして上部防衛軍と下部防衛軍の二つに戦力を分け、それぞれに信頼の置ける大将軍を任じる勅書を祐筆に二通書かせて我が朝廷の太政大臣藤原不足(ふじわらのたりない・もちろん鎌足と不比等を合わせたわたしの世界観では毎度おなじみの優秀な藤原本家の棟梁です。試験にも教科書にもこの記憶の名はないと思っていませんか? うふふ)に読ませて、節刀(欧州での元帥杖に似た刀のことです)のふた振りを用意させ、両軍総大将に贈ることにしました。以下、芥川隆行先生風のナレーションを交えてお送りします。先人風の美しそうなナレーションテクニックを堪能しつつ映画版『天と地と』及び名匠“世界の”黒澤明監督作品の一つ『乱』の、どの部分を私がパクらさせていただいたとかいうあたりをよく考えて脳を活性化させつつ、実は単なる嘘とダジャレの生み出すスペクタル(?)をご覧下されましたら心から嬉しいです。さあどうぞ……「上部の大将上杉弾正少弼輝虎! 下部の大将武田大膳大夫晴信!」という勅命の元、上杉勢はブルー、武田勢はレッドという、いかにも色鮮やかな誠に美しく、明らかに、我らが官軍にふさわしき軍旗や甲冑を、上は上杉方なら長尾政景、柿崎景家、鬼小島(弥太郎)貞興、武田勢なら高坂(弾正)正信、山県昌景、武田(典厩あるいは左馬助)信繁ら強者揃いの大将格と大軍師二人、上杉陣営においては宇佐美定満(その智謀の深浅は不詳ですけれども)、武田陣営においては山本(勘助)春幸(字名には諸説あり)などの有名どころから、下をよく見れば、仲代達矢先生主宰の無名塾出身かどうかは定かにはならん大勢の無名なる足軽・雑兵に至るまで青・赤両色のシンボルカラーを身にまとって、上杉軍には毘沙門天、武田軍には御旗(みはた)・楯無(たてなし・清和流[実は陽成流との説もあり]源氏の由緒ある鎧のうちの一つ)のご加護を頂戴し、各総大将においては天頂なる貴賓なるお兆し(私のことです)より、景虎には赤兎馬(三国志に登場する名馬)、晴信には騅(すい・楚国の猛将、項羽[籍]騎乗の愛馬であり名馬)を下し賜りて、この我が精神を虐殺せんと欲する、第六天魔王・織田上総介信成なるものとその一党なる荒川静香・高橋大輔・羽生結弦・浅田真央&舞、紀平梨花、村主章枝、安藤(通称・美貴亭)美姫、アリーナ・ザギトワ、ネイサン・チェンにお待たせしました大トリならん殿(しんがり)には極悪肥満の大権化・渡辺えりではなくて渡部絵美大元帥!! いまここに、冷酷なる無表情の氷上の地獄の妖魔たちが、古今東西・男女雇用機会均等法の主旨に則り給いて、まさに血で血を洗うと赤いまんまの「なんじゃこりゃ(『太陽にほえろ!』二代目新人刑事、今や伝説の名優・松田優作氏演じるジーパン刑事の死亡シーンで手についた自分の血を見て叫んでしまった有名な台詞です)」。さて、骨肉の好悪を問わん理解不能で理不尽・無理解・如何しようも無いまでの千日戦争(ワン・サウザント・ウォーズ 車田正美『聖闘士星矢』もおそらくここから引用したと思われる世界史の一事件の名称です)を繰り広げるので!! 果たして勝者は青か赤か、それとも、やはりスターだらけの大運動会。ぽろりがあったらこりゃ儲けもんです。なんという漆黒の闇か……はい、この結末をお知りになりたい純真無垢な日本人および在日及び観光にいらした外国人に無国籍人に宇宙人だろうが地底人だろうが未来人に、わたしはあまり聞き覚えはないが過去人? 現代人? いや、たとえあなたが地縛霊だろうが三蔵法師と愉快な妖怪たちでも、さみしい熱帯魚(Winkさんたちの曲・作詞作曲編曲者未確認)でもバクテリアでもハリウッドスターゴジラの親分&我らの英雄(ヒーロー)・ご本人主演、前夫人とても不愉快、不痛快ノンフィクション・スキャンダラス・バラエティー・コメディー・チャルシー(?)なムービー『不倫の果てに』も、全米中が腹を抱えて笑った! のかな? 死者も出たのかな? まあまあ、とにかく世界の山ちゃん! ああ、いいえ違いますよ……今度こそ、ご本人登場、世界のケン・マツダイラー!! 八代目バイオレンス・キング・ザ・グレート・ノー・ブラザースですけれどもなにか?……「僕、なにか変なこと、はっきり、言ってますよね! じゃあほぼ完全なる躁病ですね」。まあさあ洋ちゃんさあ、本人が愉快なら法律に許される範囲内で勝手気儘に文章博士ごっこで遊そぼうって無邪気な老人がさあ、聴いてる? 洋ちゃん。えっ、わたしの名前?

 ええ、わたくし『笑点』の水色のトップバッターでおなじみ、財団法人落語芸術協会会長代行・福山雅治と瓜二つのいい男、三遊亭小遊三というものでございます。どうぞご贔屓に……ちなみに文章博士の官職は大学寮紀伝道の教官(令外官)つまりは昔のキャリアアップ国家公務員のホームインですよ!


 ああ、くだらないギャグの割に万事の考証をなるだけ正確に記すための史料・資料の確認に時間と気力を浪費してしまいました。これで誰も笑ってくれなければ単なるキチガイの徒労ですよ。とほほ……


 とりあえずわたしからの伝達事項を世界狂人時間の冬が来る前に簡潔キッスでお届けします。

 まず、この話のタイトルの意味です。実は前話の初稿は完全キチガイ状態で書いていたんです。ただ、あえて難解な意味不明な文章をある目的を持って、なおかつ自分も苦しんで、無意味なのに結構深い傷を心に刻みながら命がけで書いていたのです。すごく難しかったです。ただ、やはりキチガイの時に初稿を書いてしまったので、あまりに無残で、他人さまにはとてもお見せ出来ない代物だったのです。しかし、大整形を施せばなんとか本来の目的地にいけると思いまして、イエス・高須クリニックや湘南美容外科クリニック本院などの美容整形手術が可能そうなクリニックに電話しまくったのですが、やはりというかなんというかは知りませんが、全て門前払いされました。あの手の美容外科病院は先に大金貰って、ドブスさんをそれなりのブスには出来ても、気の狂いきったわたしの宿痾が生み出してしまった嫌悪感大増量マシマシな文字の羅列をそれなりにするのことは出来ないようですよ。第一に健康保険も効きませんしね。おお、諸国の美醜に捕らわれし強欲どもよ、わたしから地獄行きの片道Suicaをギフト包装してお届けしましょうよ。ただ、包装紙の模様はドクロストーンでございまするよ。ふふふ。

 さて、仕方がないので、わたしが手塚治虫先生のキャラに擬態して、ええと、ところで、わたしの名前なんだっけ? ああ、無免許の辣腕アトムではなく天才医師、ブルーコメッツさんだよね? あなたは確か、ピノのタブーちゃんでしたよね……

 すみません『ブラック・ジャック』はわたしが医大生ではなかったもので一回も読んでないのですよ。だって、わたしの大好きな手塚作品は『リボンの騎士』オンリーで、特に男装の麗人、川島芳子ではなくて、サファイヤ姫が亜麻色のウィッグを被って心身ともに本当の女性なのにも関わらず、わざわざ女装するという変なことになったあの時の亜麻色の髪の少女のお姿が、少年の頃には、夢に出てくるほど好きでしてね。わたしが唯一、二次元の女性に惚れるという人生の十大事件簿にやはりランクインですね。


 いやあ、予想外の大手術で夜中の二時半まで約三時間にも渡り、ディスプレーを凝視していたために、だんだん全ての物体がオスプレイ(Bell Boeing V-22 Osprey)に見えてきて「米軍基地のために沖縄の海を汚すな!」と言ったようなもうどうでもいいような? いやこれは大事なことリストに入れておくべき問題です。

 いやとにかく疲れました。本文中では「今回は推敲の必要なし」とか言っていますが、それが公開される直前までは推敲どころか、初稿から残ってるのは変な雰囲気だけで、後の部分はほとんど絨毯爆撃並みに書き直したようなものです。


 ああ、緊急連絡。わたしは第62話を公開しないままに第63話を先に公開するという愚かなうっかりさんを犯しました。うっかりさんが十枚たまると、もっと大きなうっかりさんが家庭訪問に来るという、古来からの民間伝承がありますが、なぜかウチには、来たる6月5日の午後にってあと少しじゃないですか? 面倒ですね。とにかくですね、この大きなうっかりさんが白鳥に乗って来るとなぜか回覧板に書いてありました。わたしはここの町内会にみかじめ料をお支払いしていないので回覧板は来ないはずなのですが……第一に次はどこのお屋敷にバトンタッチすればいいのでしょう? ああ、第62話は自己満足出来るいい感じです。ぜひ読んでとは、口が避けたら痛いと言います。僕もあたしも人間だよね。 よしを えっ、あいつどこにいました? 第一、わたしが喋っていたのに……


 ええ、皆さまに本来お伝えしたかった「不条理の定理」についてはある程度、心の躁鬱超高速ラピッド関根勤状態から抜け出してから、改めて、お伝えするつもりですが。ここが難しいところでもあるのですが、実はある程度の躁病感がないと脳細胞の動きが高速回転出来なくなるので「不条理の定理」のことをわたしの脳が面倒なので、ハナからなかったことにしようとしたり、うっかりが過ぎて、わたしのわたしによる、わたしだけのギフトに「不条理の定理」が包まっていて、「不条理の定理」のやつが天国への階段の横にあるエスカレーターに乗って進んでも、本来ならば、わたしを出迎えに来てくれるはずだった、アビ・チビ2匹のバカねこコンビ(生前から喧嘩するほど仲が悪かったですよ。コンビ結成はありえないです)と実母がどこにも見当たらなようにした上で「なあ、お前は生まれる前から死んだ後まで不条理の皇帝閣下だな」と嘲笑いつつ暗転しあとは永遠の途方にくれ続けるのです……

 ではごきげんよう。また勉強して来ますね。

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