第33話 本能寺の変から、じのへん取ったら?
ごきげんいかがですか?
冒頭から申し訳ございませんが、ボヤかせていただきます。例の『上の住人の飼っているであろう正体未確認で明らかに大型の生物の引き起こす騒音が度を越している件』なのですが、わたしの我慢の限界をはるかに超えてしまいましたので、まず穏便に代理人を通じて不動産仲介会社に状況説明して貰ったんですが、不動産仲介会社の人によると、上の住人は同業他社の仲介で入居したのだそうです。ですがその人は代理人に「近々そちらのアパートのオーナーさんに会うので知らせておく」と言ったそうなんです。わたしは代理人に「そうなんだ。ありがとう」と言い、代理人は帰って行きました。扉が閉じた瞬間わたしは割合大声で叫びましたよ。「この、仕事出来ない大バカ野郎め! 『近々』って一体いつだよ。そんな曖昧語に引っかかりやがって。正確に『何日に会う』という言質を取っておかなくてはもう二度とこの件で文句を言えないじゃないか? 電話に出た人が沖縄出身だったら近々が半年後かもしれないじゃないかよ。まあ、それは誇張表現で沖縄県民には謝罪しますけど。わたしと違ってビジネスの最先端にいる人でもそういう国民性なんだよな……」
日本人は曖昧、有耶無耶をよしとする奇特な人間です。「白黒つけず、丸く収める」まあ、昭和あたりまではそれでもよかったのでしょうが、現代のように責任者を明確にし、なにかあればすぐに訴訟に持ち込まれる時代での曖昧さは身を滅ぼすと思います。外国人や海外法人相手ならなおさらでしょう。
おかげで今夜も十時過ぎに、なんか上の階において、日本中央競馬会主催のG1レースでも開かれているような騒音です。そろそろ、どれくらいの音量の声で怒りの雄叫びをあげれば上の住人に恐怖を与えられるぐらいの言葉が使えるか考えています。
さて、タイトルの答えがわからないような方はいないと思うので、解答は書きませんよ。
もし本当は人間の赤ちゃんはコウノトリが運んで来てくれているなら、わたしはなにも考えないのですが……いや、一つ疑問が出来ました。コウノトリさんが連れて来てくれるということは、妊婦さんによる分娩が行われないと考えられます。その場合、赤ちゃんはご両親の遺伝子などを全く受け継いでいない事実上、血縁がないという、突然話が怖いことになります。もちろんブラック気味のジョークです。
ここは現在の定説である「人は猿から原人と徐々に進化して行った」を信じましょう。
この場合、もともとヒトの祖先のうち、一番最初の今ならばの猿タイプの祖先は絶対にはまだ野生動物であるので、現代人には失われた数々の特殊能力を持っていたと思えてなりません。それは、すべて「自分の生命を維持する」「子孫を生み、種を保存する」などの生物としての基本の本能のなせる技ですよね。人間以外の全ての生物は死にたくないのですよ。人間はわたしも含めて、いや語弊があります。昔のわたしのように希死念慮をもつものが多数いる不思議な生物です。脳みそが予想以上に大きくなってしまったためについ余計な雑念が生じるのでしょう。
ここで、わたしはあえて、遠い昔に存在した超大先輩の、ほぼおサルさんたちが持っていたであろう特殊能力を得る事が出来ないかと考えました。しかし、その方法が全く思いつきません。うーん。しばらく考えて導いた答えは「とりあえず、本能の赴くまでに生きてみる」という身も蓋もないものです。とりあえず、しばらくは「食う・(水を)飲む・寝る」というごく原始的な本能を中心に極意を極めてサルに近い、かろうじてヒトを目指します。もし、仮にこれで原始の特殊能力、具体的にはよくわからないのですが「オラ、なんだかワクワクして来たぜ」となれば愉快ですね。
あっ、気がついたら、わたしの誕生日になりました。本当は午後十一時過ぎに生まれたようなんですが、チコちゃんが以前、法律で決められた、年齢が増える瞬間は、誕生日前日の午後十一時五十九分だそうです。どうも二月二十九日に生まれてしまった人たちの年齢を確実に毎年増やすための法令だそうです。そのとばっちりを受けてしまったのが四月一日生まれの方々で、法令上、三月三十一日の午後十一時五十九分に年齢が一つ増えるので、扱いが四月一日から始まる新年度ではなく、旧年度の掉尾を飾り、ほぼ一年、年上の四月生まれの子にいじめられるのです。辛そうで、哀れですね。
ではごきげんよう。また勉強して来ます。
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