アオいコロアイ

 心の底に写る景色が、どことなく色を帯びて来た頃合い。

 世界が両の手いっぱいに広がり今にも溢れ出してしまいそうな、そんな頃合い。

 若さとか青さとか、そんな曖昧で不確かなもので突き進める限界の手前。


 そんな、ありきたりな岐路きろに立つ自分はひどく冷静で、浮足立つ周囲の波にのまれるような感覚。


 いつかこうやって終わっていくんだ。

 今もこうやって終わっていくんだ。

 だから、みんなは変わっていくんだ。

 そんなどうでもいいことを考える事ばかりに頭を使う自分は正しさを知らない。


 大人に成りたくないし。

 大人になれないし。

 大人に慣れたくないし。

 近頃の自分は過去を何度も思い返しては、変りようの無い事実に思いを巡らす。


 外の世界が色づくのを感じた。

 自分の色が薄れるのを感じた。

 溶けだした色が混ざらないのを感じた。

 要するに濁っているのは自分で、それ以外は溶けだしているか、もう既に溶けきってしまっているのだとか思った。


 いつか、この感覚がせて今の自分に思いをせる時は来るのだろうか。

 わからないから、変れないままなんだ。

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