第5話

あれからあの手紙の事が気になって仕方がない……。



 毎日、気をつけて見るようにしていたものの、あれから何もない。


 なんだったんだろう。

 不思議で仕方なかった。


 考えていても何も変わらない。

 ただただ不思議だった。



 そしたら、店長が話しかけてきた。


「なつー!お客さんから指名きたよー!」


「本当ですか?嬉しい!」


 指名のお客様はなかなかいない。


 田舎だし、知っている人しかこないし。


 でも、指名してくれるなんて嬉しいな!

 全然知らない人に、指名してもらえるなんて初めての事。

 どんな人かな。


「はじめまして、安西といいます。このお店の前を通ったら可愛い子がいたので、ぜひあなたにやっていただきたくて。お願いしますね!」


「はじめまして。可愛い子だなんて……よろしくお願いします!」



 びっくりするほどの綺麗な女の人。


 見かけた事も当然ない。

 指も長くて、スタイルもいい綺麗な人だった。



 マッサージを始めて少したった頃。




「友達になってくれる?」


 安西さんが、ふと私に言った。

 きっと友達が欲しかったに違いない。

 何故、私なのかは全然わからない。


 でもきっと何かを感じるものがあったのだろうと思い、返事をした。


「はい、ぜひよろしくお願いします!」


 私と安西さんは全然違うタイプ。


 安西さんは、大人で積極的な人にも見える。



 こんな美人で綺麗な人と話は合うけど、友達になれるかな。


 だけどその時の私は、嫌な感じはしなかった。

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