第7話 転生して初めての冒険者稼業

 あの後、シルビィとずっと話をしていた。シルビィさんが今まで何をしていたのか俺が何をしていたのか先生が教室の鍵を閉めに来るまで話をしていた。帰りも一緒に帰りながら話をしていた。


「シルビィ事後報告みたいですまないが実は僕卒業したら、冒険者になるつもりなんだだからシルビィとシルビィの家の人には迷惑をかけるかもしれないそれでも」


 そこまで言った時被せるようにシルビィは「知ってるよ」と俺に言ってきた。


「実はね高等部1年の夏休みに私の実家のクリスタラーツ家にクリストファー公爵様が訪れたことがあったのその時に、ジェニスくんのことを色々聞いたの冒険者になるってことももちろんジェニスくんは私の実家のことを気にしてくれてるみたいだけど全然大丈夫だよむしろ公爵家の人間で冒険者としても実力があるジェニスくんとなら結婚しても良いってあっそのまだ結婚とかって考えが早かったよね」

「いや、貴族の家のものだからねそこはきっちりしないとだめだよねシルビィ僕と婚約してくれ!」

「ふぇっ!?はい」


 こうして俺たちは寮に戻り寮にいる使用人に婚約をしたいから実家に手紙を出して欲しいと伝えて連休の日に双方の実家に行き、婚約をしたいと伝えたらあっさり了承され、祝福された。


 特に俺が寮に帰って婚約をしたいとミトリさんに言った時は涙を流しながらお祝いしてくれて、彼女が早馬に乗って手紙を実家に届けてくれた。


 それから、学校に来た時シルビィに笑顔でおはようと挨拶された。そのことで、ロームとコズメルがすぐに反応して俺に詰めてきたので素直に久しぶりに話をしてその成り行きで付き合うことになってその後婚約したことを説明したら、2人はすごく驚いていた。

 2人が俺に祝福の言葉を言っている時に、ちらりとシルビィの方を見たら彼女も同じように友達に囲まれて質問攻めされていた。


 クラスでの一件で、俺とシルビィのことが瞬く間に、学園中に広がったがすぐに俺が公爵家の人間であることと冒険術の授業で1番の成績をとっていたことから、変なやっかみなども受けることなく終息した。


 そして、月日は流れとうとう俺は高等部を卒業することになった。 


「とうとう卒業だな!ロームはたまに飲みに行くぞ!ジェニスは冒険者頑張れよ!」

「そうだな困ったことがあったら俺たちに相談しろよたまに放課後一緒にクエストを受けたみたいに手伝ってやることも出来るからな」

「ああ、ありがとうコズメル、ロームお前らと友達になれて良かった!コズメルは武器の手入れとかでたまに会えると思うが、ロームとはなかなか会えなくなるかもだけどたまに土産でも持ってお前のとこに行くよ」

「おう任せろお前の武器と防具は親父に頼んで俺がしてやる!」

「ああ土産楽しみにしてるぞ出来ればその土地の魔法書とかだと助かる」

「ああ遺跡とかから古代の魔法省とかマジックアイテムを持っていってやるから楽しみに待っとけよ」


 初等部からの友達であるコズメルとロームと沢山話した後、俺はシルビィのとこに行った。


シルビィのとこは人だからが出来ていたが、俺が来たら皆空気を読んで話しをやめて道を開けてくれた。


「シルビィ卒業おめでとう!コズメルとロームと話してたら遅くなった」

「ジェニスくんも卒業おめでとう!大丈夫よ冒険者になるから、会う機会が減るもんね私も皆と話していたわ」

「シルビィそのことだけど本当にいいのか?」

「うん!自分の意思でちゃんと決めたのジェニスくんと一緒に冒険者になって色んなところに行くんだから」

「分かった!何かあってもシルビィは俺が絶対守るから」


 そう言った瞬間、周りから冷やかされて恥ずかしくなった俺たち2人は卒業式を抜け出し、それぞれの実家に帰って準備とか色々した。


 卒業式から1ヶ月後、結婚して夫婦となり、卒業してから初めてのクエストを受けに、アースライム王国のモンドール領のギルドに来ていた。


 学園のあった王都のギルドとは違いこの街のギルドは荒くれ者っぽい冒険者とかが多数いた。

 早速受付に活動拠点の変更の手続きなどをしようとしたら、道を塞ぐように1人の冒険者が俺とシルビィの前に出た。


「おい坊ちゃんここは冒険者ギルドだぜ女置いてママの元に帰りな」


 そう言って周りにいる仲間とゲラゲラ笑ってる冒険者を置いて、俺は異世界転生のテンプレを受け少し嬉しい気持ちになったがすぐにシルビィに手を出そうとするこいつに怒りが湧いたのでその手を掴んで魔術で強化した力で強く握手をしながら挨拶をする。


「俺はここを拠点に今日から冒険しに来たんだよろしく頼むよ先輩」

「いだだだだ手が潰れるううううううごめんなさいいいいいい」


 俺が手を離すと号泣している冒険者はすぐに仲間を連れて逃げてしまった。

 その後、無事手続きを終えてクエストを受けた。Cランクのこの街にある山のゴブリン討伐のクエストだ。


 最初に選んだクエストがBランクではなくCランクから受けたのには理由がある。


 それはシルビィとパーティ登録をしたからだ。シルビィは卒業した後に冒険者になったたので俺が協力してランク上げを事前にしたがランクはまだDだ。


 ギルドのルールでパーティメンバーの中で1番ランクの低いメンバーのランクの一個上までしかクエストを受けられないためこの討伐クエストを選んだ。


 クエストの場所である山の麓の村に着いて依頼人の村長から話しを聞いたが、ゴブリンはどうやらいくつかの洞窟に巣を作っていてかなり数が多く村に被害が出ているのだという。


 早速近くの洞窟に行ったが門番にいたゴブリンをシルビィはウォータースプラッシュという呪文でゴブリンの頭に風穴を開けた。俺は中にゴブリンがどれくらいいるか人が捕まってないかを調べるために探知魔法ロケーションを使った。


 人がいないことを確認してから火魔法フレイムピラーを入り口で使った後、土魔法アースシェイドで入り口を塞いだ。

 ラノベで得た知識で洞窟で火を起こして蓋をして酸素を無くし、敵を一掃するというものだ。


 中のゴブリン達が突然上がった火柱に騒いでいたが段々と声がなくなり再びロケーションを使って生き残りがいないか調べた後、蓋を開けて鎮火し中のゴブリンの死体から討伐の証である魔石を剥ぎ取ったりした。


 これを7つの洞窟でやって3つ目の洞窟でなんとゴブリンの上位種であるガルスゴブリンを討伐出来た。


 普通に戦うとBランクはあるガルスゴブリンはこのゴブリン達をまとめているリーダーだった。討伐の報告を村にしてから戻ったギルドで受付にすごく驚かれた。

 こうして、鮮烈なデビューを飾った俺たちは最強のルーキーカップルと呼ばれた。


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