第121話 初めての剣!

「うわぁ、これが本物の剣か…」


ユリウス自慢の剣を見せてもらう。


かなり重い。

金属の塊を持っているみたいだ。

幅広で日本刀とは全然違う。


良く手入れされていて、ギラリと光り、これで斬られたらおしまいだなと思う。


「相手が鎧でも着てれば別だがな」


ユリウスが言うには斬りふせると言うよりかは、叩き潰す感覚に近いらしい。


「鎧を着てても斬られないってだけか…」


怖いな。

これを振り回す騎士は腕力が凄そうだ。


鎧といえば、ユリウスはいつも鎧を着ているわけではない。町で初めて会った時はパトロール中だったため着用していたらしい。


なので普段は軽装だ。

村の人よりも良い服を着ているが基本は同じ。上着に深緑騎士グリューネ・ヴァルトらしいグリーンのベスト。皮のベルトでウエストを絞っていて、下衣ズボンも動きやすそうである。皮のブーツも革紐付きで、村人の物とは一線を画す上質なものだ。


ただ、腰に長剣を下げている。


一般人は持たないものらしい。


長剣、大剣を身に付けていたら騎士か見習い剣士、或いは冒険者、傭兵——。


「すごいな、これがあれば黒狼ももっと楽に倒せたかもな」


俺はそう言いながら剣をユリウスに返す。


彼はそれを苦もなく弧を描くように振って、鞘に納めた。その一連の動作はやはり使い慣れている者の動きだ。


「お前は剣は使わないのか?」


「…やってみたい」


けど腕力がなぁ。

いやその前にあんなので生き物を斬る度胸がない。(黒狼の時は必死だったけど…テグスだったし)


「面白い。教えてやろう」


へ?



つづく

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