第39話 リール村彫刻師!

 木工が得意なグスタフさんに俺が渡したのは…。


 彫刻刀セット〜〜!


 グスタフさんはすごく驚き、かつ喜んでくれた。仲間にトレイやブローチの切り出しを頼み、グスタフさんが模様を削り出す。


 華やかな唐草模様、花、動物がどんどん削り出されていく。


 出来上がった物を、また他の者がヤスリがけをする。


 もちろんヤスリはタミヤの紙ヤスリ。(180番と2000番を使用)

 艶出しは森で子どもたちが拾ってきた胡桃を使う。


 こうして出来たトレイやコースター、ブローチ、飾りボタンを商品に加えた。


「カリン、俺は村の人が作ったカラーやグスタフさんのボタンが売れたら嬉しいな」


「売れますとも、ヒロキ」


 俺もカリンもうなずきあう。

 2回目の自由市場はもうすぐだ。



 と、そこへ他の村へ物々交換に行っていた村の大人たち…ドルフとケンプルさん達が帰ってきた。ちょうど丘のふもとに差し掛かる。


 ドルフは俺より少し年上で村長の末っ子だ。ケンプルさんは前に門番をしていた人(カリンの叔父さん)だ。


 2人でシーツと菓子パンを麦に交換できそうな村へ出かけていたのだが…。


 2人とも表情が冴えない。


 俺とカリンは丘を駆け下りた。


「ケンプルさん!」


「ヒロキ殿」


「何かありましたか?」


 俺が尋ねると2人は顔を見合わせたが、ドルフの方が口を開いた。


「東側の村が、無くなっていたんだ」




 つづく

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