第33話 イメージはスプ○スコープで!

「わ、私に女神様がりたのですか?」


 カリンはいつもの服に着替えていた。


 始めは信じられないようであったが、銀色に光る水を見て直ぐに納得する。


「これを使えば魔物は寄り付かないそうだよ」


「では、まずはこの丘と村をつなぐ道ですね」


 その通り。

 そうすれば小屋の建設もはかどるし、菓子パンやポテチを運ぶ手間も少なくなる。シーツを村の女性たちに加工してもらうのも頼みやすい。


 早速さっそくいてみる。


 銀色に光る水は地表に吸い込まれて消えた。効果あるのかな?


「ヒロキ!水を撒いたところが淡く光ってます」


 おお、よく見ないとわからないけどぼんやりと光を放っている。


 ただ…。


「効率が悪いな」


 いっそ桶に移して柄杓で撒いた方が早そうだ。


 水を撒くもの…ジョウロ?ホース?


 ホースくらい水が飛んだら、楽だろうなぁ。


 …。


 ある。

 持ってるじゃないか。

 昨日の朝見た。


 俺は部屋にとって返す。

 木刀の隣にあったヤツだ。


 俺はそれを手に取ると、意味もなく台座を肩にかけ、銃身をドアに向けて構える。


 加圧するための可動部をガショガショと動かしてみる。


 スコープは飾り物だが一応覗いてみてトリガーを引く。


(イイもんあるじゃん)


 加圧式水鉄砲。




 つづく

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