第26話 お土産を持って帰ろう!
カールの欲しいもの?
なんだろう?
「
「却下!!」
即座に俺とカリンが声を合わせて否とする。カールはがっかりしてしまったが、液体は重いのだ。
(決して味だけで拒否したのではない)
「うう…ダメかぁ」
「今度な、今度!重い荷物を運ぶ手段を見つけてからな」
「はぁい」
何とか納得したようだ。
すまんな、カール。
俺達は『銀龍亭』に銅貨7枚を支払うと広場に戻った。
残りは77枚と小銅貨8枚だ。
そのうち銅貨3枚は村長に返すから、残りは74枚と小銅貨8枚である。
まずはお隣さんのベーコン屋さんだ。
「おお、あんたらか。いいよどの位欲しいんだ?」
「銅貨10枚分ってどのくらいの大きさになるんですか?」
店の親父さんはふむふむと頷くと商品の中からそこそこでかい塊を俺達の目の前に、ドンッと置いた。さらにデカイ肉切り包丁でそれを半分にした。
「こんくらいだな」
それはスーパーで見るベーコンとは格段に違う大きさだ。スーパーのパック10個よりも多いだろう。
重さ的には…国語辞典一冊と半分くらいだろうか?
相場がわからないので親父さんを信用してそのまま買う事にする。
「おう、ありがとうよ」
親父さんは上機嫌で塊をそのままよこす。俺が驚いていると、カリンが持ってきたダンボール看板に挟んでリュックの中にしまう。
(そうかラッピングの文化が無いんだ)
そもそも紙が貴重なんだろう。
もしかしたらカリンさえもダンボールが紙で出来ているって気がついていないかもしれない。
その後市場で小麦粉を扱っている店で小麦粉を買う。こちらは目の細かい布袋に入れて売っていた。リュックに入るくらいだと2袋くらいだろう。こちらは銅貨1枚で買えた。
「これでどのくらいの量のパンが焼けるかな?」
カリン聞いてみると、先ほどの『銀龍亭』で食べたパンが30個くらいだという。
「ダメだ。全然足りないや」
およそ100人(と少し)の村人達の胃袋を満たすには足りなさすぎる。
その後タマネギとジャガイモをリュックいっぱいに買ったが、これも皆で食べるには少ない。
残りの58枚の銅貨を両替して銀貨5枚と銅貨8枚にする。これでいくらか軽くなる。
皆で重いリュックを背負って帰路に着く。まだ陽は高いが、2時間半かけて帰るのだ。
(うう…あの道をまた帰るのか…)
泣くな、俺!
村のみんなが待ってるぜ!
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます