第25話 エールのお味!
俺達はちょっとみっともないけど、がっつくようにして平らげた。
(カリンはそんなことないけど)
一息ついて飲み物を口にする。
「ヴッ?」
なんだこりゃ?
「エールですね」
カリンが木製のコップを
「エールって、
「そうですね」
カリンはさも当たり前みたいに言うが、俺は今までこんな
冒険者が意気揚々と飲み干していたのはこれなんだろうか…。
(俺が大人の味がわからないという事もある)
「カリン、これ飲む?」
俺がそう言うと彼女は慌てて、
「いえ、結構です。私はお水で…」
カリンが飲んでいるのは水のようだ。
カールはと見ると、コップをぐいっと煽っている。
「…ッハー!ん、ヒロキ様?」
「お前…、飲めるのか?」
「はい!水代わりです!」
おおぅ、子どもに先を越された感があるのはなぜだ?
「俺のもやるよ」
「ええっ、良いんですか?」
嬉しそうだ。
信じられん。
「なぁ、さっきの隣の店でベーコンを売っていただろう。あれを少し買っていかないか?」
「良いですね。お店の方も感じが良い方達でしたし」
カリンも同意してくれて、カールもうなずいている。
よし、1つは決まった。
「他は何が良いかな?」
「少し値が高いですが、小麦粉はどうでしょう?この背負い袋に詰めるだけ詰めて」
「重そうだけど悪くないな。カールはどう思う?」
「確かに小麦そのものより高いけど、小分けにして売ってくれるだけいいかな」
「よし、これも買おう」
あとは野菜でも買い足したいところだが、どうだろう?
「野菜…ですか?タマネギかジャガイモが適当かと思います」
カリンは少しだけ小首を傾げてそう言った。相変わらず可愛い。
「では持てるだけそれらを買って帰ろうか」
「あっ、おれ欲しいものあるんです」
カールが元気よく手を上げた。
つづく
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