第19話 はじめてのお出かけ!

早朝、俺の時計で6時半だ。

俺の部屋の隣には作りかけの小屋がある。準備している3日間のうちに、カリンの小屋はどんどん作られていた。


緩やかではあるが、斜面に建てるため小屋の下に杭使って高さを合わせている。その上に床を張り、壁を巡らせている。


その前で待っていると村の方から駆け足で1人の少年がやって来た。


え?

手伝いって、子ども?


子どもといっても俺よりも少し下くらいの子だ。俺はてっきり商売に詳しい大人が来るものだと思っていた。


「カール!」


カリンがその子の名を呼ぶ。


「カリン姉ちゃん、待たせたね」


弟?


「いえ、従兄弟です」


なるほど雰囲気はカリンに似ている。

明るい色の短髪で、白い肌にはそばかすが少し。瞳の色はカリンよりも濃くて夜色に近い。背の高さはカリンと同じくらいだった。


大人が来ると思ってたと素直に言うと、カールが説明してくれた。


誰が行くかとなった時、手の空いているもので立候補したのは彼だけだったという。


「皆、長い道中で魔物が出るのが怖いんです」


このところ村と丘の道には異変が無かったから油断していた。

武器もいるかな?


俺は念のためクローゼットの奥から木刀を出すことにした。

探してみると木刀は古い傘と子どもの頃遊んだデカイ水鉄砲と一緒に縛ってあった。そこから『日光』と焼印の押してある木刀を引き抜くと部屋を出る。


それをみたカールも欲しがったので、もう一本用意する。


それと飲み水のペットボトルを持って、


「さあ、行くか」


出発である。



そういえば俺は村を離れるのは初めてだ。急に不安になる。俺の拠り所はあの部屋だからなぁ。


このメンバーも、特に何も無い高校生と1つ年下の女の子とさらに年下の少年と頼りない。


(むしろ俺がしっかりしなくては!)


俺は気合を入れ直して歩き始めた。


つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます