第18話 自由市場へ行こう!

布と針などを売る事を村長に提案すると、意外にも渋い顔をした。


「売りに行くのは俺が行きますよ」


狼の事を気にしているのかと思って言うと、そうではないと言う。


なんでも町で商売をするには組合があって、そこに入るにはツテとお金がかかるらしい。

(ギルドでもあるのだろう)


「新参者の我々が道端で商売しても追い出されるでしょう」


「ただ…」と村長は続けた。


「日曜の市には出せるでしょう」


日曜の市!?

スーパーかっ!

いや、曜日があるのか!?


聞くとあちらと同じく曜日があるという。並びも同じだが、ひと月の日数は違うようだ。


ひと月30日。

月曜日から始まって必ず7の倍数の日が日曜日。


30日までいったら翌日は次の月の1日。年末に過越の祭りを5日間行ってだいたい365日。


毎月火曜日に終わるのか。変な感じ。


さて、日曜の市は自由市場であるそうで、近隣の村から物売りが集まるのだという。これには出店の料金も安いし、税金も納めなくて良いそうだ。町の経済活性化のためなのだろう。


「自由に売買できるならわかりやすいな」


「そこであればすぐに店を開けます。今日は木曜日ですから…」


「今日を入れて3日間準備する時間があるわけだな。よし、それに行ってみる」


村長は手伝いに誰か行かせると約束してくれた。


帰りがけに村の中で一軒の家が解体されているのが見えた。解体した家を小さな小屋に作り直す為に計り直しているようだ。

カリンの部屋が出来るのは楽しみだ。




それから3日かけて俺たちは市場で売るための商品を用意した。


町までは歩いて半日の半分くらいというから、約2時間から3時間だろうか?

(俺、歩けるかな…)

ちょっとげんなりしたが、これも異世界生活だ。やるよ!歩くよ!


俺とカリンと手伝いに来る人を合わせて3人。歩くから背に背負えるように用意したい。


カリンに相談すると、村から背負子しょいこを借りれば良いと言う。

L字型で荷物を載せていくやつだ。

かなり重いものも運べるらしい。


けれど肝心の俺が体力に自信がない。持久力は特に無い。

(瞬発力ならいくらかはあるけど)


「ま、まずは売れ筋の商品を確認すると言う事で、欲張らずに持って行こう」


俺は学年行事で登山をした時の紺色のリュックを引っ張り出した。縦長でかなりものが入る。これに入れて行こう。


そうして用意したのは、白いシーツ(ロール状に丸めて5本)。針(裁縫道具に入っているセットを10個)。縫い糸(白・赤・青が10個ずつ)。


菓子パン(リュックの中に切ったダンボールで支えを作り、潰れないように30個。売る前にパッケージから出す予定)。


タオル(前にバスケをやっていたのでスポーツブランドのタオルが何本かあった。さわやか白系と赤×黒の2種類を5本ずつ)。

バスタオル(水泳の授業で使うのでクローゼットにしまってあった。大判のノーブランド。謎の英文がかいてある。これを5本)。


それぞれ3つのリュックに入れる。

はみ出した分もあるが別に気にしない。


そして迎えた日曜日…。


つづく

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