第20話 久しぶりに肉を見ました!

町についたのは俺の時計で9時だった。人の足で2時間半かかったわけだ。


頼りないと嘆いたメンバーの中で、俺が1番へたっていた。


「大丈夫ですか?ヒロキ」


「うん…」


こんなんで商売出来るだろうか。とにかく疲れた。


町は村よりもずっと立派な城壁(城はないけど)で囲まれていて、その周辺から集まってきた人々で賑わっている。門も大きくて重厚な扉がつけられていた。


どうやらここで身分の確認をしたり、日曜の市…自由市場の受付をするらしい。


「カリンは、来たこと、ある?」


まだ息が整わない。


「私は何度か。でもカールは叔父に付いて日曜の市の手伝いをしていましたから、彼に任せれば大丈夫でしょう」


なるほど、立候補してくれただけある。カールは順番が来ると、胸元からお守り袋みたいな物を取り出して、そこから銅貨らしき物を手のひらに転がした。


「あれは?」


「市場の参加料です」


カールは銅貨を3枚支払って、俺たち3人が入れるよう受付に話している。

俺だけ着ているものが変わっていたためかちょっとジロジロ見られたが、受付は頷いて通してくれた。


「銅貨3枚以上は稼いで行かなきゃね、ヒロキ様」


カールの手際と明るさが俺にやる気を出させる。コイツいい子だ。


カールが渡された札は番号札だろうか?街の真ん中の広場にある、同じ文様のブースに行く。会議室の長机位の机が置いてあった。


周りを見渡すと、広場を囲むようにやや大きな石造りの建物が並ぶ。


カリンが言うにはこの辺りの行政機関のようだ。町役場ということか。


さて、まずは商品を並べよう。

半分はパンを並べる。

もう半分は裁縫コーナーだ。


隣を見ると右は雑貨…大小様々な籠を並べている。


反対隣は…おお、肉だ!

久しく食べていない、ベーコンの様な物を並べている!


「カール、あれは?」


「豚肉塩漬けをスモークしたものだよ、ベーコンっていうんだ」


ほうほう、やはり。


「腸詰めとかある?」


「あるよ!」


こ、これは食べてみたい。


がぜんモチベーションが上がるっ!


つづく

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