第191話 相性

『桜雪、おかえり』


 暗い部屋、ベッドの上でクロさんが寝ていた。

 目を薄く開けて僕を見て小さく鳴く。

 大きな腹を出して完全に寛ぎモードである。


 普段はチョビさんが寝ている場所で寝ていたクロさん、チョビさんは…枕元に置いてある僕のガウンに頭を突っ込んで寝ている。

(頭が寒いのかチョビさん…)


『桜雪、もう少し寝るから』

 クロさんの睡眠を妨げてはいけない、すこぶる不機嫌になる。


 電気を消して寝室を出て、リビングへ移動すること数分…

『桜雪ーーー‼』

 チョビさんが起きだして騒ぎだす。

 そしてクロさんと喧嘩になる。


 当然…負けるチョビさん…

 リビングへ走ってきて、なにやら訴えてくる。


 大体、想像はつく。

 チョビさん起きて吠える。

 クロさんを見つける。

『黒いの起きて』と叩く。

 そして叩かれる。

 逃げる…悔しくて騒ぐ…。


 猫って…相性が大事だな。


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