第176話 レアな日

「おや…珍しい」

 チョビさんとクロさんが僕のベッドで一緒に寝ている。

 滅多にない光景なのだ。

 どちらかが寝ると、もう一方は別の場所で寝る。

 それがチョビさんとクロさんのスタイル。

 仲が悪いわけでもないのだが、オス猫は縄張り意識が強いのかもしれない。

 この日は、僕も休日、3人で昼寝も悪くない。


 ずっと、このまま…そんな気持ちにもなるけど、それも悲しいことなのかもしれない。

 勝手気ままに家の中を歩く猫、何をしてくれるわけでもない。

 友達でもない、家族でもない、同じ家にいる隣人のような存在。

 だけど、不思議と隣に眠るぬくもりが僕の心を穏やかにさせる。


「僕の隣なんかで、幸せですか?」


 ちょっと撫でて眠ろう…。

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