第171話 甘え方が半端ない

『桜雪おかえり』

 玄関はクロさんの縄張りである。

 狭い玄関に大きなクロさんが横たわってくつろいでいる。

『桜雪ーーー』

 階段の上から駆け下りてくるチョビさん。

 2階はチョビさんの縄張りであるらしい。

 僕が帰宅すると、足元でウロウロ…ウロウロ…纏わりついて鳴きまくる。

 ソファに座ると、僕の身体の上に乗って、スリスリ…スリスリ…

 足元で身体をくっつけて横になる。

 僕にくっついて歩き回り、食事の最中は、どかされるので食べ終わるまで鳴きまくる。

 夜も隣で眠り、目が覚めれば、僕を起こす。


「チョビさん…眠い…」

 僕の眠りが浅いのはチョビさんのせいである。


 最近はチョビさん、甘え方が激しいのだ。

「とりあえず毛だらけだよ…」

 風呂に入った気がしないほど、服も顔も毛だらけなのだ。

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