第170話 TVは見せない

「チョビさん…」

 僕の目の前でスクッと凛々しく横向きに立つチョビさん。

 TVは見せないという強い意志を感じる横顔だ。

「退いてください」

『………』

 ピクリとも動かねぇ。

 抱っこしようとするとシーツに爪を立てて抵抗する。

 喉を撫でてみる。

 グルグルグルグル…

 目を閉じて喉を鳴らす。

 背中を撫でてみる。

 ゴロンと横になる。

『もっと撫でれ桜雪』


 チョビさん自分以外のことに集中してはダメらしい。

 録画が溜まるばかりで観れてない。

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