第160話 握手

『桜雪、にぎーっ』

 チョビさん、最近、握手が気に入っている。

 僕の指に前足をチョンッとくっつけて、にぎーっと指を握って来る。

「チョビさん…地味に痛い」

 ニュッと飛び出してくる猫の爪。

 壁紙どころか壁まで剥きだすほど研いでいるチョビさんの爪。

 痛いのだ。


 夜など痛くて目を覚ますと

 僕をジトーッと見ているチョビさんが、にぎーっとしている。


『桜雪、握手』

「うん…チョビさん…寝といてください」

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