第159話 今年は廊下

「クロさん…ここで寝るんですか?」

『桜雪、ダメなのか?』

 クロさん今年の夏は廊下の真ん中で寝ることにしたらしい。

 僕のベッドの真ん中が寝床と決めているチョビさんと違って、クロさんは寝る場所をチョクチョク変える。

 大概、邪魔な場所で寝るのだ。

「クロさん…」

 真っ黒なクロさん、廊下の真ん中で寝ていると踏みそうである。

 目を開ければ金色に光るクロさんの目。


 残念なことに歳のせいもあり、よく眠ている…。

 まぁいいんだけどね。

 喉を撫でるとグルグルと大きな音を鳴らす。

 デカい黒猫…

「クロさん…また一緒に寝ようね…寒くなったら」

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