第154話 暑いからね

『桜雪…おかえり』

 玄関でクロさんが寝ている。

 眠そうに眼を開けるクロさん。

「ただいまクロさん」

『桜雪…そっち行くの?』

 洗面台に向かう僕の足元にしがみ付くクロさん。

『桜雪、引っ張って』


 ズルズルと引きずられるクロさん。

 洗面台の前まで来るとパッと爪を引っ込める。

『あんがとね、桜雪』


 冷たい洗面台で寝るつもりだな…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る