第147話 久しぶり

 仕事から帰ると、玄関で鳴いている猫。

「モドキさん」

 久しぶりである。

 毛の色がチョビさんに、そっくりの猫、チョビさんより顔がちょっと丸いが、本当によく似ているのだ。

「モドキさん、久しぶり」

 カリカリを玄関に置くと、子気味いい音をたてて食べ始める。

 水を飲んで、フラリとまたどこかへ歩いて行く。

 野良猫とは逞しくも、悲しいような…

 本人はどう思っているか知らないが、飼い猫と、どっちが幸せなのかと考えてしまう。

 部屋に行くとチョビさんが寝ている。

「チョビさん…幸せですか?」

 そっと撫でた手を甘噛みするチョビさん。


 少しだけ…悲しいような気持になった。

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