第146話 忙しいな

『桜雪…おかえりー‼』

 バイトから帰るとベッタリとくっついてくるチョビさん。

 トイレの外で待っているくらいだ。

 時々、やってくる甘え時期である。

 噛む、爪をたてる…とにかく離れない。

 そしてよく吠える。


 そんなチョビさん、僕が風呂から戻るとリビングにいない。

 寝室にもいない。

「どうした…って…コレかい…」


 そこら中に吐き散らかした未消化のご飯。


 また全力で食って、走って戻したのだ。


「臭い…生臭い…」

 ネコのご飯は生臭いのだ。


 家でも清掃業とはね…。

 吐いた部屋には戻らない、それが猫という生き物なのである。

『桜雪ー‼ 片付けておいてー‼』




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