第141話 腹のうえ

『桜雪ーーー‼』

 バイトから帰ると、チョビさんが腹の上で丸くなる。

 うつらうつらと居眠りしながらチョビさんを撫でる。


 突然、チョビさんが腹の上で立ち上がる。

 カッ…カハッ…

 小さな体がビクン…ビクンと波打つ。

(コレ…ダメだ…)


 ウエッ…

 ほぼほぼ原形を留めたカリカリを吐き出す。


『桜雪、僕行くね』

 吐くだけ吐いて、部屋を出ていくチョビさん。

「食って、すぐ走るからだよ…」


 寄りによって僕の腹の上で吐くこともあるまいに…

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