第142話 それは足です

 チョビさん、眠る場所には、こだわりがある。

 毛布を好みの形に整えるために爪を立ててブチブチ…ブチブチしながら整えていく。


 だが…季節は初夏…毛布は薄手の掛布団へ変わった。

 そして悲劇が…。


 ブチブチ…ブチブチ…

 僕が寝ていると足元でチョビさんが爪を立てている。

 グサッ!

 掛布団を貫通した爪が僕の太ももに突き刺さる。

「チョビさん…ガチで痛い…」


 お構いなしにグサグサ爪を突き立てるチョビさん。

「チョビさん…チョビさん…」

 慌てて抱き上げると

『桜雪、どうした?』


 どうしたじゃないんですよ…太もも穴だらけです。


 不思議と血がほとんど出ないんだよな~。

 穴は開いてるんだけどな~。

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