第119話 探しても…

『むむむ…桜雪…僕見てくるよ』

 膝の上でTVを観ていたチョビさんがスクッと立ち上がる。

 ピョンッと飛び降りて、慎重にTVに向かって歩いていく。

『誰かいる?』

 TV台に飛び乗って狭い隙間からTVの裏に入っていく。

「チョビさん…」

『桜雪…誰もいない…』

 器用に体制を入れ替えて戻って来るチョビさん。

 そして不思議そうにTVを観ている。

『桜雪、後ろには誰もいなかったよ…アレ誰?』


 時々、TVの裏を確認しにいくチョビさん。

 驚くのは、その狭い隙間で体を反転させる柔らかさだ。

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